5月5日に行われたもてぎエンデューロ。ツインリンクもてぎに集まった3000人を越える参加者の中から、ひときわ目立つ女性たちの愛車をピックアップして紹介します。



中村妃智さん(team 自転車処 風輪)ウィリエール Cento1SR

中村妃智さん(team 自転車処 風輪)ウィリエール Cento1SRdesc中村妃智さん(team 自転車処 風輪)ウィリエール Cento1SRdesc
4時間ロードウーマンで見事優勝を飾った「team 自転車処 風輪」の中村さん。なんと、トラックの中長距離強化指定選手で、日体大時代はアジア選手権のポイントレースで優勝を飾った経験もある強豪選手なんです。「今日はキツかったです。男子のスピードが速くて……。」とはにかみながら答えてくれましたが、おそらく付いて行ったのは先頭集団なのではないでしょうか……。

そんな中村さんが駆るのはイタリアの歴史あるブランド、ウィリエールのピュアレースモデル「Cento1SR」。高い剛性が特徴のプロユースバイクを手足のように乗りこなす中村さんは流石といったところだろうか。「走りも良いんですけど、見た目も気に入ってます。ロゴの入り方がシブくて、いつ見てもカッコいいなって」と中村さん。

トラックバイクにも使用するというISMのアダモトラックバイクにも使用するというISMのアダモ ハンドルは少ししゃくり気味ハンドルは少ししゃくり気味


メタル時代のシマノSPD-SLを使用メタル時代のシマノSPD-SLを使用 ナショナル合宿からそのまま持ち込まれたボトル。「ポ」というシールはポカリスエットが入っているからだとかナショナル合宿からそのまま持ち込まれたボトル。「ポ」というシールはポカリスエットが入っているからだとか


愛車のこだわりポイントはなんといってもサドル。ISMのアダモをトラックバイクでも使用しているとのことで、「このサドルじゃないと落ち着いて乗れない」というほど気に入っているとのことでした。



山本麻実さん(Yahoo!ゆるふわ) キャノンデール Synapse

山本麻実さん(Yahoo!ゆるふわ) キャノンデール Synapse山本麻実さん(Yahoo!ゆるふわ) キャノンデール Synapse
Yahoo!JAPANの社内サイクリングチームのメンバーとしてエントリーした山本麻実さんの愛車はキャノンデールのエンデュランスバイク、「Synapse」。もともとクロスバイクに乗っていた山本さんだが、社内の熱心な自転車同好会と知り合ったことで急速に自転車趣味にのめり込んでしまったのだとか。

「ある飲み会に参加したらそのテーブルが全員自転車乗りで、”どうやらこの人たちは自転車をスポーツとして楽しんでいるらしい”と(笑)。会社に入ったら何かスポーツに挑戦したかったので、良い機会だと思ったんです。」と言う。それからクロスバイクで長距離を走った時に海を眺めて感動したり、ロードバイクに乗り換えたりと順調にステップアップしていったそう。

「思い入れのあるこのバイクとこの先もずっと走っていきたいです」「思い入れのあるこのバイクとこの先もずっと走っていきたいです」 普段使っている動物さんライトに合わせたという牛柄のバーテープ普段使っている動物さんライトに合わせたという牛柄のバーテープ

装着感がお気に入りというタイムのペダル装着感がお気に入りというタイムのペダル 155mmのショートクランクと46-34Tのチェーンリング155mmのショートクランクと46-34Tのチェーンリング


同好会のメンバーがカスタマイズを手伝ってくれたというバイクは、155mmのクランクや46-34Tのチェーンリングなど、ロングライドでも辛くないようにパーツをチェンジ。今や週末のロングライドや新幹線輪行といったアクティブな趣味生活に欠かせない相棒になっているという。

「やっぱり自転車の面白さって、自分の力で遠くまで行けることだったり、仲間たちと一緒に走ること。私も敷居が高いスポーツかな、と思っていたのですが、機材さえエイヤ!で買ってしまえばその先はとてもスムーズでした。自転車って誰でも乗れるものですし、仲間がいてくれるから辛い場面でも乗り切れるんです」と山本さん。この先はホノルルセンチュリーライドにもチャレンジしてみたい、と言う。「軽いカーボンバイクに興味が無いわけではありませんが、ずっと思い入れのあるこのバイクと走っていきたいですね」。



宮崎さやのさん(team 自転車処 風輪) ビアンキ SEMPRE PRO

宮崎さやのさん(team 自転車処 風輪)ビアンキ センプレ宮崎さやのさん(team 自転車処 風輪)ビアンキ センプレ
「優勝できた秘訣ですか?うーん、もてぎは登りを越えればずっと下り。うまく集団に乗ることができたことが良かったですね。走りやすいコースだったので楽しむことができました」と言うのは、中村さんと一緒に4時間ウーマンクラスで優勝した宮崎さやのさん。愛車は精悍なイメージでカスタマイズされたビアンキのロングライドモデル「SEMPRE PRO」だ。

2014年の3月に納車したというこのバイク、もともとビアンキのチェレステカラーが好きだったことに加えて、程よくブラックカラーが使われている所も気に入ったんだとか。普段はチームメイトと強度高めの練習をしたり、TwitterなどSNSで繋がった仲間ロングライドに行ったりするそうで、絶景を見に渋峠に行ったり、今年1月に長崎で開催された渡辺航先生のトークショーまで飛行機輪行をしたりとなかなかにアクティブに楽しんでいるご様子。

精悍な印象のシャマルミッレ。軽い走りとブラックカラーがお気に入り精悍な印象のシャマルミッレ。軽い走りとブラックカラーがお気に入り 弱虫ペダルの福富部長がお気に入り弱虫ペダルの福富部長がお気に入り

バーエンドはもちろん「函學」バーエンドはもちろん「函學」 バルブキャップもチェレステカラーでコーディネイトバルブキャップもチェレステカラーでコーディネイト


「やっぱり走っている時の爽快感だったり、達成感、美味しいものがより美味しくなったり、普通の生活では経験できないような素敵な経験ができるのが自転車の良いところ。レース観戦も好きで見ていると走りたくなったりしますし、仲間と走ることでアドバイスをもらったり、一人ではなかなか難しい強度での練習もできるんです」と宮崎さん。

「女性の場合は仲間に誘われても”自分は遅いから”と敬遠してしまいがちなんですが、本当にうまい人、速い人って無理なく合わせてくれますし、それでも楽しんでくれるし誘ってくれるんですよね。私はそういう良い仲間に恵まれて自転車を楽しむことができているんです。そういう仲間って絶対周囲にいるはずですし、気兼ねなく楽しめるようになれば、素敵な自転車生活が待っているはずですよ」と女性サイクリストにメッセージを送ってくれた。



野崎桃世さん サーヴェロ S3

野崎桃世さん(team 自転車処 風輪) サーヴェロ S3野崎桃世さん(team 自転車処 風輪) サーヴェロ S3
4時間ロードウーマンで2位に入られた野崎さん。実は優勝した「team 自転車処 風輪」の仲間ということで、同じチームのメンバーでワンツーフィニッシュを果たしていることに。ソロで4時間を走った末の2位入賞を支えたのは、サーヴェロのエアロロード「S3」だ。

弱虫ペダルから自転車にハマったという野崎さんだが、競技歴1年にしてこの大会で準優勝という成績を残していることからも窺えるように、かなりシリアスに競技へと取り組まれている様子。「いずれは実業団なども視野にいれていきたいと思っています。」とのことだ。

ワイヤーには赤い保護パーツがワイヤーには赤い保護パーツが セライタリアのSLRスーパーフローがしっくりくるとのことセライタリアのSLRスーパーフローがしっくりくるとのこと


ペダルもデュラエースをチョイスペダルもデュラエースをチョイス 「軽くて反応性が良いんです!」というボーラ35「軽くて反応性が良いんです!」というボーラ35


2台目のバイクとなるS3も、デュラエースにBORA35というガチガチのレーススペック。もてぎに合わせて、フロントギアを50/34から52/38へと変更したとのこと。機材からも、自転車競技への真剣な取り組み方が見えてくるような一台でした。



坂本沙弥さん(team SHIDO) コルナゴ ACE

坂本沙弥さん(team SHIDO) コルナゴ ACE坂本沙弥さん(team SHIDO) コルナゴ ACE
Jフェミニンツアー、やシクロクロスなど、積極的にレース活動に挑戦している坂本沙弥さん。愛車はコルナゴのエンデュランスバイク、「ACE」だ。自転車趣味を始めた時最初に買った一台というこのバイク、基本的には一世代前の105で組まれているものの、9000系デュラエースのブレーキやコンパクトクランク、登りを考えたゼロセットバックのピラーなど、ツボを押さえたカスタムが目に止まる。

「もともと海外レースのファンでした。ディルーカがかっこよくて、アンディも可愛いくって(笑)。社会人になったことをきっかけに新しいチャレンジとして購入したのがこのバイクだったんです」と言う坂本さん。プロレースで選手が乗っているのと同じブランドが良かったというこのバイク、ホイールやクランクは購入したプロショップ「イル・クオーレ」の高木オーナーがしつらえてくれたもので、普段は相模原や町田方面を通って峠へと連れ出しているそう。

登りを重視してシートポストをゼロセットバックに変更したという登りを重視してシートポストをゼロセットバックに変更したという ショップオリジナルのバーエンドもお気に入りポイントの一つショップオリジナルのバーエンドもお気に入りポイントの一つ

ブレーキは9000系デュラエースにアップグレードしているブレーキは9000系デュラエースにアップグレードしている イル・クオーレの高木オーナーがしつらえてくれたというコンパクトクランクイル・クオーレの高木オーナーがしつらえてくれたというコンパクトクランク


「普段の生活で負けたくない!とか限界まで頑張る!っていう場面でなかなか無いじゃないですか。だからとても刺激的だし、もともと観戦ファンだったこともあって知り合いが頑張っている姿を応援するのも楽しいんです」と、レースを走る楽しみを語ってくれた坂本さん。「以前シクロクロスレースに母親が応援に来てくれたんですが、私がたくさんの人から応援してもらっている姿を見て喜んでいましたね。周りの方々に親孝行してもらったような感じ」と加える。

「やっぱり趣味なので、怪我なく安全に楽しむことが第一目標で、次にロードとシクロクロスの全日本選手権を完走すること。自転車屋さんのドアを開けるのはちょっと勇気が要りましたけど、いきなり人との繋がりがわっと広がって。それがあったからこそ楽しく趣味として続けられています。自転車を始めた時はまさか自分がレースに出たり、一人で長距離を走ったりするようになるとは思いませんでした(笑)。これからも安全と楽しさ第一で続けたいですね」。



西加南子さん(ルミナリア) BH ULTRALIGHT

西加南子さん(ルミナリア) BH ULTRALIGHT西加南子さん(ルミナリア) BH ULTRALIGHT
みなさんご存じ、全日本チャンピオンに輝いた経験を持つ西可南子さんももてぎ7耐に参加されていました。40代(とても見えませんが)にして、ジャパンカップや全日本選手権といったビッグレースで成績を残し続けている西さんが駆るバイクはスペインの老舗ブランドBHのヒルクライムモデル、「ULTRALIGHT」。

「軽快感が際立つバイクですね。登りが特に軽くて、とても気に入っています。」と西さん。そんなフレームに組み合わせられるのは、最高の回転性能を追求したハブ造りで有名なゴキソの完組ホイールだ。

すっきりとまとまったハンドル周りすっきりとまとまったハンドル周り ワイヤーエンドは極力切り詰められ、ピンクのキャップが装着されていたワイヤーエンドは極力切り詰められ、ピンクのキャップが装着されていた


最高の回転性能を誇るゴキソのホイール最高の回転性能を誇るゴキソのホイール パイオニアのペダリングモニターを使用パイオニアのペダリングモニターを使用


「もてぎのように下りが長いコースだと、周りの選手たちに対して明らかにアドバンテージがあることが実感できます。同じように下っていても、脚を止めていられる時間が長いんですよ。」とその性能に太鼓判を押す西さん。実際、撮影のためにクランクを空転させただけで、フリーボディーの軽すぎる回転にびっくりしてしまうほどでした。