4月と5月の2回に分けての開催となり、大きな変化を遂げた「アルプスあづみのセンチュリーライド」。信州の春を満喫する4月の大会を実走レポートでお届け。満開の桜と残雪のアルプスの美しい風景を楽しむライドとなった。


朝いちばんのスタートは女子ライダーたち朝いちばんのスタートは女子ライダーたち photo:Makoto.AYANOプロデューサーの鈴木雷太さんが参加者たちを見送るプロデューサーの鈴木雷太さんが参加者たちを見送る photo:Makoto.AYANO


今大会より4月と5月の年2回開催となったアルプスあづみのセンチュリーライド(=AACR)。例年5月の開催だったが、4月22・23日に開催された「桜のAACR」にお邪魔してきた。

年2回の開催になったいちばんの理由は、その人気のお陰で参加がままならないことへの対処であるという。申し込み受付開始から即、募集定員に達してしまうという人気沸騰ぶりに「参加できないファンの方が沢山いらっしゃる現実をどうにかできないか? 」と考えた実行委員会が、「桜と緑」の2大会に分けて開催することで、できるだけ多くの人に走ってもらえるようにしたという。

アンカーは#AACRのハッシュタグで写真を登場すればプレゼントがもらえるSNSキャンペーンを展開アンカーは#AACRのハッシュタグで写真を登場すればプレゼントがもらえるSNSキャンペーンを展開 photo:Makoto.AYANOサポートの実走ライダーやマヴィックニュートラルサポートの皆さんサポートの実走ライダーやマヴィックニュートラルサポートの皆さん photo:Makoto.AYANO


エントリーは桜か緑どちらかへの応募となり、2つともに出場することはできない。過去5月の大会に出てきた人には4月開催は新たな季節の体験になる。新緑の5月は自転車のベストシーズンではあるけれど、春の安曇野の風景を楽しめる4月も魅力的。ちょうど桜の咲く時期、そしてアルプスの残雪は5月よりも格段に多く、美しいという。

そして大会ルートは距離こそ変わらないものの、春先ということを考慮して獲得標高で「緑」より150m少ない1,135mとされる。身体の準備ができていない人には嬉しい設定だ。ただし制限時間は日照時間の関係で緑より2時間短い10時間だ。

ルート上に桜が咲き誇る最高の季節だルート上に桜が咲き誇る最高の季節だ photo:Makoto.AYANO
スタートしてすぐ、桜、桜、桜だスタートしてすぐ、桜、桜、桜だ photo:Makoto.AYANO朝6時、スタートしていく女性サイクリストたち朝6時、スタートしていく女性サイクリストたち photo:Makoto.AYANO


大会名のとおり、信州はちょうど桜の季節。松本市から白馬村にかけての桜の開花は、例年4月初めから月末まで。標高の高いところなら5月の連休まで楽しめる。今年の大会日は例年より少し遅れた桜の満開のピークがちょうど松本周辺に当たり、大会会場周辺では前日から最高の状態の満開の桜が参加者たちを迎えてくれた。事務局によるともともとは信濃大町辺りが満開になる設定だったとのこと。

穂高エイドにはカラフルなチューリップ畑が待っていた穂高エイドにはカラフルなチューリップ畑が待っていた photo:Makoto.AYANO
大会当日の朝の気温は約1℃、日中の最高気温は16℃という天気予報だった。晴天が約束されていたものの、温度差があり、何より朝が寒いということが心配された。はたして当日の朝5時頃の気温は0.5℃だった。スタートまでジャケットを羽織り保温につとめる参加者たち。6時のスタートを迎える頃には日差しも強まり、気温も上がりだした。寒さは感じつつも、震えるほどではなかったのが幸いだ。

穂高エイドではジャムパンの朝食が用意された穂高エイドではジャムパンの朝食が用意された photo:Makoto.AYANO銘菓ゆったりまんじゅうはお馴染みの補給食だ銘菓ゆったりまんじゅうはお馴染みの補給食だ photo:Makoto.AYANO


女性によるL組からのウェーブスタート。朝陽を浴びて走り出してすぐの直線ですでに満開の桜並木が迎えてくれ、抜けるような青空に映える山並みと、桜のコントラストに、気分はいきなり最高。素晴らしい一日が約束されているかのよう。澄んだ空気に、風も無く走りやすい。

あづみの公園穂高エイドで最初の休憩。朝の準備に追われた身には実質の朝食タイムだ。ここの名物はジャムパン。懐かしのコッペパンに、たくさんの種類が用意されたジャムを塗って食べるまさにブレックファースト。常念岳を眺めつつ、足元にはカラフルなチューリップ畑が美しい。

蒼い空に山岳のコントラストが美しい蒼い空に山岳のコントラストが美しい photo:Makoto.AYANO蒼い空に山岳、そして美しい川の流れを堪能する蒼い空に山岳、そして美しい川の流れを堪能する photo:Makoto.AYANO


下り基調で山麓線を行き、次のエイドはあづみの公園大町エイド。ここの名物は、もはやおなじみ「ネギ味噌おにぎり」だ。信州米のおにぎりに、ねぎ味噌、辛味噌をつけて食べるシンプルな美味しさは、日本人に生まれた幸せをつくづく感じさせてくれる(大げさ?)。エイド会場は「うまい、うまい」の声が交わされる。

あづみの公園大町エイド名物ネギ味噌おにぎりをいただきますあづみの公園大町エイド名物ネギ味噌おにぎりをいただきます photo:Makoto.AYANO長野のお米のおにぎりをネギ味噌でいただく。この美味しさはたまらない長野のお米のおにぎりをネギ味噌でいただく。この美味しさはたまらない photo:Makoto.AYANO


#AACRのハッシュタグでSNSに投稿するとプレゼントが貰える#AACRのハッシュタグでSNSに投稿するとプレゼントが貰える photo:Makoto.AYANOブリヂストンサイクルの社員を中心としたアンカー自転車部の皆さんブリヂストンサイクルの社員を中心としたアンカー自転車部の皆さん photo:Makoto.AYANO


昼に近づき、ますます空は澄み渡る青に。すっきりと透明感のある好天に、山並みの美しさが際立つ。川の水も透明度が高く、川と山を見下ろせる橋はどこも記念撮影スポットに。

いつものHakuba47のジャンプスキー場が前方に見えてくるが、今年の折り返しポイントは白馬岩岳スキー場に変更された。岩岳といえばかつてのMTBレースのメッカ。エイドはそのメイン会場だったところに設定され、参加者のなかには当時の様子を懐かしむ声も聞かれた。

残雪の連峰と蒼い空のコントラストの眺めはなんとも言えず美しい残雪の連峰と蒼い空のコントラストの眺めはなんとも言えず美しい photo:Makoto.AYANO
お馴染みの白馬スキージャンプ場が前方に見えてきたお馴染みの白馬スキージャンプ場が前方に見えてきた photo:Makoto.AYANO眺めの開ける橋の上はどこも人気撮影スポットだ眺めの開ける橋の上はどこも人気撮影スポットだ photo:Makoto.AYANO


岩岳エイドでは暖かい蕎麦と冷たい蕎麦の両方が用意され、好みに応じて食べることができた。山菜の「こごみ」や、信州のおばあちゃん自慢の漬物も用意され、トッピングして食べれば信州の味!。個人的な意見にはなるが、ちょっと寒い中だったが、蕎麦は冷たいほうがシャキッとした旨さが引き立つ気がした。蕎麦は冷たいものに限る、のだ。

白馬岩岳エイドでは冷たい蕎麦と温かい蕎麦、素麺の3種が振る舞われた白馬岩岳エイドでは冷たい蕎麦と温かい蕎麦、素麺の3種が振る舞われた photo:Makoto.AYANO蕎麦と山菜のこごみ、漬物は「信州の味」だ蕎麦と山菜のこごみ、漬物は「信州の味」だ photo:Makoto.AYANO


昨年から採用された森上から続く川沿いの道はクルマも通らず、真正面に白馬岳と鑓ガ岳がそびえる様を見ながら進む最高のルートだ。思い思いに写真を撮りながら、仲間たちとおしゃべりを楽しみながら進む最高の道だ。

アルプスの眺望がひらけた河原の道路。まさに絶景なり!アルプスの眺望がひらけた河原の道路。まさに絶景なり! photo:Makoto.AYANOアルプスの眺望がひらけた河原の道を進む。クルマの通行も無いので安心アルプスの眺望がひらけた河原の道を進む。クルマの通行も無いので安心 photo:Makoto.AYANO


昼を過ぎ、帰路に入ってようやく気温は上がりだした。ここまでずっとウィンドブレイカーを着込んでいたが、ようやく脱ぐことができた。平年の4月22日の最高気温は20℃程度とのことだが、この日はずっと晴れていても最高16℃ほどとやや肌寒かった。5月開催なら30℃近くまで上がって暑さに参ることもあったことを考えると、この1ヶ月はずいぶんな違いだ。

松本が満開状態だったぶん、このあたりの桜はまだ少し早い状態。南下するに従い、桜の開花状態は進んでいくことに。

こごみをトッピングしたネギ味噌おにぎりは最高の贅沢だこごみをトッピングしたネギ味噌おにぎりは最高の贅沢だ photo:Makoto.AYANO安曇野エイドでは豆腐が供された。タンパク源として間違い無し!安曇野エイドでは豆腐が供された。タンパク源として間違い無し! photo:Makoto.AYANO


大町木崎湖エイドでは、往路はおやきが供されたが、帰路は豆腐と草餅だった。そしてネギ味噌おにぎりにこごみのトッピングが追加されて登場。これは今までにない初めての試み。こごみが少し余っていたからこそのスタッフの即興アイデアだったようだが、ほろ苦い春の味がたまらなく美味しく、まさに最高の贅沢だった。

松本が近づくと桜はほぼ満開の状態に松本が近づくと桜はほぼ満開の状態に photo:Makoto.AYANO安曇野エイドで供されたりんごジュース安曇野エイドで供されたりんごジュース photo:Makoto.AYANO


フィニッシュまで20kmを切った穂高の安曇野エイドに着く頃には気温も上がり、アームウォーマーを外して腕を出せる感じになってきた。ここではりんごジュースで最後のリフレッシュ。芝生の広場は気持ちが良いので、ここで仲間同士再集合してゴールの待つ松本へと向かう。

筆者は今回、白馬岩岳の折り返し地点から復路をモータージャーナリストの河口まなぶさんやカーレーサーの中山友貴さん、そしてマヴィックの実走イエローチームの一向に混ぜてもらって走った。走り屋さんのグループだったのだが、そこに途中から和光ケミカルのWAKO'Sサポートチームの一行が加わった。

カーレーサー中山友貴さん率いるグループが快調に進むカーレーサー中山友貴さん率いるグループが快調に進む photo:Makoto.AYANO快調に飛ばすWAKO'Sの実走サポート部隊。参加者のメカトラを助けて回る快調に飛ばすWAKO'Sの実走サポート部隊。参加者のメカトラを助けて回る photo:Makoto.AYANO


もともと血の気の多い元MTB選手の山本挑さんら率いるグループがジョインすると、なぜかハイペースのトレーニングライド風に(笑)。追い風に乗ってあっという間に松本へと帰ってきた。

行きも通ったりんご畑の間に真っ直ぐ伸びるアップダウンの農道を走り南下を続けると、再び満開の桜に出会えた。今回の桜の制限時間は16時まで。フィニッシュエリアの梓水苑の会場に、時間の余裕をもって到着した。

ジャージの揃い具合がキマっていた横浜のクラブ「Pedalist」の皆さんジャージの揃い具合がキマっていた横浜のクラブ「Pedalist」の皆さん photo:Makoto.AYANO私的ビアンキファンのクラブ「ROB(ライド・オン・ビアンキ)の3人私的ビアンキファンのクラブ「ROB(ライド・オン・ビアンキ)の3人 photo:Makoto.AYANO


終日走りやすい気候だったため、終わってみれば用意したボトル一本のドリンクも飲み干していなかった。一日を終えて感じたのは、ずっと快晴だったにもかかわらず、気温が低かったこと。それでも早朝と日中の気温差は15℃もあり、それに合わせたウェア選択が難しいということ。ウェアのレイヤリング(重ね着)を上手にする必要があり、ウォーマー類やアンダーシャツを揃えて着こなすのが快適に走るコツだと感じた。また、晴れなら問題ないが、天気が変わると何を組み合わせて着れば良いかに悩む時期。もし悪天候なら相当に厳しくなりそうだ。その点は5月の緑大会よりもハードルは高いかもしれない。

走りきった仲間を讃えながらの感動のフィニッシュ走りきった仲間を讃えながらの感動のフィニッシュ photo:Makoto.AYANO
開催初期から今まで5回走ったAACRだが、桜のAACRはいつもと違う風景が楽しめて新鮮だった。満開の桜、そしていつもよりも格段に白いアルプスの峰々を眺めて、その美しさに感動を新たにしてしまった。桜を走れて良かった。そして、きっと緑には緑の良さもあるだろう。

走りきった後はポディウムで完走の記念撮影を走りきった後はポディウムで完走の記念撮影を photo:Makoto.AYANOネギ味噌おにぎりにジャムパンのボードを用意したのは公式ジャージを用意したウエイブワンのブースネギ味噌おにぎりにジャムパンのボードを用意したのは公式ジャージを用意したウエイブワンのブース photo:Makoto.AYANO


今回は土曜に出発して岩岳に宿泊、日曜に戻るという2daysコースも20人の少人数で行われた。こちらは余裕のある日程で、かつサポートライダーもついて走ってくれるので、初心者におすすめできそうだ。プロデューサー鈴木雷太さんによれば、ゆくゆくはこの2Daysや帰路を列車で帰るトレインクラスなどを別日に設定して、それらの人にもより手厚いサポートの大会になるようにすることも考えているという。桜、緑の2回に分けても参加者希望者はまだまだ居そうだとのことで、運営側の余裕がありさえすれば複数回の開催も考えられるほどだという。

9回を数えて不動の人気を誇る今回のAACRの大変化は、ひとまずは大成功だったようだ。大会が目指す「100%の安全」についても、当日の事故は無かったという。5月の「緑」、そして今後のAACRの展開が楽しみだ。

photo&text:Makoto.AYANO
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の画像 るるぶ安曇野 松本 白馬'18 (国内シリーズ)
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出版社: ジェイティビィパブリッシング (2017)
装丁: ムック, 128 ページ
の画像 ことりっぷ 安曇野・松本 上高地
メーカー: 昭文社
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