サイクリング用GPSコンピュータとしてリリースされたガーミンEdgeシリーズ。その使い方を数回にわたり解説するのがこの企画の狙いだ。Edgeシリーズに備わった多彩な機能を使いこなすために、知っておきたいこととは?

今回はフラッグシップモデルであるEdge800Jの、メーカー側でプッシュしている各種機能とバイクへの取り付け方法を紹介したいと思う。

パフォーマンス&トレーニング機能

アラート機能

時間、距離などの達成時や心拍・ケイデンスなどがゾーンを外れた場合にアラームで知らせる機能。音で確認ができるので、トレーニングに集中する事が可能だ。

自動ポーズ/ラップ

設定距離の他、スタート地点や登録地点の通過時に自動ラップを刻む事ができる。周回コースに便利だ。赤信号などの停止時には計測を自動で中断する設定も可能だ。


カロリー表示

心拍をベースにしたより正確なカロリー計算機能を搭載。効率の良い心拍トレーニングをサポートしてくれる。

ワークアウト機能

ケイデンス、心拍など好みでメニューを組み合わせ作成し、これに基づいたトレーニングが可能。パソコンソフトの「トレーニングセンター」を利用すれば、スケジュール管理もできる。


バーチャルパートナー

コースデータやワークアウトデータを使った、きめ細かな仮想パートナーの走行状態が再現できる。仮想パートナーの速度は+/-ボタンで設定できるので、特別なデータを用意しなくても使える。自己の履歴データや友人の履歴データと競争できる機能もある。自己の成長を味わえるなど、さらに楽しみが広がる。


GPS&ナビゲーション機能

ナビゲーション機能

多彩な配色やブランドアイコンなどによる見やすい地図表示。自動探索ルートならびに、自作したルートをテキスト案内と合わせてわかりやすくナビゲートする。

軌跡ログ機能

計測をスタートした時点から走行軌跡を自動的に記録。パソコンソフトのトレーニングセンターかガーミンコネクトを使う事で、細かな解析が可能だ。


ポイント登録機能

現在地や地図上の任意の地点(ポイント)を、好きな記号や名称で登録が可能。登録したポイントの記号や名称は地図上に表示される。

目的地検索機能

登録したポイント検索の他、付属の日本詳細道路地図での住所検索、電話番号検索やジャンル検索などの目的地検索が可能。




その他、押さえておきたい機能は、トレーニングにおいては主に以下の3つがある。

  1. パワー計測(市販のパワー計が必要)
  2. トレーニング履歴確認
  3. スタート警告(押し忘れ防止)

GPSではおもに以下の2つだ。

  1. オートルーティング及びコース・自作ルートナビゲーション
  2. 高度・勾配計測(気圧センサー併用)

本体の特徴としては以下の2つ。

  1. バッテリー持続時間/約15時間
  2. 日常生活防水(一般的な防水携帯電話と同等のIPX-7規格をクリア)

Edge800Jの主な機能と特徴が掴めたところで、次のステップでは実際の取り付けなどにスポットを当ててみよう。


本体とセンサー類をバイクに取り付けてみよう

本体の取り付け

ガーミンEdge800J自体の固定は、製品に同梱されるハンドル/ステムマウントを利用する。
ステム形状が多様なMTBではハンドルに取り付ける事が多くなると思うが、丸型のステムが多いロードバイクではステム上部に取り付けると丁度センターにきていいだろう。

マウントの固定は付属する「エラスティックバンド」で行う。このリング形状のゴムバンドは異なる長さのものが多く用意されているのでほとんどのステムやハンドル形状に対応できるはずだ。

振動を吸収するためにゴムパッキンとの2重構造になっているマウントとエラスティックバンド振動を吸収するためにゴムパッキンとの2重構造になっているマウントとエラスティックバンド 2種類のゴムバンドで固定するマウント部2種類のゴムバンドで固定するマウント部

Edge800Jをマウントに取り付ける際は、本体底面のタブをマウント側のノッチにはまるように位置を合わせ、そこから時計方向に90°回転させるだけ。これでしっかり固定される。取り外す時はまた90°回転させるだけ、と簡単だ。オフロードライドなどラフに扱う場合はシリコンケースを本体に装着しておくと転倒や落下の際にも安心だ。

Edge800J背面にも同形状のマウントがあるEdge800J背面にも同形状のマウントがある Edge800J背面のマウント部と合わせ90°回転させれば固定できるEdge800J背面のマウント部と合わせ90°回転させれば固定できる


スピード・ケイデンスセンサー

こちらはまず、大きな本体がスピード&ケイデンスどちらも同時に計れるセンサーになっているので、左側チェーンステーに留めるのが一般的だろう。異なる形・サイズのゴムマウントが付属するのでそれをうまく使って固定したい。この時点ではまだ仮止めにしておく。

そして、まずケイデンスを計るマグネットを左クランクに留める。こちらは両面テープ+タイラップで留めるようにできているので、センサー本体との具合のいい場所を探して固定する。この時点で、ケイデンス用マグネットはしっかり固定されてしまうので、センサー本体もそれに合わせてしっかり固定する。

ケイデンスとスピードが同時に計測できるEdge800Jのセンサーケイデンスとスピードが同時に計測できるEdge800Jのセンサー ケイデンス用の磁石は左クランク裏に両面テープとタイラップで固定するケイデンス用の磁石は左クランク裏に両面テープとタイラップで固定する

次はスピード計測用のマグネット固定。スポークに挟む込むようになっているのと、本体の計測部になるセンサーアームが動くようになっているので、お互いのいい場所を探りながらしっかりと固定する。
これで車体に取り付ける機器関連の作業は完了だ。

スピード関連は、磁石をスポークに固定し、センサーアームの位置を磁石と近づくように調整するスピード関連は、磁石をスポークに固定し、センサーアームの位置を磁石と近づくように調整する センサー部とそれぞれの磁石の位置関係はこのようになるセンサー部とそれぞれの磁石の位置関係はこのようになる


Edge800Jに付属するハートレートモニターのセンサーEdge800Jに付属するハートレートモニターのセンサー

ハートレート

心拍計であるハートレートは、素肌に装着する事になる。ガーミンのロゴがはいったプラスチック部をちょうど胸の中央にくるよう装着すればOKだ。

取説には「2か所のセンサー部を事前に水で湿らせて」とあるが、走り出す前の早めに付けておけばそのうち汗で反応するようになる。


それぞれの機器をペアリング

スピード・ケイデンスセンサーの場合、この画面で「ANT+SPD/CADセンサー」をタッチすると下の画面に移動するスピード・ケイデンスセンサーの場合、この画面で「ANT+SPD/CADセンサー」をタッチすると下の画面に移動する この一連のANT+機器は初めて使う際は、通信のペアリングが必要になる。この辺りは周波数帯も含め、携帯電話などのBluetooth機器と勝手はほぼ同じ。
ハートレートは、胸に装着した状態でEdge800Jを3m以内に用意すれば、本体が自動検知してくれる。意図的に接続することも可能で、作業手順としては以下となる。どの画面からも

→下段の「メニュー」をタッチ
→右下の「スパナマーク(設定)」をタッチ
→一番上の「トレーニング」をタッチ
→「心拍」をタッチ
→「ANT+心拍計」をタッチ
→『心拍計をお持ちですか?』と聞かれるので「はい」をタッチする


これで自動的にペアリングがはじまりすぐに終了する(“接続完了”のメッセージ表示)。元々「はい」となっていれば、「再スキャン」で接続を促すことができる。

「はい」をタッチするとペアリングを開始する「はい」をタッチするとペアリングを開始する スピード・ケイデンスセンサーも似たような行程で、どの画面からも

→下段の「メニュー」をタッチ
→右下の「スパナマーク(設定)」をタッチ
→一番上の「トレーニング」をタッチ
→二番目の「バイクプロフィール」をタッチ
→現在使用しているプロフィールをタッチ(通常、自転車1)
→「ANT+SPD/CADセンサー」をタッチすると、
→『CAD/SPDセンサーをお持ちですか?』と聞かれるので「はい」をタッチ


これで自動的にペアリングがはじまりやはり数秒で終了する(“接続完了”のメッセージ表示)。元々「はい」となっていれば、「再スキャン」で接続を促すことができる。



これで計測環境も整った。それではいざライドだ。次回、まずは気ままに乗ってみようと思う。
text:佐藤春道/シクロワイアード編集部  提供:いいよねっと