開催が今週末に迫った明治神宮外苑大学クリテリウム。都心にある神宮外苑を舞台に熱い戦いが繰り広げられる、大学生ロードレースの頂点を決する大会だ。観戦に役立つ見どころと、注目選手をピックアップしてお伝えする。

神宮外苑のコースを巡る明治神宮外苑大学クリテリウム神宮外苑のコースを巡る明治神宮外苑大学クリテリウム (c)日本学生自転車競技連盟

明治神宮外苑学生自転車クリテリウム大会は、今年で開催7回目を迎える大学生のためのロードレース大会。年間十数戦からなる「全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ」最終戦として位置づけられ、総合優勝者に授与される黄色地に学連ブルーのチャンピオンジャージを競う場であり、インカレ・ロードレース、学生選手権ロードレースと並び大学生のロードレースにおける頂点を決する大会だ。

黄色地に学連ブルーのチャンピオンジャージは誰の手に黄色地に学連ブルーのチャンピオンジャージは誰の手に (c)日本学生自転車競技連盟昨年は日大が制した学校対抗昨年は日大が制した学校対抗 (c)日本学生自転車競技連盟


トップアマチュア選手が集うマスターズレースも注目トップアマチュア選手が集うマスターズレースも注目 (c)日本学生自転車競技連盟学校別チームエントリーによるクリテリウム学校対抗戦ともなっており、インカレ、チーム・ロードレースと並んで⼤学別優勝を決する大会として高く位置づけられている。

また、海外の大学生チームを招くことで国際交流を促進する活動も行い、学校対抗形式(各校3名のチームエントリー)のグループ1には2009年から韓国学連チームが参戦、今年はオランダからアムステルダム大学チームの参加が決定している。

1周1.5kmのコースは学生スポーツの中心地である明治神宮外苑・聖徳記念絵画館前をスタート/ゴールとし、国立競技場や神宮球場、秩父宮ラグビー場などを横目に走る、明治神宮外苑周回コース。全8カテゴリー、総勢約300名が参加する予定だ。

2012 年度の全日本学生ロードレースカップシリーズ(RCS)の最終戦でもある本大会は、当レースの優勝を争うだけでなく、RCS の総合優勝者を決定する大会でもある。




男子大学生グループ1(大学対抗)

ツール・ド・北海道第1ステージで勝利した黒枝士揮(鹿屋体育大)ツール・ド・北海道第1ステージで勝利した黒枝士揮(鹿屋体育大) photo:Hideaki.TAKAGIメインレースは、14:20スタートの男子大学生グループ1(大学対抗)のレース。周回コースを20周し、各ポイント周回で獲得したポイントの合計を争う。

アグレッシブなレースを展開する山本元喜 ナショナルチーム経験もあるアグレッシブなレースを展開する山本元喜 ナショナルチーム経験もある photo:Sonoko.Tanaka昨年度の本大会優勝者である黒枝士揮(鹿屋体育大学3年)は、昨年9月に行われたツール・ド・北海道でのステージ優勝を果たすなど、持ち前のスプリントが魅力。

更に鹿屋体育大学からは、アジア選手権のため昨年大会不参加の山本元喜(3年)も出場する予定。スプリント力に長ける黒枝、レースに勢いのある山本はともに要注目選手だ。

RCSリーダージャージを着る西沢倭義(明治大学)RCSリーダージャージを着る西沢倭義(明治大学) photo:Hideaki.Takagi今年度のRCS各大会で活躍し現在RCSランキングトップの西沢倭義(明治大学3年)のほか、昨年8月の世界ジュニアトラック選手権において日本代表として4km 団体追い抜き日本記録更新に貢献した後、インカレのポイントレースで圧倒的な強さを見せて優勝したルーキー高士拓也(中央大学1年)や、昨年度のRCS総合ランキング王者で現在ランキング2位の大中功基(早稲田大学3年)も注目。

インカレポイントレースで強みを見せた高士拓也(中央大)インカレポイントレースで強みを見せた高士拓也(中央大) photo:Hideaki.Takagi各大会上位に名を上げる同大学の佐々木勇輔(同2年)、インカレロードレース2位・ポイントレース4位とコンスタントに上位食い込みを見せる榊原健一(中京大学3年)など、各レースで活躍を続ける選手たちが顔をそろえ、日本スポーツのメッカでその頂点を競う。

また、4年前の内間康平(鹿屋体育大学卒、現NIPPO)の優勝から個人順位で連覇を遂げている鹿屋体育大学がその強さを維持するのか、昨年団体優勝の日本大学など連覇を食い止めるチームが登場するのか、学校対抗戦でもあるこのレースの熱い戦が期待される。

RCS最終戦の本大会、優勝者に与えられるポイントは、これまでのRCS各レースの2倍である60点だ。2位は48点、3位40点、以下10位までの選手にポイントが与えられる。

現時点でシリーズ戦のトップに立っている西沢は268点を獲得しており、2位大中の210点に58点の差をつけている。

大中の後輩である佐々木が154点で3位、金井誠人(明治大学2年)126点、森田雅士(立教大学2年)118点、安井雅彦(東京大学4年)108点(本大会不参加)、高木三千成(立教大学1年)103点と続き、本大会の結果によって逆転も不可能ではない混戦状態となっている。






女子クリテリウム
昨年大会を制した塚越さくら(鹿屋体育大学3年)昨年大会を制した塚越さくら(鹿屋体育大学3年) (c)日本学生自転車競技連盟13:50スタートの女子クリテリウム(1.5km×8laps 12km)は、学連登記選手以外にJCF登録競技者も参加可能なオープン形式のレースであるため、毎年ハイレベルなレース展開が予想される。

学生チャンピオンの上野みなみ(鹿屋体育大)学生チャンピオンの上野みなみ(鹿屋体育大) photo:Hideaki.TAKAGI中でも昨年度見事なチームワークで優勝を果たした塚越さくら(鹿屋体育大学3年)、インカレロード優勝の上野みなみ(同3年、昨年度はアジア選手権のため不参加)が男子同様、大学連覇をかけて戦う。

昨年の個人タイムトライアルで優勝した小島蓉子(日本体育大学)昨年の個人タイムトライアルで優勝した小島蓉子(日本体育大学) photo:Hideaki.TAKAGI昨年の個人タイムトライアル優勝など実力のある小島蓉子(日本体育大学3年)や、クリテリウム各レース上位の合田祐美子(早稲田大学2年)との戦いに注目が集まる。


大学生以外の部として10:50スタートの小・中学生&マスターズ・タイムトライアル(11km×11lap=11km)、12:00スタートのマスターズ・クリテリウム(1.5km×8laps=12km)が行われる。アスリートからホビーライダーまで幅広い層が参加。トップアマチュア選手が多く参加するマスターズレースも要注目だ。

大会前日の16日(土)13:45からは、大学自転車競技フォーラムが「ドーピング問題にどう向き合うか」をテーマに、国立オリンピック記念青少年総合センター(最寄り駅:小田急線参宮橋駅)会議室において行われる(参加無料、予約不要)。

スポーツ競技の多種目において、選手の薬物使用が問題となっている今日、自転車競技だけでなく、スポーツ界全体の課題となるドーピング問題について考える場とする予定だ。

当日のレース情報はJICF情報系HP内の競技速報ブログにて配信される予定だ。こちらも併せてチェックしたい。


第7回明治神宮外苑大学クリテリウム
コース:明治神宮外苑周回コース1周1.5km
日時:2013年2月17日(日)
Amazon.co.jp