レースにおいて輝かしい戦歴を持つピナレロが、ツール・ド・フランス真っ最中の7月に自らのホームグラウンドで開催するグランフォンド大会が「ラ・ピナ サイクリングマラソン」です。この大会に、CMや雑誌で活躍するモデルにして、本格派サイクリストとしても知られる日向涼子さんが挑戦しました!



日向さん、ラ・ピナ サイクリングマラソンに挑戦!

ジロ・デ・イタリアの舞台になった峠がコースに入ることも。写真はサンボルド峠(コースは数年に一度大きく変わりますジロ・デ・イタリアの舞台になった峠がコースに入ることも。写真はサンボルド峠(コースは数年に一度大きく変わります photo:Tomohiro Hoshino
2015年のサイクルモード、ピナレロブースにて。自転車界を代表する伊達男のお誘いを断る理由はありませんよね?2015年のサイクルモード、ピナレロブースにて。自転車界を代表する伊達男のお誘いを断る理由はありませんよね? photo:Tomohiro Hoshinoシクロワイアードでも紹介していますが、ご存じないという方のために「ラ・ピナ サイクリングマラソン(以下、ラ・ピナ)」についてご説明しましょう。ピナレロの創業者ジョバンニ・ピナレロ氏の75歳のバースデーを記念して生まれたこの大会は、イタリア国内はもとより、世界各国から約5,000人のサイクリストがエントリーする大人気のグランフォンドイベント。今年、めでたく20周年を迎えました(日本からのオフィシャルツアーも11回目)!

人気の秘密はおいおいお話ししていくとして、日向さんがこの大会に参加することになったきっかけは……昨年のサイクルモードの会場で出会ったファウスト・ピナレロ社長に「イタリアに来ないか?」と口説かれた(!?)から。「コースには見たこともないような峠もあるというし、これは坂バカとして受けて立たないわけにはいきません!」とワクワク顔の日向さん。というわけで、挑戦が決定!

その後は、愛車となるDOGMA F8を手に入れ、練習や予定していたレースに参戦して走りを磨く日々。

そして、いよいよ7月。「成田空港 深夜00:30発」という、仕事をしている人にはうれしい(!?)便で、イタリアへ出発!

My wayでカラーオーダーした特別なDOGMA F8。「日向×ピナレロ」でピナ太と命名My wayでカラーオーダーした特別なDOGMA F8。「日向×ピナレロ」でピナ太と命名 photo:Naoki Ohoshi「ちょっぴり苦手」という集団走行を静岡のショップLIFE,,,のみなさんと練習する日向さん「ちょっぴり苦手」という集団走行を静岡のショップLIFE,,,のみなさんと練習する日向さん photo:Kenta Onoguchi

飛行機輪行に備えて、“輪行の伝道師”アズマ産業の伊美哲也さんにプロの技を教えていただいた。チェーンを固定するタイラップは必須アイテム!飛行機輪行に備えて、“輪行の伝道師”アズマ産業の伊美哲也さんにプロの技を教えていただいた。チェーンを固定するタイラップは必須アイテム! photo:Naoki Ohoshi組み立て時の注意点を元プロ自転車チーム専属メカニックの永井孝樹さんから伝授いただく。体重をかけ、ホイールをエンドの奥までしっかり入れることが組み立て時の注意点を元プロ自転車チーム専属メカニックの永井孝樹さんから伝授いただく。体重をかけ、ホイールをエンドの奥までしっかり入れることが photo:Naoki Ohoshi


ドバイ乗り継ぎを経て、ヴェネツィア国際空港に着くと、「わっ、蒸し暑い……」。地中海性気候=乾燥、というイメージとはちょっと違うみたい。さっそく、ヴェネツィアから北に約30kmに位置する今回の大会の舞台・トレヴィーゾに移動しました。

……となるはずですが、すんなり事が運ばないのはさすがイタリア。レンタカーを借りるのに1時間かかり、しかも、ようやく借りたクルマが故障して高速道路でレッカーされるという事態に。到着早々イタリアの洗礼を受けた日向さんですが、「厄落としになったかも♪」となぜか前向き(笑)。トラブルも楽しめる心の余裕がイタリアの旅には欠かせないようです。(オフィシャルツアーでは、貸切バスでの移動になりますのでご安心を)



日向さん、ピナレロの生まれ故郷トレヴィーゾを堪能!

さて、日本ではあまり知られていませんが、ピナレロの生まれ故郷であるここトレヴィーゾは「陸のヴェネツィア」とも呼ばれる美しい都市。世界的なアパレルメーカー・ベネトンや電機メーカー・デロンギの創業の地でもあり、美しい製品を生み出す地としてイタリア国内では有名なのです! さらに、アルプス伏流水の恵みを受けた山の幸、アドリア海の海の幸、名産のプロセッコワインと、グルメの宝庫としてもよく知られています。おいしいものに目のない日向さんはうれしそう♪

陸のヴェネツィア・トレヴィーゾ。旧市街地内を水路がめぐります陸のヴェネツィア・トレヴィーゾ。旧市街地内を水路がめぐります photo:Tomohiro Hoshino日向さんの顔が何個も入っちゃいそうな大きなピザ。ギリギリ旬(!?)のホワイトアスパラを楽しむことができました日向さんの顔が何個も入っちゃいそうな大きなピザ。ギリギリ旬(!?)のホワイトアスパラを楽しむことができました photo:Tomohiro Hoshino

ピナレロ本店の入り口。意外と、いや、かなり狭い感じですが……ピナレロ本店の入り口。意外と、いや、かなり狭い感じですが…… photo:Tomohiro Hoshino
まずは聖地巡礼ともいうべきピナレロ本店詣でに向かった日向さん。2日後に大会を控えたピナレロ本店内は、世界各国からの参加者で大にぎわい♪

ピナレロの本店というので、スタイリッシュで広々とした空間を想像していた日向さん。意外なほど狭い間口にビックリ! しかし、「なかに入ると奥に長い!」。そうなのです。大通りに面したウェアとグッズを扱うショップだけでなく、裏通りを挟んで、ピナレロの自転車ショップとスポーツ用品店もあるので、みなさん寄るのをお忘れなく!

「自転車ショップでは、ロードバイクと並んで、ピナレロ製の実用車や子ども用自転車が売られていました。ピナレロは、世界的ブランドでありながら、トレヴィーゾの人たちにとっては“街の自転車屋さん”であり続けているんですね。なんだかグッときちゃいました!」と日向さん。

(右から)創業者の妻であり、現社長ファウスト・ピナレロ氏のお母さん、ピナレロ家の長女カーラさん、その娘キアラさんと記念撮影♪(右から)創業者の妻であり、現社長ファウスト・ピナレロ氏のお母さん、ピナレロ家の長女カーラさん、その娘キアラさんと記念撮影♪ photo:Tomohiro Hoshino20周年グッズいろいろ販売中。今年のテーマカラーは水色のよう20周年グッズいろいろ販売中。今年のテーマカラーは水色のよう photo:Tomoko Usui

裏通りに面したこちらはピナレロのスポーツ用品店(自転車用品以外も売っています)。セールの真っ最中でした裏通りに面したこちらはピナレロのスポーツ用品店(自転車用品以外も売っています)。セールの真っ最中でした photo:Tomohiro Hoshinoピナレロの手にかかれば実用車もこんなにオシャレピナレロの手にかかれば実用車もこんなにオシャレ photo:Tomohiro Hoshino


さらに「私が行った日はピナレロ家の女性陣がお店番(!?)でした。みんな笑顔がとってもフレンドリー! 『イタリアはファミリービジネス大国』と聞いたことがありますが、ピナレロに乗っている私たちのこともファミリーの一員として迎えてくれるような、アットホームな雰囲気がありましたよ」。

その後、日向さんはトレヴィーゾの街を散策。15~16世紀の建物が今も残る古い街並みは中世の騎士が現れても不思議がないようなロマンチックな雰囲気。そぞろ歩くだけでも楽しい♪

街では、使い込まれたピナレロの自転車を数多く見かけました。

フレスコ画で外観を装飾された建物が今も残るフレスコ画で外観を装飾された建物が今も残る photo:Tomohiro Hoshino街の中心シニョーリ広場。1階はトレヴィーゾに行ったら必ず寄りたいピザの名店ダ・ピーノ街の中心シニョーリ広場。1階はトレヴィーゾに行ったら必ず寄りたいピザの名店ダ・ピーノ photo:Tomohiro Hoshino

乗り込んでいる感ありありのピナレロ車たち乗り込んでいる感ありありのピナレロ車たち photo:Tomoko Usuiシニョーリ広場の裏にはピナレロによるレンタサイクルも。この日はすべて貸出中でしたシニョーリ広場の裏にはピナレロによるレンタサイクルも。この日はすべて貸出中でした photo:Tomoko Usui

ピナレロのお隣のお店、カフェ・ゴピオン。甘くて冷たいコーヒースムージーが絶品。休憩中のピナレロファミリーに出会える可能性高しピナレロのお隣のお店、カフェ・ゴピオン。甘くて冷たいコーヒースムージーが絶品。休憩中のピナレロファミリーに出会える可能性高し photo:Tomoko Usuiピナレロ本店から歩いてすぐのところにある安くておいしいジェラートやさんもウィンドウをデコレーションピナレロ本店から歩いてすぐのところにある安くておいしいジェラートやさんもウィンドウをデコレーション photo:Tomoko Usui


さらに、ラ・ピナを記念して、街にはピナレロの旗で装飾されたお店もたくさん。

「自転車イベントの会場というと、郊外の公園をイメージしますが、ピナレロは街中、というより自分たちのお店の前からスタートさせるんですね。詰め込みすぎ感がないこともないですが(笑)、街全体がこのお祭り騒ぎを楽しんでいること、ピナレロが街のみんなに愛されていることが伝わってきました!」



日向さん、インデュラインと走る!

さて、大会前日はピナレロが主催する“イタリアの道路とレンタルバイクに慣れるための試走会”に参加しました(日向さんは自分の愛車ピナ太(DOGMA F8)を持ってきましたが、「飛行機輪行が心配!」なオフィシャルツアー参加者にはピナレロのレンタルバイク(有料)がありますのでご安心を)。宿泊しているホテルまで、ピナレロ社のスタッフやピナレロ率いる地元グランフォンドチームのおじさまたちがお迎えに来てくださるという至れり尽くせりぶりです。

4つ星ホテル、ルライス・モナコの前でオフィシャルツアーのみなさんとスタート前にパチリ! 参加者が着ている試走会用ジャージはなんとプレゼントされたもの4つ星ホテル、ルライス・モナコの前でオフィシャルツアーのみなさんとスタート前にパチリ! 参加者が着ている試走会用ジャージはなんとプレゼントされたもの photo:Tomohiro Hoshino
今回のオフィシャルツアーは女性の参加者も多かった! 日向さんを囲んで記念撮影今回のオフィシャルツアーは女性の参加者も多かった! 日向さんを囲んで記念撮影 photo:Tomohiro Hoshino日向さんの後ろを走る青ジャージのお2人はピナレロ率いる地元グランフォンドチームのおじさま日向さんの後ろを走る青ジャージのお2人はピナレロ率いる地元グランフォンドチームのおじさま photo:Tomohiro Hoshino


「イタリアの道路は右側通行」や「ロータリーの走り方(横断歩道はほぼない)」を頭のなかにインプットしながらゆっくり走っていると、他のホテルからも各国のサイクリストが合流してきて、集団はどんどんスピードアップ! 「楽しくなるにつれスピードが上がっていっちゃうのは万国共通なんですね(笑)」。

往年の名選手インデュラインと走る。こんなスペシャルな経験ができるのはラ・ピナだけ!往年の名選手インデュラインと走る。こんなスペシャルな経験ができるのはラ・ピナだけ! photo:Tomohiro Hoshino
工場という言葉から連想される灰色っぽいイメージとは異なる明るい建物工場という言葉から連想される灰色っぽいイメージとは異なる明るい建物 photo:Tomohiro Hoshinoと、そんな日向さんが一緒に走ったのは、なんとツール・ド・フランスV5など、ピナレロに乗って大活躍したミゲール・インデュライン氏! じつはインデュライン、ラ・ピナのゲストライダーの常連なのです。とはいえ、大会ではトップ集団にいないと一緒には走れないので……試走会で会えた日向さんはラッキー?

試走会の休憩場所はピナレロ本社工場に設けられていました。ここで世界各国からやってきたサイクリストたちと異文化交流♪ 言葉は片言でも、グランフォンド好き・ピナレロ好きの共通点があれば、気持ちが通じましたよ!



日向さん、新作発表会でハンドルに萌え!

試走会の後は、ピナレロ社の主催するホテルでのランチパーティに参加(※パーティへの招待はサプライズ。毎年必ず招待されるわけではありません)。しかし、日向さんがより楽しみにしていたのは、同ホテルで開催される2017年モデルの新作発表会でした。

ピナレロ2017モデル、ジャーン!ピナレロ2017モデル、ジャーン! photo:Tomohiro Hoshino
話題のDOGMA F8 X-Lightを持ち上げてみたり話題のDOGMA F8 X-Lightを持ち上げてみたり photo:Tomohiro HoshinoTTバイク BOLIDEにまたがってみたりTTバイク BOLIDEにまたがってみたり photo:Tomohiro Hoshino


「買う余裕もないし、乗る機会もほとんどないだろうに」日向さんの心にピンと来てしまったのは、TTバイク BOLIDE。「TTバイクは無理でも、ハンドルなら!……ポジションはほぼ決まっているし、ステム一体型ハンドルにしちゃおうかなぁ」と日向さん。「数年前までパーツに熱くなっている男性を理解できなかったけれど、最近わかりかけている自分が怖いです(笑)」。


ピナレロの生まれ故郷に来たことで、ますますピナレロを身近に感じ始めた日向さん。さぁ、明日はいよいよラ・ピナ サイクリングマラソン大会当日です!