灼熱の中でありながらも大成功に終わったニセコクラシック。その舞台となったニセコの魅力を実走取材したレポートの後編をお届けします。2日目となる今回はニセコクラシックの70kmコースで2位に入ったボードマンバイクスの熊坂さんの案内でニセコを巡ります。



今日も羊蹄山をバックにライドをスタート今日も羊蹄山をバックにライドをスタート photo:Hideaki TAKAGI
パノラマライン頂上で談笑パノラマライン頂上で談笑 photo:Hideaki TAKAGI道幅も広く交通量も少ない道幅も広く交通量も少ない photo:Hideaki TAKAGI


2日目は時折小雨がパラつくあいにくの天気となったが、酷暑となった先日のレースと比べるととても走りやすい気温。そのおかげもあって、疲れているはずの脚もぐんぐん回すことができる。レースコースでもあるニセコパノラマラインをゆったりペースで走っていく。

黒と赤の外観がおしゃれな手打蕎麦いちむらさん黒と赤の外観がおしゃれな手打蕎麦いちむらさん photo:Hideaki TAKAGIそばつゆの香りが食欲をそそるそばつゆの香りが食欲をそそる photo:Hideaki TAKAGIみんなで食べると一層美味しい!descみんなで食べると一層美味しい!desc レース時には交通規制されていたため走りやすいのは当たり前であるが、普段から車も少なく、ときおり現れる車もマナーが良いので、大変快適なサイクリングをエンジョイできる。毎日でも走りたくなる気持ち良い道が、そこにはあった。「ここで自転車に乗れば自然と強くなる」とは、札幌から移り住んできたばかりの熊坂さんの言。納得である。

あまりの心地よさについついニセコパノラマラインを2往復ほどしてしまう。できればずっと走っていたかったが、そこは悲しいかな、さすがにお腹が空いてきたのでお昼を食べることに。今回訪れたのは「手打蕎麦いちむら」さん。

こちらの蕎麦は蘭越の農家にお願いして農薬を使わず有機肥料で育てた、安全で安心の玄蕎麦を毎日、必要量に応じて石臼で挽き、ニセコの天然水で手打ちしているという逸品。蕎麦粉も水も地元で完結する地産地消の蕎麦処だ。

蕎麦は十割と二八蕎麦が選べるが、十割は数量限定のため早めの来店が必須。僕たちが訪れた午後1時過ぎにはもう売り切れてしまっていた。残念!だが、僕たちが食べた二八蕎麦も麺にコシがあり蕎麦の風味が強く、のどごしばっちりの美味しい麺であることを補足として加えておく。前日までに予約しておけば蕎麦の実の中心部のみを使った更科そばも頂けるそうだ。こちらは夏季限定のメニューになっている。

さらに入り口近くの屋根の下に自転車を置かせて頂けるのも安心して食べられるポイントだ。こちらもマナーとして店員さんに一言声をかけてからの駐輪をお願いしたい。自転車に乗って疲れた内臓につるっと頂ける蕎麦は最高の選択だと思う。お昼のみの営業なので、ぜひともライド中のエネルギー補給に寄って頂きたいお店である。

手打蕎麦いちむら
〒044-0081 北海道虻田郡 倶知安町山田68−4
http://niseko-ichimura.jp


いちむらさんのおそばでお腹を満たした後は、熊坂さんとニセコクラシックのことを談笑しながら気持ちの良い道をまたしばらく走っていく。そんな中で、熊坂さんは北海道の自転車レースの環境がとても素晴らしいことを話してくれた。

規制されている左側車線を丁寧に走行するサイクリスト達規制されている左側車線を丁寧に走行するサイクリスト達 photo:Hideaki TAKAGI
ツール・ド・北海道もそうであるが公道を片側1車線のみ規制してのレースはここ北海道ならでは。本州のレースでは全線規制を敷いてしまうので、通過する自治体への配慮もあり市民レースであっても足切り時間が厳しく完走難しくなってしまったり、クリテリウム形式のレースが多くなってしまう。

もちろん安全面を考えれば全線規制することに越したことはないが、北海道では対向車線の車が集団が通過する際にスピードを落とすだけでなく路肩によって一時停止してくれたり、時には車から降りて選手に声援を送ってくれることも。沿道の住宅では道路まで出て家族で声援を送ってくれたりも。北海道でロードレースがスポーツイベントとして認知されているからであろう。もちろん出場している選手たちもセンターラインを割ることなくレースに挑んでいた。このような市民レースが本州でももっと増えてくれたらいいな、と思った。

そして次の目的地は美味しいスイーツが食べられるグラウビュンデンさん。こちらのお店は1990年開業とニセコの中でも長い歴史をもつ老舗なのだ。かわいらしい店舗デザインとは裏腹に、とてもボリュームのあるサンドウィッチ、ケーキが頂けるということで、人気を集めるお店だ。なにより嬉しいのが店先にバイクラックが用意してあること。これがあることで入店のハードルはグッと下がるはずだ。

ヨーロッパを思わせる外観のグラウビュンデンさんヨーロッパを思わせる外観のグラウビュンデンさん photo:Hideaki TAKAGI
サイクルラックのあるのは嬉しいサイクルラックのあるのは嬉しい photo:Hideaki TAKAGIケーキやタルトは甘すぎない上品な味が紅茶とよく合うケーキやタルトは甘すぎない上品な味が紅茶とよく合う photo:Hideaki TAKAGI人気が高いというサンドウィッチもぜひ食べてみたかったけれど、カフェタイムということもあり全員タルトやシフォンケーキと紅茶のセットを注文した。紅茶もさまざまな種類があり、甘い物との相性はばっちりだ。

僕はクリームたっぷりのシフォンケーキを注文したが、見た目から想像するよりも甘さが抑えられた上品な味わいで、飽きることなくぺろりと平らげることができた。一方、熊坂さんが注文したのはルバーブのタルト。

ルバーブとは欧米でよく食べられる植物で、茎の部分を砂糖と一緒に煮詰めることでジャムなどにするのが一般的。あまり本州ではなじみがないけれど、北海道では盛んに栽培されているので、あちらこちらで見かけるポピュラーな存在だ。

そのルバーブをタルトに仕込むことで酸味と甘さのバランスが取れた絶妙な味になるという。グラウビュンデンに来た際はぜひ食べていただきたい一品だ。

朝8時から営業しているので早起きしてグラウビュンデンを目指してライドするのもよし、グラウビュンデンで朝ごはんを食べてから走るのも良し、ディナーも美味しいのでさまざまな使い方ができるカフェである。

グラウビュンデン
〒044-0081北海道虻田郡倶知安町山田132-26
http://graubunden.jp/wp/


さて、アテンドしてくださった熊坂さんとはここでお別れ。リカバリーライドながら、なかなかハードなライドとなりました。これもニセコの環境のおかげでしょうか(?)本当にありがとうございました!

実走取材も終盤にさしかかりお土産を買うために最後の目的地となる二世古酒造さんへ。大正5年創業で、加水調整をしない原酒、水、空気、環境にこだわっており、水はニセコワイス山系の雪清水と、羊蹄山からの湧水を使用しているそうだ。

ニセコ山系の湧き水などを使う二世古酒造ニセコ山系の湧き水などを使う二世古酒造 photo:Hideaki TAKAGI二世古酒造ではお酒の試飲もできる二世古酒造ではお酒の試飲もできる photo:Hideaki TAKAGI

三段仕込みの醸造タンク三段仕込みの醸造タンク photo:Hideaki TAKAGI二世古酒造 蔵元杜氏の水口渉さん二世古酒造 蔵元杜氏の水口渉さん photo:Hideaki TAKAGI


最近では変り種の焼酎も製造しており、なかでも一番驚いたのは醸造の際にコーヒーを加えた珈琲焼酎だ。自転車で訪れたため試飲はできなかったものの、香りを嗅がせていただいたところまさしくコーヒーそのもの。こうなると味も気になってしまい、お土産に購入したらとても美味しかったのでこちらもオススメだ。さらに京極の名水を使って仕込んだ日本酒や、ニセコや倶知安など地元の名を冠したお酒を多く製造しているのが特徴だ。

蔵元杜氏の水口渉さんに製造過程の話をお伺いしたところ、かなり手の込んだ三段仕込みという手法を使って酒を醸造しているという。最近の日本酒ブームでこれまであまり訪れることのなかった若いお客さんが多く、外国の観光客にもニ世古酒造は人気スポットになっているそう。ほとんどのお酒を試飲することができるので、次は試飲しながらお酒選びを楽しみたい。

有限会社 ニ世古酒造
〒044-0083
北海道虻田郡倶知安町字旭47番地
http://www.nisekoshuzo.com

走りに走った3日間もあっという間であったが、思う存分ニセコの風景、食を満喫できた。しかしここニセコには今回紹介しきれないもっと楽しめるアクティビティがたくさんある。ニセコのホテルやカフェ等の現地で配られるパンフレットなどが豊富に用意されているので、まずはぜひ足を伸ばしてみて、それからプランを考えて楽しむのも一つの方法だろう。

北海道に来たことがある人も、自転車を持って再び旅行に来るだけで新たな発見をすることができる。
ぜひ今年の夏は北海道、ニセコに自転車を持って行って大自然を満喫してみてはどうだろう?

倶知安町(くっちゃんちょう)のサイトには、ニセコ・羊蹄山周辺のサイクリングマップなどが紹介されているので参考にしてください。

取材協力:北海道後志総合振興局
report:Takuto.Watanabe

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