埼玉に根ざしたチームを目指すVAX Racing With Saitama。3月2日(土)に行われたプレゼンテーションでは、2013年シーズンを走るメンバーと機材、ジャージ、チームが据える目標がお披露目された。

VAX RACING with SAITAMA チームメンバーVAX RACING with SAITAMA チームメンバー (c)Makoto.AYANO

今季よりVAX RACING with SAITAMAとチーム名を改め、地域密着型チームとしての活動を目指すVAX RACING。新チーム体制発表プレゼンテーションの場に選ばれたのは、チームが活動拠点を置く埼玉県川島町の町役場。会場には飯島和夫副町長や、地元出身の議員も応援に駆けつけた。

VAXレーシング後援会長を務める、高田照久氏の挨拶で幕開けたプレゼンテーションには、本チームの選手や育成チームであるRising VAXの選手、チームスタッフなどが集結した。

菅野 正明菅野 正明 (c)Makoto.AYANOエースの長沼 隆行エースの長沼 隆行 (c)Makoto.AYANOキャプテンの松尾 修作キャプテンの松尾 修作 (c)Makoto.AYANO


チーム代表を務める馬場隆司氏の紹介で一人一人紹介していく選手たち。所属する選手の中で、継続は長沼隆行、黒岩信允。菅野正明。松尾修作、入倉健の5名。ここにチームAvelから移籍した鈴木久仁寛とパンチャー・小林海(マリノ)の2名を加え、2013年は選手7名体制でシーズンを戦っていく。

エースを担う長沼隆行は紹介の中で、「去年は思うように成績を出すことが出来なかった。今シーズンは、"ダメだったら引退する"という背水の陣の意気込みで自分を追い込み、結果を求めて行かなければいけない」とコメントした。

入倉健入倉健 photo:So.Isobe黒岩信允黒岩信允 photo:So.Isobe


小林海小林海 photo:So.Isobe鈴木久仁寛鈴木久仁寛 photo:So.Isobe


チーム結成2年目の2012シーズン、初めてJプロツアーに参戦したVAXレーシングの最終的なチームランキングは、24チーム中で11位だった。「"初めてのJPT参戦でよくやった"との声も頂きましたが、選手たちも、チームとしてもこの結果には満足していません。」と語る馬場代表。

チームが2013年に据える目標は、JPTでの1勝と、チームランキングで6位以内に食い込むこと。チーム成績を押し上げるということは即ち、エースのみならず全ての選手に結果を残すことが求められる。長期的な目標としては、3年後の2015年、「日本一のチーム」となることだ。

オーダーメイドのレリック製のチームジャージの高機能ぶりが話題をまいたオーダーメイドのレリック製のチームジャージの高機能ぶりが話題をまいた (c)Makoto.AYANOゼネラルマネジャーの馬場 隆司ゼネラルマネジャーの馬場 隆司 (c)Makoto.AYANO


抜きん出た登坂力を持つ長沼に加え、アタッカーの松尾、パンチャーの入倉など継続選手に加え、3day's Road熊野第2ステージで優勝した鈴木久仁寛と、経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップJユースで優勝した18歳の小林海の加入はチームに新しい風を吹き込む存在だ。スペインと日本のハーフである小林はコネクションを生かし、スペイン遠征も予定に加えているという。

キネシオロジーテープのプリカット品 ニトリートの「スパイダーテック」を使用するキネシオロジーテープのプリカット品 ニトリートの「スパイダーテック」を使用する (c)Makoto.AYANOバックライトを浴びてステージに登場した選手たちバックライトを浴びてステージに登場した選手たち (c)Makoto.AYANO


一般ライダーを対象にしたペダリング講習会一般ライダーを対象にしたペダリング講習会 (c)Makoto.AYANO地元・埼玉に根ざす活動を目標に据えるVAXレーシングへは、秩父に本拠地を置くグラファイトデザインが今年も引き続き機材をサポート。更に熊谷のサイクリングアパレルブランド、Reric(レリック)が加わったことで、より結びつきを強めた格好となった。レリックは素材から自社で企画・生産できる強みを生かしてバイクアパレル界に進出。非常に高品質な高機能ウェアをリリースして注目を集めているブランドだ。

チームウェアの胸にはスポンサーであるSPIDER TECH(スパイダーテック)の文字が入る。スパイダーテックは、キネシオロジーテープのプリカット品 で、スポーツ時の筋肉の動きをサポートする。ジャパンカップでスパイダーテックチームが来日したことがきっかけとなり、日本代理店のニトリートがサポートについた。

子供の自転車教室「ウィーラースクール」も展開していく子供の自転車教室「ウィーラースクール」も展開していく (c)Makoto.AYANOチームはさらに子供を対象に正しい乗り方を行うウィーラースクールをチーム活動に取り入れるなど、"自転車のまち"をめざす埼玉県と連携していく方針も発表された。「選手たちがマナーや法規を尊守して走ることで認知度とロードレースに対する親しみを高めていきたい」とは馬場代表の言葉。

冒頭の飯島副町長の挨拶の中では、商店などへのサイクルラックを設置や、既存のサイクリングロードをより有効活用していく方針も示された。

新生VAX Racing With SaitamaのJPT初戦は、4月14日の伊吹山ドライブウェイヒルクライム。まずは長沼や菅野ら、クライマーの活躍に期待が掛かる。




VAX Racing With Saitamaチームバイク グラファイトデザイン T800
お披露目となったグラファイトデザインの新モデル T800お披露目となったグラファイトデザインの新モデル T800 (c)Makoto.AYANO

チームの選手たちが駆るのは、もちろんサプライヤーを務めるグラファイトデザインのバイク。ラインナップの中でメテオ・スピードとメテオ・ランチ、今回のプレゼンテーションでお披露目されたT800の3台から、選手の好みと脚質によってチョイスされる。

エドコ Oseousホイール、タイヤはハッチンソンを使用するエドコ Oseousホイール、タイヤはハッチンソンを使用する (c)Makoto.AYANOシューズはCSタキザワ提供のディアドラを使用シューズはCSタキザワ提供のディアドラを使用 (c)Makoto.AYANO


チームウェアのRericをプロデュースする服部 稔氏(イノセントデザインワークス代表取締役)と長沼 隆行チームウェアのRericをプロデュースする服部 稔氏(イノセントデザインワークス代表取締役)と長沼 隆行 (c)Makoto.AYANOグラファイトデザインの新モデルT800と開発者の松崎 雄一郎氏グラファイトデザインの新モデルT800と開発者の松崎 雄一郎氏 (c)Makoto.AYANO


ステムやハンドル、シートポストなどはすべてグラファイトデザイン製で、コンポーネントは昨シーズンからシマノ・デュラエースを継続するが、ホイールはスイスブランドのedco(エドコ)にスイッチ。

VAXレーシングの主戦場であるヒルクライム用にはハイト25mmの軽量モデルNeggia Lightを投入し、平坦は58mmリムハイトのFurka Light Competitionを組み合わせる予定だ。Furka Light Competitionはブレーキシュー当たり面に薄くアルミを接合し、セラミックコーティングを施すことで制動力と耐久性に優れるモデルだ。

サドルはセレ・サンマルコで、タイヤはハッチンソン、ボルト類は日本特殊螺旋工業のチタンボルトを採用する。


text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano