レースやイベント参加時に必要とされる集団走行のマナーやスキルを学ぶ講習会「グループライド練習会」を都内近郊のサイクリスト有志たちが定期的に行っている。4月11日に大井埠頭で開催された練習会の様子を、主催のひとり、江國健夫さんによるレポートでお届けしよう。

加熱する自転車ブームの中、速く走るための情報があふれ、走行スキルを学ぶ機会の少ないままレースやサイクリングイベントに参加される方が増えているように感じます。特に、集団走行のマナー/スキルは一人で修得することが難しい内容の一つと言えます。

そんな思いが、昨年の秋にツイッターでの"つぶやき"を発端に、集団走行の基礎を体験できる練習会の開催へと発展しました。主なメンバーは実業団登録選手や市民レースで成績を残すクラブチームのホビーレーサー有志です。

これまで、首都圏在住サイクリストの多い大井埠頭と彩湖にて実施し、昨年12月に行われた最初の練習会から4月11日に大井埠頭で開催された練習会まで、合計4回を数えます。

この練習会では、開催者や参加者の自己紹介から始まり、練習会趣旨説明の後にハンドサイン、「声かけ」やローテーションなどの、集団走行時に必要な知識の座学および10名前後の集団による走行を体験します。

最初に簡単な自己紹介でリラックス最初に簡単な自己紹介でリラックス

ハンドサインや声かけは一緒に走るライダーへのアピールと同時に、一般道では自分の事を周囲を走る車へアピールするために重要な役目を担っていますが、頭で理解していても実走行時にはおざなりになることもあります。

走りだす前に、簡単な座学でハンドサインやローテーションのタイミングを学びます走りだす前に、簡単な座学でハンドサインやローテーションのタイミングを学びます

座学に続いて、実際に走行しながら集団走行を体験しますが、最初はゆったりしたペースの中で集団走行の基礎スキルを学びます。

走行中は必要に応じてハンドサインや声かけを行い、後続ライダーに注意を促します。講師役のライダーは集団内あるいは並走して他のライダーを観察し、一定速度で走行するために速度を調整したり注意点を伝えます。

講師は集団の習熟度を確認しながら、他のライダーとの前後左右感覚を一定に保つため、隣のライダーの背中タッチを加え、終盤はペースを上げていきます。

学んだテクニックをもとに大井ふ頭を走って集団走行を体験してみる学んだテクニックをもとに大井ふ頭を走って集団走行を体験してみる

座学、実走行を含めて全部で約2時間の練習ですが、初めは集団のペースもバラバラで、声を出すことも遠慮しがちだった人たちが、走行を続けるうちにスムーズにローテーションを行えるようになり、周囲へ意識を向けられるようになります。
周囲を意識する余裕を持つことで危険を事前察知することが可能になるので、レース、サイクリングイベントやツーリング時に役立ちます。

赤信号では必ず停止。走行マナーについても一緒に考えます赤信号では必ず停止。走行マナーについても一緒に考えます

練習会は1~2ヶ月毎の開催を目標としており、ヘルメット、グローブを装着した自転車(ロードレーサー)に乗られている方ならどなたでも参加いただけます。有志による開催のため、参加費はかかりません。

開催案内は、グループライド練習会のブログ( http://d.hatena.ne.jp/groupriding/ )で随時ご案内しています。また、ツイッターのアカウント( http://twitter.com/groupriding )でも同時に案内しているのでぜひフォローしてみてください。皆さまのご参加、心よりお待ちしております。

今回の大井ふ頭練習会の参加者の皆さん今回の大井ふ頭練習会の参加者の皆さん



photo&text:江國健夫、グループライド練習会の皆さん