全3編でお届けするフェルト FRシリーズ特集の最終回では、ディスクブレーキロードに初めて試乗した中村龍太郎さんが率直な意見でFR2 Discを案内する。また、今回のインプレッションの総括としてFRシリーズの印象やARとどう選び分ければいいかを語る。

FR2Discインプレッション「ディスクブレーキロードの見方が変わった」

ディスクブレーキロードはビジュアルが既に重そうじゃないですか。否定的な目で見ていましたが、実際に乗ってみると想像以上に軽かったです。FRシリーズに共通するフレームの軽さもあるかと思いますけど、ディスクブレーキロードに対する見方が変わりました。

ディスクブレーキロードの見方が変わった ディスクブレーキロードの見方が変わった photo:Makoto.AYANOリムブレーキのFR1と比較しても性能や走りの性質という面での違いはそこまで大きくなく、細かくハンドルを切り返した時のフォークの跳ね返り具合ぐらいですね。リムブレーキのほうが反発が強く、ディスクブレーキではあまり感じませんでした。

フレームは振動吸収性に優れていて、横方向は高剛性というFRシリーズの特徴は失われていませんでした。スピードの乗り方もリムブレーキと同じで、キレがある加速を見せた後徐々にスピードが伸びていきます。レーシングバイクとしてのポテンシャルは十分高いレベルでしょう。

ディスクブレーキは制動距離が短く、安心して止まることができるのはレースでもメリットです。レースで落車する時は、前で発生したクラッシュにブレーキが間に合わず突っ込んでしまうことが多いんですけど、これならいくらでも落車を避けられるなと思います。また、180°ターンの進入ギリギリまでスピードを出したまま攻められるので、クリテリウムだとかでも他の人とは違うアドバンテージになりえます。

ただ、ホイールに重りがついている状態なので、リムブレーキと比べると重さはどうしても感じました。コーナーを抜けた後の立ち上がりでは、今のところリムブレーキの方が有利です。直進する場合や自分でバイクを振る時は左右の重量差は感じませんでしたが、下りのコーナーでは左カーブのほうがバイクを倒しやすく、右カーブでは倒しにくいという感触はありました。左右差は確かにあります。

レーサーの視点からすると重量を6.8kgに抑えたいという本音もありますね。逆に6.8kgまで落とすことができれば、使ってみても良いのかなと。ヒルクライムでは使えませんが、アップダウンのあるロードレースやクリテリウムならいけるのかなと思います。

ブレーキ自体のフィーリングも悪くなく、ガツンとタイヤがロックするくらい効くものかと思っていましたけど、意外とパッドを擦りながらコントロールできるんですね。下りとか雨の日でも安心できるでしょう。時代がディスクブレーキに移っていますけど、なるほどなと思いました。

「FRシリーズの特徴はそのままで、ブレーキが変わっただけ」「FRシリーズの特徴はそのままで、ブレーキが変わっただけ」 photo:Makoto.AYANO
「制動距離が短いので、手が疲れにくいし、前方の落車に巻き込まれにくいはず」「制動距離が短いので、手が疲れにくいし、前方の落車に巻き込まれにくいはず」 photo:Makoto.AYANO「重量の問題さえクリアできれば、レースでも使いたい」「重量の問題さえクリアできれば、レースでも使いたい」 photo:Makoto.AYANO

ライド中にブレーキを握る回数や時間が確実に変わるはずです。レバーを握っている時間が短くなり手が疲れにくくなりますし、FRシリーズ特有の縦の柔軟性は変わらずあるので、ロングライドにはディスクブレーキの方が良いと思います。

FR2Discはディスクブレーキを使いたいなと考えているレーサーに良いはずです。ディスクブレーキは見た目からして重いだろうとわかるので、毛嫌いするところは皆あると思います。僕自身もそうでしたが、実際に乗ってみると考えが変わったので、試乗する機会があれば試してみてもいいでしょう。

3車種乗り比べインプレ総括「様々な人に乗ってもらい、フェルトの良さを知ってもらいたい」


モデルチェンジしたFRシリーズは今までのFシリーズから脱却したと非常に感じています。元々F1、F FRDに乗っていたので、試乗する前はフレームが柔らかくなっていたら嫌だなと思っていましたが、実際は横剛性が強い上で縦の振動吸収性が良くなり、Fシリーズを越えたという感覚があります。

フェルト FRシリーズフェルト FRシリーズ (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
FRシリーズは各グレードで似たような乗り味に仕上がっていますが、グレードが違うだけでこんなに違うものなのかと驚きました。流石にディスクブレーキモデルは違うだろうとは自分の感覚としてなんとなくありましたが、ジオメトリーが同じのFR1とFR5が素材だけで想像以上に変わったのは新しい発見でした。

ARとFR、どちらかを選ぶということは難しいです。それはレースによるとしか言えません。一般的にエアロロードはクリテリウムで有利と言われますが、AR FRDはヒルクライムもいけますし、縦剛性が強いので緩斜面であればシッティングで伸びます。逆に勾配がきついヒルクライムでは、横剛性が強いFRを選び、グイグイとバイクを振って進んでいきたいですね。

初めて3台の乗り比べインプレを行った中村龍太郎さん。グレード間の違いに驚いたようだ初めて3台の乗り比べインプレを行った中村龍太郎さん。グレード間の違いに驚いたようだ photo:Makoto.AYANOただ、どちらもレースバイクなので、集団の中で走る状況では遜色なく走ります。勝負どころでどう決めるかですね。クリテリウムだからこれ、ヒルクライムだからこれ、という決め打ちではなく、自分が狙うレースのコースを見て選びたいです。

総じて今回のインプレッションで、FRはフェルトの「より速く、より良いバイク」という思想を貫いていると感じました。FR FRDは値段が高く、手を出しにくいですが、FR1はコストパフォーマンスが非常に良いので、色々な人に乗ってもらい、フェルトの良いところを感じ取って貰いたいです。
提供:ライトウェイプロダクツジャパン 制作:シクロワイアード編集部