微笑みの国タイのエキゾチックなトレールと山岳地帯を走り、ゾウやボートに乗り、川を渡る。MTB好きに支持され、日本からのリピーターが絶えないチェンライ国際MTBチャレンジ。大会の魅力を、昨年大会の模様を交えながらお伝えしよう。

日本人参加者が多く、タイにいながら日本のイベントのようです日本人参加者が多く、タイにいながら日本のイベントのようです (c)Makoto.AYANO

MTB好きが楽しめる国際イベントとして2000年からスタートしたチェンライ国際MTBチャレンジは、今年で第14回を迎える。アジアの大会ながら、日本のイベント会社R1ジャパンが主催し、毎年日本人のリピーターたちが多く参加するため、とても馴染みやすく参加しやすい大会になっている。CW編集部の綾野が昨年大会に参加してのアドバイスを含めガイドします。

参加者に用意される象の完走メダル 参加者に用意される象の完走メダル  (c)Makoto.AYANOオフィシャルホテルとなるリムコック・リゾート・ホテル 2日ともスタート地点になるオフィシャルホテルとなるリムコック・リゾート・ホテル 2日ともスタート地点になる (c)Makoto.AYANO


大会は2日間で120km以上を走るステージレース制で、実力に合わせた参加クラスが「インターナショナル」「スポーツ」「ファン」の3クラスから選べる。友達同士ツーリング感覚で参加するもよし、親子で楽しみながら走るもよし、それぞれの実力でMTBを満喫できる。

ゾウに乗ってのっしのっしと川を渡る。こんな体験他ではできないゾウに乗ってのっしのっしと川を渡る。こんな体験他ではできない (c)Makoto.AYANO

タイ山間部の山岳少数民族の村を訪問タイ山間部の山岳少数民族の村を訪問 (c)Makoto.AYANO舞台は自然豊かなタイ北部のチェンライで、日本が寒い2月も温暖な気候。上位参加クラスが走るトレールは本格的で、とてもタフなもの。「走りごたえがある!」と、参加者たちは口を揃える。レース中にゾウに乗って川を渡ったり、ケータリングで用意される美味しいタイ料理を満喫したり、山岳少数民族と触れ合ったりと、タイならではのユニークな体験ができることも人気の秘密だ。

山岳民族が住むアジアのスイス、チェンライ周辺のトレールが舞台

通のサイクリストの間で”アジアの自転車天国”との異名をとるタイ最北の県チェンライは、澄み切った空気と豊かな自然に恵まれていることから"タイのスイス"とも呼ばれる。少数民族が山間部に点在する村に住み、国王の王母陛下の住まいがある地としても有名で、とてもエキゾチックな地域だ。レースはこの魅力的なチェンライ近郊のフィールドを舞台とする。


山村に暮らすタイの人々に挨拶しながら生活道を走る山村に暮らすタイの人々に挨拶しながら生活道を走る (c)Makoto.AYANO

2日間のハード&ファンなステージレース

レースは2日間、「SS:スペシャルステージ」と呼ぶ競技計測区間を組み合わせた複数ステージ制で行われる。
総合順位はSSの着順の合計で競われる、2日間で4SSの「ステージレース」だ。
ステージの着順により、各年代別カテゴリー(たくさん用意されている)ごとにリーダージャージが用意される。リーダーは2日目はそのジャージを着ての出走だ。

SS間はフリーライド(リエゾン)で移動する SS間はフリーライド(リエゾン)で移動する  (c)Makoto.AYANO思わず押しが入ってしまう急坂・激坂があちこちに現れる思わず押しが入ってしまう急坂・激坂があちこちに現れる (c)Makoto.AYANO


一日のスケジュールを簡単に説明すると、ホテルからスタートして競技区間までタイム計測のないフリーライド(ラリーで言ういわゆる「リエゾン」だ)で移動する。
そして競技区間(SS)でのレース、次にランチタイムを含むフリーライドで次のSSのスタート地点に移動、そしてふたたびSSでのレース。最後にホテルまでのフリーライドといった流れで1日のプログラムは構成される。1日のSSの本数は約2本(ファンクラスは日によって変わる)。それを2日間競う。
2日間とも、スタート地点はオフィシャルホテルとなるリムコック・リゾート・ホテルだ。

コースを走っていると山岳民族の村に出るコースを走っていると山岳民族の村に出る (c)Makoto.AYANO

変化に富んだSSのコース

その日の最初のSS(スペシャルステージ)のスタート地点までは、マーシャルの先導で移動する。
SSのコースはワイルドそのものの自然豊かなフィールドだ。コースの進行方向は矢印などで表示してあるので、それに沿って進む。渓谷と山岳のワイルドな地帯のシングルトラック、山岳民族が暮らす田畑の間を縫って走る山村エリア、自ずとスピードレースになるフラットダートのダブルトラック、そして常識を疑うような激坂などが待ち構える。

これらのコース状況から、バイクはクロスカントリータイプのMTBが最適。29インチも有利だが、しかし下りのダイナミックで楽しいので、あえてオールマウンテン系や下り系バイクで出場する人も常連参加者には何人かいる。

コースを走っていると山岳民族の村に出るコースを走っていると山岳民族の村に出る (c)Makoto.AYANO山岳少数民族の子どもたちの村の暮らしを垣間見る山岳少数民族の子どもたちの村の暮らしを垣間見る (c)Makoto.AYANO


チェンライ国際MTBチャレンジが楽しい7つのポイント

ここではチェンライ国際MTBチャレンジの楽しい理由を7つのポイントで紹介しよう。
※コース等は年によって変わるため各プログラムは前後することがあります。

POINT 1
象に乗っての川渡り


メインイベントとも言える体験は、1日目のステージ後半に待っている、象に乗っての川渡りだ。SS2を走り終えた後、くたくたに疲れた身体を癒してくれるのは、のっしのっしと歩く象の心地良い揺れ。象の背中に付けられた椅子に、バイクを担いで乗って、濁流の川のなかをじゃぶじゃぶと一頭づつ渡る。実はこれ、かなり高さがあるためちょっとおっかない感覚だ。それでも途中には慣れる(?)ので心配無用(笑)。

大会スポンサーのシンハービールはたくさん飲める。でも飲酒運転はダメです大会スポンサーのシンハービールはたくさん飲める。でも飲酒運転はダメです (c)Makoto.AYANOロングボートに乗ってホテルへ向かうロングボートに乗ってホテルへ向かう (c)Makoto.AYANO


象で渡った対岸には、タイを代表する「シンハービール」が用意してあり、プシュっと爽快な一杯。そして今度はロングボートに乗り換えて、川の上をすいすい走ってホテルまでの帰路につく。ほろ酔い加減で冷たい水しぶきを浴びながらの帰還だ。

しぶきを蹴立てて飛ばすロングボートで川を走り、滞在先のホテルへしぶきを蹴立てて飛ばすロングボートで川を走り、滞在先のホテルへ (c)Makoto.AYANO

POINT 2
山岳少数民族との触れ合い


走るエリアのタイ北部は山岳少数民族が住むエリアだ。リス族、アカ族といった少数民族たちが生活する山村エリアを走ると、田畑で農作物を収穫する風景を眺めることができる。ゴキゲンなシングルトラックを下って少数民族の村に出ると、可愛い子どもたちが応援してくれたりする。彼らの生活を垣間見ることができ、手作りのおみやげを買ったりもできる。

首長族のおばあさんと交流し、おみやげ物の値段交渉(笑)首長族のおばあさんと交流し、おみやげ物の値段交渉(笑) (c)Makoto.AYANO

なお、日本からの大会参加者有志で、コースが通る小学校に寄付を行っている。着なくなった子供の服、机の中に眠っている文具品などを持ち寄り、プレゼントする予定だ。ツアー参加者皆がこのささやかな交流を楽しんでいる。

地元の小学生たちと交流 ささやかな寄付を行う地元の小学生たちと交流 ささやかな寄付を行う (c)Makoto.AYANO山岳少数民族の子どもたちの学校で授業風景を見る山岳少数民族の子どもたちの学校で授業風景を見る (c)Makoto.AYANO


POINT 3
賞金たっぷり、カテゴリー表彰たっぷり


クラスは「インターナショナル」「スポーツ」「ファン」の3クラスだが、年代別や性別で細かくクラスがあるのがこのレースの良いところ。なんといっても表彰カテゴリーが多く、毎年、表彰されて驚く日本人参加者が続出する(笑)。また、このレースで誕生するカップルも多く、皆で結婚を祝福するタイ式のセレモニーが始まることも。

上位入賞者にはたっぷりの賞金も用意される!上位入賞者にはたっぷりの賞金も用意される! (c)Makoto.AYANO木彫りの象のトロフィー これだけの数の受賞者がいるということ木彫りの象のトロフィー これだけの数の受賞者がいるということ (c)Makoto.AYANO


POINT 4
名物タイマッサージで疲れが吹っ飛ぶ!


たっぷりとSSを走って1日のレースを終えると参加者たちはホテルに戻り、明日に備える。マッサージが有名で安いタイのこと、参加者たちは皆ホテルで、あるいは街のマッサージ店に繰り出して一日の疲れを解きほぐしてもらう。マッサージは毎日施術を受けてもいいという人が多い。そして安いのでお財布の負担も少ない。「日本で溜まった日々の疲れやストレスを、チェンライですべて取り除くことができる」と好評だ。

POINT 5
シンハービールも協賛! 美味しいタイ料理を楽しむ


三輪タクシー、Tuk Tukに乗ってナイトマーケットへ繰りだそう三輪タクシー、Tuk Tukに乗ってナイトマーケットへ繰りだそう (c)Makoto.AYANOシンハービールの缶を積み立てて飲み自慢。どこかで見た、鈴木雷太さん?(笑)シンハービールの缶を積み立てて飲み自慢。どこかで見た、鈴木雷太さん?(笑) (c)Makoto.AYANO

ケータリングで供されるタイ料理の昼食はスパイシーで本当に美味しいケータリングで供されるタイ料理の昼食はスパイシーで本当に美味しい (c)Makoto.AYANOレース中、SSとSSをつなぐ昼休みのランチタイムにはタイ料理のケータリングが楽しめる。ステージを走って、気持ちのいい屋外で仲間と食べるスパイシーなタイ料理はとても美味しい。
夜はトムヤンクンやソムタムといった本格的なタイ料理を楽しみ、小腹がすいてはこの地域名物のチェンマイヌードルを食べ歩くなんて人も。そして、ちょっと辛いタイ料理のお供はもちろんシンハービール。この大会にはシンハービールが協賛し、いつでもたくさんビールが出てくるという、ビール好きにはたまらない大会だ。

POINT 6
ナイトマーケットでタイを満喫


別名「SS-5」の異名を取るフードコートでの宴会。楽しすぎるその様子は、ここではお見せできません(笑)別名「SS-5」の異名を取るフードコートでの宴会。楽しすぎるその様子は、ここではお見せできません(笑) (c)Makoto.AYANO

レース終了後のナイトマーケットで行われるのが、「SS-5」の異名を取るパーティだ。RimkokホテルからTukTuk(三輪オートバイタクシー)で出かけたチェンライ中心部のフードコートで、皆で食べる美味しいタイ料理とシンハービールで乾杯する宴は本当に楽しい。ちなみに翌日の夜もSS-6が開催されるとか(笑)。
フードコート周辺はナイトバザールが盛大に行われるエリア。少数民族手作りの手芸品など、チェンライならではのおみやげショッピングも楽しめる。

POINT 7
オプショナルツアーで山岳少数民族のアカ族の村を訪問したオプショナルツアーで山岳少数民族のアカ族の村を訪問した (c)Makoto.AYANOオプショナルツアーで首長族に会いに行く


レース翌日の休日、参加者たちに人気なのはミャンマーやラオスへの国境越えショートトリップや、有名な「ゴールデン・トライアングル」、山岳少数民族の村などを訪問するツアーだ。これはオプションだが、ホテルや現地旅行社で簡単に手配することができ、仲間同士のグループで割り勘し、乗合いバスなどで出かけるのが通例。

秘境ムードたっぷりのタイ北部。首にリングを巻いた首長族などの村を訪問できるのだ。通常のツアーでもなかなか行けないエリアに行けてしまうので、毎年行き先を変えて楽しむのが通だとか。

微笑みの素敵な首長族の娘さん微笑みの素敵な首長族の娘さん (c)Makoto.AYANO首長族の女性。リングをひとつづつ増やしていくのだそうだ首長族の女性。リングをひとつづつ増やしていくのだそうだ (c)Makoto.AYANO首長族の女の子は、とってもかわいい首長族の女の子は、とってもかわいい (c)Makoto.AYANO


2012年大会の様子は豊富な写真で見るフォトギャラリーや、ムービーでにて確認して下さい。
※大会及び参加ツアーの申し込みは間もなく締め切りを迎えます。とくにツアーについては早めに参加検討の意思を伝えるメール連絡をしておくことがおすすめだ。

チェンライ国際MTBチャレンジ2012ムービー



大会名称 第14回チェンライ国際MTBチャレンジ2013
14th Chiang Rai International MTB Challenge 2013
日 程 2013年2月9日(土)・10日(日)
主 催 R1ジャパン
後 援 タイ国政府観光庁(TAT/Tourism Authority of Thailand)

2012年大会のフォトギャラリー(Google Picasaウェブアルバム)

photo&text:Makoto.AYANO
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