3月2日にイタリア・トスカーナで開催された第7回ストラーデビアンケ(UCI1.1)。全長57kmの未舗装区間を含むレースに挑むため、どのチームも太めのタイヤを準備した。石畳のクラシックレースに向けたリハーサルを兼ねている様子だ。

カンチェラーラのみFMBのパリ〜ルーベ(25mm)を使用するカンチェラーラのみFMBのパリ〜ルーベ(25mm)を使用する photo:Kei Tsuji未舗装路を走るストラーデビアンケは、クラシックレースを狙う選手にとって格好の準備レース。同時に、メカニックにとっても腕の見せ所となる。

連覇狙いのカンチェラーラは、昨年優勝した際にプロトタイプとして使用していたトレックのドマーネに乗る。継続的にコンポーネントはカンチェラーラのみワイヤー式シフターを選択する。

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)のトレック・ドマーネファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)のトレック・ドマーネ photo:Kei Tsujiどのチームも未舗装路に備えて太めのタイヤを使用していた。実際プロレースの現場では、舗装路でも25mm前後のタイヤを使うチームが増えているが、今回のストラーデビアンケ用に主に用意されたのは絹目や杉目などのパターンが入った25mm前後のチューブラー。カンチェラーラはスポンサー外のFMBパリ〜ルーベ25を使用した。

あるチームのメカニックいわく、26mm以上のタイヤを求める選手もいるが、フォークやチェーンステーのクリアランスの関係で見送っているとのこと。

なお、未舗装路と言っても路面は硬く踏み固められており、日本人が想像するほど荒れてはいない。荒れた舗装路よりもよっぽど走行抵抗が少ないと感じさせる路面も多い。砂が浮いているコーナーがあるため注意が必要だが、23mm前後のタイヤでも充分走れてしまう。

アスタナはヴェロフレックス・アランベール(25mm)アスタナはヴェロフレックス・アランベール(25mm) photo:Kei TsujiBMCレーシングチームのタイヤはコンチネンタルのプロリミテッド・コンペティション(25mm)BMCレーシングチームのタイヤはコンチネンタルのプロリミテッド・コンペティション(25mm) photo:Kei Tsuji

キャノンデールが投入したニューバイク キャノンデールが投入したニューバイク  photo:Kei Tsujiワンツー勝利を飾ったモゼールとサガンは従来のスーパーシックスEVOを使用したが、その裏でキャノンデールプロサイクリングはグリーン一色に塗られたプロトタイプのバイクを投入した。

湾曲し、横に扁平したシートステーとチェーンステー、前後の衝撃吸収を狙った細身のフォーク、長めのヘッドチューブのそのバイク。なんと言っても、BB上部で二股になったアーチ型シートチューブが目を引く。メカニックは詳細を明かさなかったが、シナプスの新型だと推測される。春のクラシックレースで登場する機会が増えそうだ。

キャノンデールが投入したニューバイク 特殊なシートチューブが目を引くキャノンデールが投入したニューバイク 特殊なシートチューブが目を引く photo:Kei Tsujiキャノンデールが投入したニューバイク シートステーが湾曲しているキャノンデールが投入したニューバイク シートステーが湾曲している photo:Kei Tsuji

フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)のメリダ・リアクトフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)のメリダ・リアクト photo:Kei Tsujiフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)は、トレックのマドンと同様、ダイレクトマウントブレーキを使用したエアロロードモデルのメリダ・リアクトの新型を駆った。なお、最大勾配18%の激坂も登場するため、主にエース級の選手はリアに最大28Tを用意。アシスト選手の多くは最大25Tだ。

その他、ツアー・ダウンアンダー開催時と比べて、9000/9070系のシマノデュラエースを使用するチームが増加した。UCIワールドツアーリーダーのスラグテルを擁するブランコプロサイクリングは、パイオニア製のパワーメーターを使用した。

パイオニアのパワーメーターを使用するブランコプロサイクリングパイオニアのパワーメーターを使用するブランコプロサイクリング photo:Kei Tsujiパイオニアのパワーメーターを使用するブランコプロサイクリングパイオニアのパワーメーターを使用するブランコプロサイクリング photo:Kei Tsuji


text&photo:Kei Tsuji in Siena, Italy