島根県は益田市にて、エキップアサダ浅田顕監督の監修の元、日本海から石州瓦のきれいな山並みへと多彩なコースレイアウトのファンライドイベントが初開催される。100km走って信号がひとつも無いコースが自慢の、日本の田舎を満喫できる抜群のロケーションだ。

Cycle Week中は朝のポタリングが開催されるCycle Week中は朝のポタリングが開催される (c)益田INAKAライド島根県益田市は日本海沿岸、山と川と海の恵みに満ちた人口5万人の小さなまち。テーマパークもショッピングモールも無いけれど、どこへ向かってこぎ出しても、のどかな景色と爽やかな風が迎えてくれる。

ナラ、シイ、ケヤキなどの広葉樹が覆う、柔らかな稜線の山々。赤い石州瓦の家並み。深い緑と奇岩、ひんやりとした川風が迎えてくれる渓流沿い。 そして、信号にかかることなく100kmを走れる、快適でのどかな道。このまさにサイクリストの天国といって良いロケーションこそ、益田からのおもてなしだ。

自転車を使った町おこしのシンポジウムも催される自転車を使った町おこしのシンポジウムも催される (c)益田INAKAライドエイドステーションで供されるのは、名物のうずめめし、そば、オクラの天ぷらやとれたての天然わさびなど、益田の美味いものを使った料理たち。

益田INAKAライドは、「自転車の町」を目指す益田市が、エキップアサダとタッグを組んで行う「益田Cycle Week」の中で開催されるイベントだ。8月21日(火)から26日(日)まで、この期間中では益田市で「朝のポタリング」や、若手有望選手の発掘を行う「全国ユースキャンプ」、浅田顕氏によるシンポジウムが開催され、自転車を使った町おこしが行われる。

INAKAライド前日の土曜日には浅田監督によるペダリングレクチャーが行われるとのことで、イベント参加を考えている方は、是非こちらも一緒に参加したい。


エントリー受付中 7月27日まで
大会では、ライドへの申し込みをスポーツエントリー内ページにて現在募集中だ。応募締め切りは7月27日までとなっているので、興味を持たれた方は早めにスケジュールの調整を。


浅田顕氏による150kmコース実走レポート

6月25~27日にかけて浅田顕氏が現地に赴き、実際に150kmコースを試走したレポートを届けてくれた。以下、浅田顕氏本人による、益田INAKAライドのコース実走レポートを紹介します。


私・浅田が150kmコースを走りました私・浅田が150kmコースを走りました 6月は全日本タイムトライアルや実業団レースが数多く有り7月からは欧州遠征を控え私の頭の中はレースモード。そんな最中に3日間ほど違う世界へ飛んできた。8月開催の益田サイクルウィークの監修をさせていただいており、今回は益田I・NA・KAライド150㎞のコースを完全チェックするためにやって来た。

そもそもなぜこのイベントの監修をすることになったかと言うと、我がエキップアサダへご支援くださっている株式会社ジャパンマテリアルの社長様より益田市出身のある方をご紹介頂いた時に、その方から「自転車で町おこしが出来ないか」と相談された。最近そんな話ばかりでよく一度だけ行く事になるが、だいたいその先は無い。先方さんも呼んだは良いが、「この人じゃないな」と思われることが多いようだ。

しまねsuper大使の吉田君とレンタサイクルがお出迎えしまねsuper大使の吉田君とレンタサイクルがお出迎え 実は私は島根県の益田市という市を知らなかった。島根県といえば、今は湘南ベルマーレで走っている、選手としての教え子の一人の”しまねっち”こと山根理史(まさふみ)君しか思い浮かばないくらい縁がないところ。修学旅行でも広島と山口には行ったし、国体では鳥取にも行ったが、島根に行ったことがなかった。今回も「とりあえず一度来て下さい」と言われ一度訪問することにした。(私は忙しい割に結構そういうお誘いに簡単に乗ってしまう)

国道488号線は道幅も広く路面も良い道路が続く国道488号線は道幅も広く路面も良い道路が続く 最初の訪問のこと。萩・石見空港という聞いたことのない空港に着いた。益田市はここから遠いのだろうかと思いきや、そこが益田市だった。「じゃ~益田空港じゃん」と思ったが敢えて口に出さず飲み込んだ。色々と事情があるのだろう。そういえば以前一度呼んで頂いた美瑛町も旭川空港から旭川より近かったような…。(あそこの自転車の話はどうなったのだろう…)

のどかな横田周辺のまちの風景のどかな横田周辺のまちの風景 早速地元の方と自転車で走れそうなコースを相当なピッチで次々と訪問してまわった。殆どの家の瓦が赤く、時々艶を放っているのが目に付く。手入れが行き届いた綺麗な田舎だ。次々現れるノスタルジックな風景を愉しみながら、これは都会で生活する田舎ファンにはたまらんだろ~なあ。と思う。(しかし地元の方は、何が良いんですか?と首を傾げる)

色々な道を案内していただいたが、基本的に全部走りやすい道路だった。信号もなく、車も極端に少ない。フランスより少ない。想像の中ではどこをどう走ってもノープロブレムだった。自転車で来ればよかった。

そんな最初の訪問から、急速に企画は進み2度3度の訪問、イベントが開催されることになり、私も今回で5回目の訪問となった。それもわずか1年で。さあ、150㎞走るぞ~!とまだ覚えきれていない順路にそってINAKAライド150㎞コースの試走開始です!

スタートは市内の市民学習センターという公共施設。今回ご一緒いただくMCC(益田サイクリングサークル)の方々と走りだす。平日の朝8時ということで交通量もそこそこ有る中、正式スタートとなる空港へと向かう。本番ではこの区間はパトカー先導のパレードとなるらしい。結構すごいことだ。

今回の益田I・NA・KAライドはグループ走が基本。勝手に走らせてくれよという要望もあるだろうが、初めてのイベントということもあり、女性や初心者でも安全に楽しんでいただけるために選んだ方法。各グループをアテンドするライダーは現役のロードレーサーも多く、やさしいハンサム揃い。

旧道沿いは昔ながらの風景が広がる旧道沿いは昔ながらの風景が広がる
空港を出発しながら、各ポイントのチェック、走行方法などもMCCの方々と確認しながらスイスイ走る。日本海を見ながら超~気持ちよくなってきた。一人ならすでに叫んでいるところだ。

思わず買ってしまった徳田饅頭、カルメラの風味がする懐かしい味思わず買ってしまった徳田饅頭、カルメラの風味がする懐かしい味 内陸に入り最初のエイドステーション飯田選果場に到着。ここから益田メロンが出荷されているらしい。当日は何が食べられるのか?楽しみだ。

日本一の清流高津川の土手を走ると名所の飯田橋(赤い鉄橋)が見えてきた。ここは私が勝手に名所扱いしているだけで、地元の人は何とも思っていない。続いて竹トンネル。6月ともなれば道の左右から伸びる孟宗竹がしっかりトンネルを作り始めている。なんて味があるんだ。(地元の人は昼間からうす暗くて物騒だと言っている)

少し起伏のある農道を抜け昔ながらの民家を縫うように走るとJR山口線の線路と出会う。こういうところは鉄ちゃんにはたまらないだろうな。(人ごとのように)あ~今度はDD51見に行こうかな。

山賊が出そうな道を抜け横田へ。ここが2つ目のエイドステーションとなる。当日は地元の「徳田まんじゅう」とスイカが食べられるらしい。すでに34㎞も走ってしまっている。今日は調子いいかも。

コースは匹見川沿いを上流に向かってゆく国道488号へと。誰もがおもいっきり走ってしまうようなワクワクする絵に描いたような道が続く。快適快適。これが国道とは思えない交通量だ。しかし少し雨が降ってきた。

匹見温泉公民館で休憩匹見温泉公民館で休憩 その昔、庶民が贅沢を隠すための細工?うずめめし おかずはご飯の下に隠れているその昔、庶民が贅沢を隠すための細工?うずめめし おかずはご飯の下に隠れている


匹見峡公民館(ここは昔何の施設だったか、素敵な建物です)到着です。ここでお昼にします。当日はエイドステーションとして名物うずめめし、そば、オクラの天ぷら、梨などがいただけるとのこと。なんといってもわさびです。すぐそこで取れたわさびで食べるそばは最高!今日はねむの木というレストランでうずめめしを初体験。ここにもわさびが。

さぁ、お腹も膨れたところで再出発、ここからが見どころなんです。素晴らしい渓谷の景色が楽しめるが表匹見峡へ。


後篇に続く


text&photo:Akira.Asada