今年のサイクルモードには、ヴィジョンホイールを取り扱うインターマックスブースにヴィジョン本社からセールス担当の二人、マウリツィオ・べッリン氏とエドアルド・ジラルディ氏がPRと市場調査のために来日。そこで二人にヴィジョンとキャノンデール・プロサイクリングとの関わりを聞いた。

今年はキャノンデール・プロサイクリングへの機材供給を行いましたね。
ホイールを使って、彼らの反応はどのようなものだったのですか?

マウリツィオ・べッリン氏(右)と、エドアルド・ジラルディ氏(左)マウリツィオ・べッリン氏(右)と、エドアルド・ジラルディ氏(左) キャノンデール・プロサイクリングは数シーズンに渡ってFSAのハンドルバーやステム、シートポストなどを使用してくれており、我々との強固な関係を築いてくれています。その流れで2013年シーズンはヴィジョンホイールを使用する契約を結ぶことができました。

ホイールに関しての彼らの反応はとても良いものでした。例えば非常に高品質なホイールが求められるパリ〜ルーベやロンド・ファン・フラーンデレンなどでは、レース後に全てのホイールを送り返してもらいダメージ検査を行いました。でもそのほとんどはフレが出たのみで、致命的なダメージを受けたものはありませんでした。

例えばチームに所属するアラン・マランゴーニはパヴェでのテストの際、「とても良いフィーリングだ。」と言ってくれました。これにはとても嬉しかったですね。我々にとってプロレースは最高のテストフィールドなのです。

キャノンデール・プロサイクリングの走りを支えるヴィジョンホイールキャノンデール・プロサイクリングの走りを支えるヴィジョンホイール (c)Makoto.AYANO
ツール・ド・フランスのチームTTではメンバー全員がフロントにメトロン3-スポークを使ったツール・ド・フランスのチームTTではメンバー全員がフロントにメトロン3-スポークを使った (c)Makoto.AYANOツールでステージ1勝を飾ったペーター・サガン(スロバキア)ツールでステージ1勝を飾ったペーター・サガン(スロバキア) (c)Makoto.AYANO

また、チームのエースである(イヴァン)バッソや(ペーター)サガンとももちろん意見交換を行っています。例えばこの2人は脚質の違いから選択するホイールが異なり、バッソはメトロン40を平坦ステージから山岳ステージ、ドライからウェットまで、どんなシチュエーションでも愛用しています。トレーニングの場合はブレーキ面がアルミ製のものを使うようですが、リムハイトは40mmで固定するなど彼にはミッドハイトのフィーリングが合っているのだと思います。

バッソやサガンらプロライダーが自らチョイスするVisionホイールバッソやサガンらプロライダーが自らチョイスするVisionホイール photo:Kei Tsuji一方サガンが愛用しているのは、よりリムハイトの高いメトロン55とメトロン81。彼は皆さんご存知の通り非常にスキルのあるライダーですから、コントロール性よりもエアロダイナミクスをより重要と考えているようです。

ただし55mmハイトのメトロン55でも十分に軽量ですから登りでも問題ありません。実際にサガンはツール・ド・フランスのモンヴァントゥーステージでもメトロン55を使っていました。

また、スプリンターであるエリア・ヴィヴィアーニは、ゴール勝負になりそうな日にはメトロン81を好んで使用していました。彼はある程度のアップダウンならこなせますから、スプリント時はもちろんのこと、丘陵地でのエアロダイナミクス性能を気に入ってくれていましたね。

我々ヴィジョンは元々エアロダイナミクスを追求して生まれたホイールブランドです。しかし製品の軽量化にも大きな努力を割いており、それはサガンとヴィヴィアーニのような例からも明らかです。

実際にプロライダーが自らチョイスしてくれていることは、私たちにとって大きな自信にもなっているのです。

ホイールブランドとしてディスクブレーキの台頭は見逃せないと思うのですが、
この機材進化をどう捉えていますか?

現在ロードレーシングにおける最も大きな風潮はエアロダイナミクスとシステムインテグレーテッドだと思います。もちろんディスクブレーキも大きな進歩ではありますが、まだ我々は全力の開発を行っておらず、企画の統一や油圧ブレーキの性能が安定した段階でニューモデルを発表できれば良いと思っています。ただ現状でもメトロン40のリムを使ったディスクブレーキ対応モデルをラインナップしており、十分に満足してもらえると思いますよ。

「値段も含めてホビーレーサーにこそベストなホイールラインナップ」「値段も含めてホビーレーサーにこそベストなホイールラインナップ」 「プロライダーの評価は、大きな自信となっている」「プロライダーの評価は、大きな自信となっている」

さまざまなバリエーションがあるヴィジョンホイールですが、
日本のホビーライダーにはどのホイールをオススメしてくれますか?

今回来日が初めてだから、はっきり言って日本の地形やホビーライダーの走り方はよく分かりません。でも僕は過去にユースケ(清水祐輔氏:2014年より宇都宮ブリッツェン監督)と同じチームで走っていたから、何となく市場のニーズは理解している。結構みんな真剣に走るんだよね?

そんな時のオススメは、バッソも使うメトロン40。軽くてエアロ性能にも優れ、とにかく使い勝手が良い。バッソの例でも分かる通り山岳でも平坦でも軽く使えて、コレ一本あればどんなレースにも対応できるんです。クリンチャーもあるから、ブルベなどエンデュランスライドにも適していますよ。値段も比較的こなれていますから、ホビーライダーに使ってもらいたいですね。

キャノンデール・プロサイクリングのチームバイクにセットされたメトロン55キャノンデール・プロサイクリングのチームバイクにセットされたメトロン55 (c)Makoto.AYANO

それでは、日々のトレーニングに最適なホイールを教えて下さい。

やっぱり軽くてエアロなメトロン40!レースと同じものを日々から使うべき!って、ジョークです(笑)。そうした場合には30mmハイトのアルミクリンチャーホイール「T30」が最適ですね。重量はペア1500gでエアロ性能もありつつ、ハブなどメンテナンス性を考えたホイールです。

このホイールはトレーニング用としてキャノンデールのライダーたちが使ってくれています。そしてそれだけではなく、雨のレースでも皆進んで選んでいますね。重量こそカーボンホイールには敵いませんが非常に剛性があり、レーシング性能に長けています。マーケットの中でも価値のあるホイールだと思いますね。

ウェットコンディションのレースでT30を使う増田成幸。メトロンシリーズと同様のハブを採用する、コンペティティブな製品だウェットコンディションのレースでT30を使う増田成幸。メトロンシリーズと同様のハブを採用する、コンペティティブな製品だ

OK、ありがとうございました!

ありがとう。プロライダーはもちろんですが、値段も含めてホビーレーサーにこそベストなホイールラインナップであると思っています。是非一度試して欲しいですね。
提供:インターマックス text:シクロワイアード編集部