※EDGE本体画像や説明はEdge800Jを利用した解説となっておりますが、Edge810J/510J/500Jでも同様の機能を利用することができます。

ガーミンは、ガーミン・シャープ以外にオメガファーマ・クイックステップや西薗良太選手が所属するチャンピオンシステムにも使用されているガーミンは、ガーミン・シャープ以外にオメガファーマ・クイックステップや西薗良太選手が所属するチャンピオンシステムにも使用されている (c)Champion System Japan様々なレベルとジャンルのライダーに有用な機能を提供してくれるガーミンコネクト。今回はトレーニングとフィットネスに熱心なユーザー向け機能『ワークアウト』について紹介しよう。

ワークアウトという言葉に馴染みがないユーザーもいるかもしれない。ガーミンでいうワークアウトとは、ユーザーが設定するトレーニングメニューのことをいう。つまり練習内容をガーミンに設定することで、良きパートナーとなってくれるのだ。

それではワークアウト機能についてステップを踏んでみてゆこう。



1. 練習メニューはガーミンコネクトで自在に作ることができる

ワークアウト(練習メニュー)は、ガーミンコネクトで自在に作ることができる。順を追って説明しよう。

1 - 計画のタブからワークアウトを選択


初めての場合は下記のような画面が現れるので、『初めてのワークアウトの作成』を選ぼう。

ワークアウトの開始画面ワークアウトの開始画面

2 - メニュー名を記入し、ワークアウトタイプを選択


ページに表示されている説明のとおり、メニューの名前を記入しておこう。ワークアウトのタイプは、ここでは「サイクリング」を選択。メモ欄には必要な事項をメモしておくと良い。
続けて、ここではステップの追加をクリック。

メニュー名を記入し、ワークアウトタイプを選択メニュー名を記入し、ワークアウトタイプを選択 完了したらステップの追加をクリック完了したらステップの追加をクリック

3 - ステップタイプ、継続時間、維持目標の設定


それぞれ種類を選んで設定できる。

ステップタイプ=トレーニングのメニューうち、どのパートにあたるのか選択しよう。自分でわかりやすいものを選べばよい。

継続時間=各設定項目を達成するとそのステップが終了する。時間や走行距離、消費カロリー、エネルギー(ワット)、心拍を設定し、その数値になった時点でステップが終了し、次のステップに移行する。

維持目標=ワットや心拍、スピード、ケイデンスなど、そのステップで基準とする単位を決めて、その目標数値を設定する。トレーニング中は、目標の範囲内に収まっているかどうか、ガーミンデバイスが教えてくれる。

ステップ追加画面(この画像は説明のために加工しており、本来の表示とは若干異なります)ステップ追加画面(この画像は説明のために加工しており、本来の表示とは若干異なります)

4 - 設定後の画面


上の画面は、上段にステップタイプ=ウォームアップ、継続時間30分、維持目標なし。中段にステップタイプ=インターバル、継続時間5分、維持目標を300〜400W。下段にステップタイプ=回復、継続時間6分、維持目標をケイデンス80〜100回転に設定している図だ。メニュー項目が、わかりやすく色分けされた帯状に表示されている。

5 - 繰り返しの追加 1


同じ内容を何セットか行う場合は、『繰り返しを追加』のボタンをクリックしよう。繰り返し回数を決定し、繰り返しの枠の中に、メニュー項目の帯をドラッグ(マウスを押したまま移動)する。こうすることで、繰り返しの枠内の項目を一定回数繰り返す設定になる。枠の中には複数の項目を入れることが可能だ。


6 - 繰り返しの追加 2


上がドラッグした後の画像。赤い〇印の編集と削除ボタンを使えば、後からでも内容を変更できる。

7 - 完成


最後にクールダウンの項目を付け足して完成。保存するのを忘れないようにしよう。保存したら、ワークアウト内容を『デバイスへの送信』ボタンで送信する。これでトレーニング中にワークアウトを実行できる。



2. 練習メニューをガーミンデバイスが指示してくれる

作成した練習メニューを走行中にガーミンデバイスが指示してくれる作成した練習メニューを走行中にガーミンデバイスが指示してくれる 次はデバイス(edge800J)に送信したワークアウトを実行する方法だ。ワークアウトで練習メニューを実施すると、いちいちラップボタンを押さなくてもトレーニング項目ごとに自動でラップを刻んでくれる。

練習メニューの開始から終了まで、一連の流れを操作せずに表示してくれるというわけだ。

また、アラーム音で時間の終了や目標とする数値から外れていることを警告してくれるので、ハンドルから手を離さずにトレーニングに集中できる。(設定で消音する事も可能)

1 - デバイスでワークアウトを選択


メニュー画面メニュー画面 ここからワークアウトを選択ここからワークアウトを選択 メニュー画面を開き、トレーニングを選択する。次にアラート、ワークアウト、スケジュールの中からワークアウトを選ぼう。

2 - 一覧から行うトレーニングを選択


ワークアウトの確認画面ワークアウトの確認画面 ワークアウトを選択すると、edge800Jに送信したワークアウトの一覧が表示されるので、行いたいトレーニングを選択。左の画像はその確認画面だ。

3 - ワークアウトの実行


心拍を目標値にした時の画面心拍を目標値にした時の画面 パワーを目標値にした時の画面パワーを目標値にした時の画面 左の画像はワークアウトを実行することで表示されるページだ。自分が設定した目標の項目(心拍やパワー)が優先して表示される。左の写真は心拍を目標値としたときの場合。右はパワーを目標にしたとき。

4 - アラート


目標範囲から外れると画面中央にアラートが出る目標範囲から外れると画面中央にアラートが出る 目標数値の範囲から逸脱すると警告してくれる。アラートメッセージが消えるまでパワーを上げていこう。

5 - 終了時の合図


メッセージと音で終了を知らせてくれるメッセージと音で終了を知らせてくれる ワークアウトの終了や、ステップの終了を音と表示で教えてくれる。写真はワークアウト終了のもの。



3. 練習メニュー(ワークアウト)をカレンダーに落とし込むことができる

カレンダーは、アクティビティーをアップロードするとどんどん空欄が埋まっていくが、ワークアウトを事前に実施予定日に落とし込んでおくことも可能だ。

1 - カレンダーへのワークアウトの追加


トレーニングメニューをカレンダー上で管理するには、カレンダーの該当日にメニューを追加していく。写真の丸印にある「カレンダーに追加」を押そう。

ワークアウトをカレンダーに追加ワークアウトをカレンダーに追加

2 - カレンダーを確認し、ワークアウトをデバイスに送信


そのあとで計画タブのカレンダーを確認しよう。指定した日付に、ワークアウトの名前が表示されているのが分かるだろうか。

カレンダーに記述したワークアウトをデバイスで実施するには、カレンダーページの右上の赤い丸印にあるボタンから「デバイスに送信」を実行する。

確認が終わったら右上のボタンから「デバイスに送信」を実行確認が終わったら右上のボタンから「デバイスに送信」を実行

3 - デバイスでの確認


V9-21V9-21 前述の方法でスケジュールを含めたワークアウトの送信をした場合、edge800Jのメニューからトレーニング⇒スケジュールを選択すると、右の画面のように、日付を含めたワークアウトが表示される。

この機能を使えば、レースまでのスケジュールを見越した順序立てたトレーニングメニューが組めるはずだ。

4. 活用方法 その1

ワークアウト機能はフィットネスレベルのユーザーにも便利ワークアウト機能はフィットネスレベルのユーザーにも便利

〜やめられない終わらない〜 目標数値を距離やカロリーに設定!

トレーニングメニューというと、ハードな競技者のみのものと思ってしまうかもしれない。しかし、ワークアウトの『継続時間』は、時間だけでなく距離やカロリーで設定することが可能だ。つまり「何キロカロリーを消費するまで終わらない」という設定も可能なわけだ。

右の画面は、500キロカロリーを消費するまで継続する設定だ。これで、区切りを迎えるまではそのトレーニングを終われないはずだ。つまりワークアウトがフィットネスレベルでも便利な機能であることが分かってもらえただろうか。

5. 活用方法 その2

コーチなどの指導者と共通のアカウントを持てば、
トレーニングメニューやスケジュールをガーミンコネクト上で管理できる。

ガーミンコネクトは基本的にプライベートなネット上のスペースだが、コーチからの個別指導を受けたい人などは、指導者と共通のアカウントを持つといいかもしれない。

指導者がカレンダーとワークアウト機能で連続したトレーニングメニューを作成し、サイクリストがそれを受け取ってトレーニングを実施する。そのアクティビティーをアップロードしたものを、指導者が確認し、分析する。それをもとに作成された次のワークアウトを受け取ることで連続したコーチングが可能になる。
これは活用方法の提案の一つだが、まだまだ面白い使い方があるかもしれない。

ガーミンを活用して選手達のトレーニング情報を共有しているガーミン・シャープガーミンを活用して選手達のトレーニング情報を共有しているガーミン・シャープ (c)CorVos
今回は、少しコアな使い方であるワークアウトについて解説した。ワークアウトという言葉になじめなかった人も、これで使いはじめることができるのではないだろうか?

次回はカレンダーと『ゴール』を交えた目標の設定と、それを達成する楽しみ方を紹介しよう。
文:山根理史 編集:シクロワイアード 提供:いいよねっと