揺るがぬ牙城をプロトンの中に築く常勝ブランド ”ピナレロ”

マイヨジョーヌを囲むようにしてチームスカイが並んでフィニッシュマイヨジョーヌを囲むようにしてチームスカイが並んでフィニッシュ photo:Kei Tsuji
ツールを制し、アワーレコードを獲得し、世界選手権タイムトライアルで勝利し、その存在なくしてプロレースを語ることはできないほど、自転車競技界において大きな位置を占めるピナレロ。他のイタリアンブランドがプロトンにおいてそのプレゼンスを徐々に低下させていく中、昔から変わらぬ、いやむしろより輝かしい戦績をもって存在感を放ち続けるリーディングブランドとして、世界中から支持を集めていることに異論を挟むサイクリストはいないだろう。

ピナレロの歴史は、今も昔もレースとともにあった。創業者であるジョバンニ・ピナレロ自身がプロレーサーであったこともあり、創業まもない1960年には早くもプロチームへの供給を始めていた。初の大きなタイトルは1975年のジロ・デ・イタリアでの勝利となるが、それを皮切りに、グランツール、クラシック、オリンピックなど名だたるレースを制してきたピナレロは、常に他のメーカーから意識される存在となったのだ。

フルームのツール制覇とウィギンスのアワーレコード達成を支えたピナレロ

今年も、ピナレロの快進撃は止まらなかった。なんといっても大きいのはクリス・フルームによる、ツール・ド・フランスの勝利だろう。モデルチェンジを果たしたばかりのフラッグシップ、ドグマF8を駆り並み居るライバルたちを打倒したフルームの走りは記憶に新しい。この勝利で、ピナレロがツールを制したのは史上11回目となり、最も多くツール優勝経験のあるブランドとしての記録を更に伸ばした。

今年も設定されたパヴェのステージでは、新たに投入されたリアサス搭載の新兵器、ドグマK8-Sがフルームをはじめとしたチームスカイのメンバーたちを石畳の衝撃から守り抜き、総合優勝に貢献した。レースのシチュエーションがより多様化する中、最高の機材を用意するというピナレロのフィロソフィーが現れていたステージとなった。

シャンゼリゼのポディウムでマイヨジョーヌを着たクリス・フルーム(チームスカイ)シャンゼリゼのポディウムでマイヨジョーヌを着たクリス・フルーム(チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
マイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がパヴェを走るマイヨジョーヌのクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がパヴェを走る photo:Tim de Waele54.526kmのアワーレコードを樹立したブラドレー・ウィギンズ(イギリス)54.526kmのアワーレコードを樹立したブラドレー・ウィギンズ(イギリス) photo:UCI

そして、もうひとつ、ブラッドレー・ウィギンスによるアワーレコードの達成も見逃せない偉業である。トレードマークたるヒゲを剃り落してまで記録更新を狙うウィギンスの相棒となったのは、ピナレロが持てる技術の全てを集めたエアロフレームだった。ウィギンスの人生で最もつらい1時間はピナレロのエアロダイナミクスとともにあり、見事に54.526kmという前人未到の記録を打ち立てることに成功した。

ピナレロ2016モデルをインプレッション

快進撃を続けるピナレロだが、今年はそのラインアップに大幅な手を加えることとなる。昨年モデルチェンジし、大きな方向性の変化と進化を遂げたフラッグシップ、ドグマF8の血脈を受け継ぐ「GAN」シリーズをデビューさせ、ラインアップを一新した。

加えて、ドグマF8のディスクモデルとリアサスペンションを搭載するユニークな構造で話題をさらったエンデュランスモデル「ドグマK8-S」をデビューさせ、エントリーグレードから、フラッグシップまで盤石の体制を整えることとなったのだ。そんな新生ピナレロラインアップをなるしまフレンド統括店長の鈴木淳さんと立川店の三宅和真さんという経験豊富なお二方によるインプレッションでお届けしよう。

DOGMA F8 / DOGMA F8 DISK

DOGMA F8DOGMA F8
DOGMA F8 DISKDOGMA F8 DISK
昨年フルモデルチェンジしたピナレロの誇るフラッグシップ。東レから独占供給されるT1100カーボンが異次元の走りを生み出す。今回はノーマルモデルに加えディスクブレーキに最適化されて登場したドグマF8 DISKを合わせてインプレッションする。

ドグマ F8 スペック
フレームTORAYCA T1100-1K Nanoalloy カーボン
フォークONDA™ F8 Carbon T1100 1K Nanoalloy TM Torayca®
サイズ42SL, 44SL, 46.5SL, 47SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5, 62 (C-C)
BBITA
対応コンポTHINK2・電動 / メカニカル
税抜価格レギュラーカラー:¥648,000-
#MYHOUR HR、ライノ:¥726,000-
MY WAY:¥726,000-
(全てフレームセット)

ドグマ F8 DISK スペック
フレームTORAYCA T1100-1K Nanoalloy カーボン
フォークONDA™ F8 DISC Carbon T1100 1K Nanoalloy TM Torayca®
サイズ44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5
BBITA
対応コンポTHINK2・電動 / メカニカル
ディスクブレーキ規格フラットマウント、リア 135mm
税抜価格レギュラーカラー:¥648,000-
MY WAY:¥726,000-
(全てフレームセット)


DOGMA K8-S

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リアバックにサスペンションを採用したエンデュランスバイク。ツールを戦う運動性と快適性を併せ持つグランフォンドマシン。

ドグマ K8-S スペック
フレームCarbon T1100-1K Nanoalloy™ Torayca®
フォークONDA™ F8 Carbon T1100-1K Nanoalloy™ Torayca®
サイズ44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5 (C-C)
BBITA
対応コンポTHINK2・電動 / メカニカル
税抜価格レギュラーカラー:¥840,000-
873/イエロー:¥918,000-
(全てフレームセット)


GAN RS / GAN S / GAN

[img_assist|nid=179852|title=GAN RS|desc=|link=node|align=center|width=710|height=]
GAN SGAN S

ドグマF8の遺伝子を受け継ぐピナレロの中核モデルとしてデビューした”GAN"シリーズ。旗艦モデル譲りの形状に、カーボングレードの異なる3台が用意される。T900を使用するセカンドグレードバイクたる"GAN RS"、T800を使用するミドルグレードの"GAN S"、そしてT700を使用するエントリーモデル"GAN"の3台をそれぞれ乗り比べインプレッション。

GAN RS スペック
フレームHigh Strength Carbon T900
フォークONDA™ F8 High Strength carbon T900
サイズ42EZ, 44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5 (C-C)
BBITA
メインコンポーネントシマノ ULTEGRA、カンパニョーロ CHORUS
税抜価格¥560,000-(ULTEGRA完成車)
¥780,000-(CHORUS完成車)
¥488,000-(フレームセット)

GAN S スペック
フレームHigh Strength Carbon T700
フォークONDA™ F8 High Strength carbon T700
サイズ42EZ-fit(105仕様のみ)、44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5 (C-C)
BBITA
メインコンポーネントシマノ ULTEGRA、シマノ 105
税抜価格¥440,000-(ULTEGRA完成車)
¥365,000-(105完成車)

GAN スペック
フレームHigh Strength Carbon T600
フォークONDA™ F8 High Strength carbon T600
サイズ42EZ-fit、44SL、46.5SL、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5 (C-C)
BBITA
メインコンポーネントシマノ 105
税抜価格¥325,000-(105完成車)


NEOR

NEORNEOR
ピナレロ伝統のカーボンバックアルミフレームは未だに健在。往年の名車を彷彿とさせる佇まいを持ったエントリーレーサー。

NEOR スペック
フレームAluminium 6061-T6 + Carbon
フォークONDA™ FP Carbon 24HMUD
サイズ42SL, 44SL, 46SL, 50, 52, 54, 56, 58, 60, 62 (C-C)
BBITA
メインコンポーネントシマノ Tiagra
税抜価格¥220,000-(Tiagra完成車)



インプレライダーのプロフィール

鈴木淳(なるしまフレンド)鈴木淳(なるしまフレンド)
鈴木淳(なるしまフレンド)
なるしまフレンド神宮店と立川店の統括店長を務める。ランドナーから始まった自転車歴30年の大ベテランながら、まだまだ自転車の多彩な魅力に引き寄せられているという。この素晴らしい乗り物を少しでも多くの方に紹介していきたい、そして、スポーツバイシクルの文化が日本に根付いていくようにしていきたいという思いでお店を切り盛り中。
→なるしまフレンド

三宅和真(なるしまフレンド神宮店)三宅和真(なるしまフレンド神宮店)
三宅和真(なるしまフレンド神宮店)
なるしまフレンド神宮店の販売スタッフ。もともとロングライド志向だが、最近はヒルクライムを中心にレースにも出場中、2011年はマウンテンサイクリングサイクリングin乗鞍の年代別クラスで走った。「クライマーではないが、上りは嫌いではない」という。ちなみになるしまフレンド神宮店ブログのエディターでもある。
→なるしまフレンド神宮店ブログ
提供:カワシマサイクルサプライ 編集:シクロワイアード アパレル&ヘルメット協力:rh+