東京を中心とした都市生活者への自転車の普及による、利便性やライフスタイルの向上、環境効果を目的としたプロジェクト"X2 TOKYO(エックスツー・トウキョウ)"が発足した。自転車を都市生活に取り入れ、スタイリッシュに楽しむライフスタイルを提案するムーブメントだ。

X2 TOKYOのコンセプトバイクX2 TOKYOのコンセプトバイク (c)MakotoAYANO3月19日に発足したX2 TOKYOプロジェクトのお披露目に、4月9日、東京・渋谷のSHIBUYA PUBLISHING & BOOK SELLERSにおいてプレス向けプレゼンテーションが行われ、出席したメディア関係者にそのコンセプトが紹介された。

X2 TOKYO(エックスツー・トウキョウ)とは、自転車のホイールが2つであること、自転車が東京を2倍面白くすることをかけてネーミングされた。

自転車のホイール(車輪)は2 つ(X2)。そんな自転車は昨今、東京における生活ツールとして見直され、益々注目を集めている。ファッション/移動手段/生活・文化/環境など様々なシーンを自転車というフィルターを通して見据えることで、東京は2 倍(X2)面白くなる、という意味を込め、名付けられた。

自転車+ファッション/交通/文化/エコロジー...。X2 TOKYOは、スタイリッシュな「自転車都市」として東京を世界に誇れる街にするためのプロジェクト。

まずは今春へ向けて、自転車と自転車を中心とした生活の魅力をスタイリッシュに発信しながら、自転車愛好家とのコミュニティ作りをはじめ、一般生活者にとっても自転車との接点をより多く創り出すためのユニークな活動がはじまる。

X2 TOKYOプロジェクトディレクターの中村薫さんX2 TOKYOプロジェクトディレクターの中村薫さん (c)MakotoAYANO

自転車が東京を2倍(X2)面白くする!



X2 TOKYOの代表者、ディレクターの中村薫さんからそのコンセプトが紹介された。

中村さん「トウキョウは、近未来的で最先端。観光客はもちろんクリエイターからも注目される街。食、ファッション、アートなど、さまざまな魅力が凝縮された東京は、住んでいる人さえ飽きさせることがありません。そんな東京をもっともっと楽しませてくれるのが自転車です。私たちは『自転車が東京を2倍楽しくする』をコンセプトに、ウェブ、タブロイド紙、コンセプトブック、を使って、X2 TOKYOというムーブメントを起こして行きます。

私が自転車と出会ったのは10数年前。編集者として自転車通勤をしていて、街で見かけたメッセンジャーの姿に、スタイリッシュな魅力を感じたのがきっかけでした。他の公共交通機関が点と点を結ぶに過ぎないのに対し、またたくまに線と線でつなぐ移動手段である自転車の魅力に惹きつけられ、以来、自転車とのかかわりを続けてきました。

そのうち、ただ乗っているだけに飽き足らず、自転車をテーマにした映画祭"バイシクルフィルムフェスティバル"や、自転車通勤を応援する"バイシクルワーク"などのプロジェクトに参加するようになりました。
そんな自転車をキーワードにした活動を続けるうち、普段出会えないような人と出会い、ますます世界が広がりました。

自転車は本当にいろいろなところへ私を連れて行ってくれました。そんな私の経験を元に、自転車愛好家たちをつなぐ新しいコミュニティーとして、またこれから自転車に乗るかもしれない人たちを巻き込みながら、X2 TOKYOはさまざまな活動を展開します。

X2 TOKYOはポータルサイトを立ち上げ、自転車愛好家たちのコミュニティづくりを進めます。またコンセプトブックや、キャンペーン期間中年4回発行するタブロイド紙で、自転車を中心としたライフスタイルの情報を発信していきます。

さらに青山のロイヤルガーデンカフェとのコラボによる期間限定自転車カフェ「X2 TOKYO CAFE」をオープン。自転車の無料レンタルやSPBSプロデュースの自転車の本棚の移動展示、著名デザイナーによるオリジナル自転車の展示などを行います。

ウェブ、タブロイド紙、リアルなサイクルカフェイベントを通じて、楽しい、気持ちいい、を通じて『自転車に乗ることがカッコイイ』というライフスタイルを、環境活動へもつながる自転車の新しい楽しみを提案してゆきます。
X2 TOKYOを通して、東京を世界に誇れる街にしてゆけたら、そういう思いを胸にこのプロジェクトを運営してゆきます」。


X2 TOKYO ウェブサイトX2 TOKYO ウェブサイト http://www.X2tokyo.jp

「自転車愛好家をつなぐハブとしてのウェブサイト」



続いて、WEBプランナーの岡本弘毅さんがデモンストレーションを行ってくれたのが、4月10日より稼動するX2 TOKYOウェブサイトだ。このサイトの展開がX2 TOKYOの情報のハブになる。
X2 TOKYOのポータルサイトであるこのウェブサイトの具体的な機能は、自転車に乗るユーザーからの情報を集めるマップサイトと、自転車に乗ることを楽しくしてくれる情報サイトの2本のプログラムが柱になる。

さまざまなカテゴリーごとにお気に入りスポットが投稿できるさまざまなカテゴリーごとにお気に入りスポットが投稿できる

おすすめスポットを投稿できるマップサイト



X2 TOKYOウェブサイトのユーザーは簡単な個人情報の登録を行うことでマップ上に情報を投稿することができるようになる。

たとえばおいしい店を見つけたときは「eat」のカテゴリーを選んでお店の情報を投稿できる。無数のユーザーの投稿によるナレッジが蓄積されてゆき、サイトが充実されてゆく。そしてこの情報がユーザーが自転車に乗ることを誘発するようになる。

またブリヂストンサイクルのリリースするe-meters(イーメーターズ)のSNS機能つきウェブサイトとも連動し、情報コミュニティサイトとしての連携を強めてゆく。

もうひとつの柱である「情報サイト」では、さまざまな自転車情報を集めることで、情報サイトとしてのコンテンツを提供してゆく。
また自転車雑誌「バイシクルNAVI」「バイシクルマガジン」「自転車生活」「自転車日和」「自転車人」の5誌の協力により、ハイクオリティーな情報をアップしてゆく。

ウェブサイト上の情報は、カルチャー、エコロジー、ファッション、モビリティの4つのカテゴリーごとに集約、アップデートされてゆく。

タブロイド紙「X2 TOKYOエクスプレス」タブロイド紙「X2 TOKYOエクスプレス」

タブロイド紙「X2 TOKYOエクスプレス」



フリーペーパー「X2 TOKYOエクスプレス」は6月までに4号の発行を予定。ちなみに第1号は「自転車+ファッション」をテーマにしたもの。
6月の時点での最終号としては、既刊の4号を集約した内容に新たに書き下ろした内容を追加した「総合コンセプトブック」を発行する予定だ。

また、X2 TOKYOエクスプレスプロジェクト全体のワークスペースとして「X2 TOKYO Studio」を、話題の書店「SHIBUYA PUBLISHING & BOOK SELLERS」内に4 月末まで設置し、連動プロジェクトの情報発信拠点となる。同社・同書店が「自転車に乗って通いたくなるブックストア」となる。

X2 TOKYO CAFE の期間限定カフェ展開



青山ロイヤルガーデンカフェにおいて開設される期間限定カフェ「X2 TOKYO CAFE」では、
オリジナルコンセプト自転車としてグルーヴィジョンズ伊藤弘さん製作の作品や、メッセンジャー集団「クーリエ」によるコンセプト自転車の企画展示などを予定している。
さらに期間中の休日には無料レンタル自転車を設置するなどして、自転車による青山散歩を楽しめる。

全国1000サイクルショップ連動企画 ブリヂストンサイクルが公式スポンサーに



公式スポンサーであるブリヂストンサイクルの渡辺恵次社長が挨拶公式スポンサーであるブリヂストンサイクルの渡辺恵次社長が挨拶 (c)MakotoAYANOこのプロジェクトにはブリヂストンサイクル株式会社が公式スポンサーとなり、全国のX2 キャンペーン賛同自転車販売店約1000店、並びに関係者と協業しながら、X2 TOKYOを広めていくという。
ブリヂストンサイクルの渡辺恵次社長は挨拶で次のように語った。

「当社がX2 TOKYOの公式スポンサーとなったのは、プロジェクトの求める都市生活者への自転車の訴求、ライフスタイルとしての自転車の向上、自転車環境への着目等に当社が賛同したから。東京の自転車需要は多岐にわたっている。この東京での自転車進化は目を見張るものがあり、街にはお洒落にコーディネイトされた自転車が増えている。
究極のエコな乗り物である自転車がブームではあるけれど、これを一過性のブームとしないためにも、このX2TOKYOに協力して環境を整え、自転車利用者の間口を広げる力となりたい。自転車を単なる生活に便利な道具としてだけでなく、生活を楽しむためのアイテムとして捉える人を増やしていきたいと考えています。e-metersとの連動を通じても、さまざまな広がりを期待できる。ファッション性、スポーツ性などさまざまなニーズに応える自転車を用意しつつこの活動をサポートしてゆきたいと考えています」。

ファッションやエコの追い風に乗り、ブームとなった生活自転車。X2 TOKYOがどういった手法でこれらの新しいユーザーを伸ばしていくのかに注目だ。


X2 TOKYOプロジェクト実施計画概要



・X2 TOKYO.JP ウェブサイトによる情報発信・コミュニティ設置
・X2 TOKYO EXPRESS タブロイド版フリーペーパーの配布
・X2 TOKYO CAFE の期間限定カフェ展開(@青山ロイヤルガーデンカフェ)
オリジナルコンセプト自転車としてグルーヴィジョンズ伊藤弘さん製作の作品を展示予定

・自転車販売店 全国約1000 店舗にて連動キャンペーン実施
その他、それらと連動したプロジェクトの情報発信拠点及びプロジェクト全体のワーク
スペースとして「X2 TOKYO Studio」を書店「SHIBUYA PUBLISHING & BOOK SELLERS」内に4 月末まで設置。


photo&text:綾野 真