ドライコンディションの中に泥区間が織り混じったGPミストラル第6戦(最終戦)。前田公平、丸山厚との3つ巴のバトルを制したのは山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)。1ヶ月に渡るタイ合宿の成果を見せつける結果となった。

C1クラスのスタート。小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)がホールショットを取るC1クラスのスタート。小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)がホールショットを取る photo:So.Isobe

シケインを越えていく小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)シケインを越えていく小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) photo:So.Isobe2月17日(日)に開催されたGPミストラル第6戦は、GPミストラルの2012-2013シーズン最終ラウンド。人気を博した今シーズンのレースを象徴するかのように全カテゴリー合わせて400名を越える過去最大の人数が参加し、冬晴れの下で最終戦を楽しんだ。

先頭争いを繰り広げる小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)ら先頭争いを繰り広げる小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)ら photo:So.Isobeこの日のコースは全体的にドライコンディションだったものの、掘り起こされた深い泥区間が2ヶ所登場。溝やキャンバーなどテクニカルなセクションも多く登場し、平地、泥、シケイン、キャンバーなど多くの要素を取り入れたテクニカルなコースとなった。

追走パックを形成する小坂正則(スワコレーシング)と合田正之(cycleclub3UP) 追走パックを形成する小坂正則(スワコレーシング)と合田正之(cycleclub3UP)  photo:Makoto.Ayano最高クラスのC1クラスにエントリーしたのは全48名の選手。この日は小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)や前田公平(Speedvagen Cyclocross Team)などミストラルお馴染みのメンバーが顔を揃えた。

更にロード転向をし、新城幸也や福島晋一らと1ヶ月の長期に渡るタイ合宿をこなし、帰国後も1週間のチームでの合宿を行なってきた山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)や、丸山厚(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)らも出場し、レースのレベルを高くした。

シケインをバニーホップで越えていく山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)と前田公平(Speedvagen Cyclocross Team)シケインをバニーホップで越えていく山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)と前田公平(Speedvagen Cyclocross Team) photo:So.Isobeホールショットは小坂光が取り、これに丸山厚や三上和志(cycleclub3UP)らが続く形でスタート。やがて小坂光、前田公平、丸山厚、山本和弘、合田正之(cycleclub3UP)、小坂正則(スワコレーシング)の6名が徐々に抜け出していく形でレースは1周目を終える。

すると2周目の平坦セクションで、小坂光と合田が絡んでクラッシュ。これによるマシントラブルで小坂光は降車を余儀なくされ戦線を離脱し、合田と小坂正則も後退を強いられた。

GPミストラル最終戦を制した山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)GPミストラル最終戦を制した山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム) photo:Makoto.Ayano3名となった先頭グループでは積極的に山本和弘がペースを作り、終始レースをリード。シケイン(障害物)で積極的にバニーホップを多用する山本と前田に対して、丸山は飛ばずに降車してクリアしていく。この3名からやや距離を開けて小坂正則と合田、その後方に続くのは三上和志、安藤光平(Team CUORE)ら。この展開のままレースは後半へと推移していく。

先頭グループの拮抗が崩れたのは終盤。タイ合宿を経てコンディションの上がっている山本が刻むペースに丸山が脱落し、「今日のカズさん(の走り)はキレていた」と語る前田も、残り2周回目の後半で遅れていく。

独走体制に持ち込むことに成功した山本は、徐々に差を広げると、2位前田に18秒のタイムギャップを持ってゴール。キャノンデール・チャンピオンシステムにシーズン初勝利をもたらした。2人の後ろで粘った丸山が3位。4位には小坂正則が入っている。

山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)のコメント
ここまでにタイ合宿で1ヶ月、3000km以上走り、チーム合宿で1週間乗り込んできています。疲労が蓄積していたシクロクロス東京ではいいところが見せられなかったのですが、ようやく体調が戻って来ました。もうシーズン・インした感じです。今日はバニーホップができたから有利だったのと、風が強かったからロード的な走りが要求されたのがポイントでしたね。

ロードに転向してもシクロクロスは出場します。また来年もシリーズチャンピオンが狙えたら嬉しいですね。


またこの日は最終戦ということもあり、2012−2013シーズンの各カテゴリー総合成績の表彰も行われ、C1クラスでは山本和弘が年間シリーズチャンピオンに輝いた。2位は前田公平、3位は合田正之が受賞した。

例年3月に八王子で行われてきた東京シクロクロスが今年は開催されないことで、関東でのシクロクロスはこれで終了。残るは来週の東北シクロクロスの最終戦だ。

そしてまだ未定ながら9月30日開催の赤城山ヒルクライムの前日にシクロクロスレースが開催されるという予定で調整が進んでいることと、GPミストラルでも春から初心者向けレースが始まっていく。

GPミストラル2012−2013第6戦C1結果
1位 山本和弘(キャノンデール・チャンピオンシステム)       54′16″
2位 前田公平(Speedvagen Cyclocross Team)       +18″
3位 丸山厚(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX) +28″
4位 小坂正則(スワコレーシング)                   +1′38″
5位 合田正之(cycleclub3UP)                  +1′43″
6位 三上和志(cycleclub3UP)                  +3′07″
7位 安藤光平(Team CUORE)                  +3′14″
8位 池本真也(和光機器-AUTHOR)               +3′47″
9位 國井敏夫(Mile-post Racing)                +3′56″
10位 中間森太郎(チーム埼玉県人)                +4′08″

femme
1位 齋藤磨実(TEAMMASA+BOMA)
2位 武田和佳(ARAI MURACA)
3位 今井美穂(CycleClub America CX)

Master
1位 羽鳥和重(cycleclub 3UP)
2位 小田島貴弘(Club SY-Nak)
3位 岡田修一(Team Dirty Wheels)

C2
1位 金子楓(TEAM TAMAGAWA)
2位 伊井賢一(臼杵レーシング)
3位 中澤潤(e-cycyleカワハラダ)

C3A
1位 岡井良文(トラクターRC)
2位 香西信介(チバポンズ)
3位 大場正登志(キャノンデール・チャンピオンシステム)

C3B
1位 南潤(Team Dirty Wheels)
2位 安陪正道(cycleclub3UP)
3位 磯部聡(内房レーシング/cyclowired.jp)


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text:So.Isobe
photo:So.Isobe,Makoto.Ayano
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