もてぎ7時間エンデューロGWで印象的だったのが、昨年よりもぐっと女性が増えたこと。そこで、どうやってエンデューロを、自転車を楽しんでいるのか?そしてこれから自転車を始めてみたい女性に向けてのメッセージを聞いてみました。



成田夏紀さん バイク:オリジナルペイントの「アボカド号」

成田夏紀さんと、オリジナルペイントの「アボカド号」成田夏紀さんと、オリジナルペイントの「アボカド号」
ちょっと一目を惹き付ける、グリーンのツートンカラーに塗り分けられた小さなロードバイクは、成田夏紀さんの通称「アボカド号」。今回もそのカラーが目立って取材のお声掛けをさせて頂いたのですが、話を聞けばデザインは夏紀さんが自分で考えたのだそう。

「もともとアンカーのアルミバイク(RFA5)なんですが、ホワイトだったので汚れが目立っちゃって…。もともとグリーンが好きだったのと、自転車仲間繋がりで塗装してくれる人が見つかって、思い切ってペイントしてもらいました。まだまだ自転車初心者なので、フレッシュなアボカドがモチーフです(笑)」と夏紀さん。ちなみに、おニューのコンポーネント(105)とホイールは、それぞれ今年と去年の誕生日プレゼントだそうだ。

「まだまだ自転車初心者なので、フレッシュなアボカドがモチーフです(笑)」「まだまだ自転車初心者なので、フレッシュなアボカドがモチーフです(笑)」 バーテープの色合わせがかわいいバーテープの色合わせがかわいい

コンポーネントは誕生日プレゼントコンポーネントは誕生日プレゼント ホイールも誕生日プレゼントホイールも誕生日プレゼント


フレームに合わせて、ペダルやバーテープも色がおそろ。サドルもグリーンの差し色が入っていたが、これは「たまたま」だそう。「自転車を塗り替えるってとても大変なイメージですが、デザインを考えているのも楽しかったし、なにより完成したのを見てとっても嬉しかったですね。大事に乗るようになりました」

最近は自転車の塗装を受け持つペイントショップもいくつか出てきているし、これまでよりも、こういったカスタムの敷居は下がっていると思う。そして、何よりも嬉しそうに話してくれた夏紀さんの笑顔が印象的でした。普段は近所の荒川サイクリングロードを走っているそうなので、マイバイクを自分色に染めてみたい女性ライダーは、是非一度話を聞いてみてはいかがでしょう?



立花美津子さん(チームZENRIN) バイク:KUOTA KHARMA

立花美津子さん(チームZENRIN)と、愛車のKUOTA KHARMA立花美津子さん(チームZENRIN)と、愛車のKUOTA KHARMA
チーム右京のジャージと、KUOTAのバイクでバチッと決まっていたのは立花さん。チーム右京のスポンサーであるゼンリンにお勤めで、今回は自転車熱が高まっている会社の仲間と4時間エンデューロに出場したという。チームに女性が多く話を聞いてみたのですが、「昨年は女子が私一人だったのに、今年は4人にも増えてとっても嬉しいです」と一言。

「エンデューロレースは今回で3回目です。みんなでのんびり走るのがメインなのですが、こういうイベントも楽しいですね。エンデューロって、陸上で言えば駅伝みたいなもので、皆でたすきを繋いでいく感覚が面白い。決してレース志向ではないのですが、他の人とではなく、例えば私のように去年の自分の成績を越えたい、という人には向いてるんじゃないかな、って思います」

この金属パーツ、なぜかだんだんと渋い色に変化しているところもお気に入りだそうこの金属パーツ、なぜかだんだんと渋い色に変化しているところもお気に入りだそう お気に入りというブタさんライトは2代目お気に入りというブタさんライトは2代目

ロー側の大きなカセットを入れても問題無いように、リアディレーラーはロングケージロー側の大きなカセットを入れても問題無いように、リアディレーラーはロングケージ 軽い走りを求めて軽量なカーボンホイールを使っているそう軽い走りを求めて軽量なカーボンホイールを使っているそう


そんな立花さんの愛車は、知人から譲ってもらったと言うパーツを組み込んだKUOTA KHARMA。その方のアドバイスで、ロー側の大きなカセットを入れても問題無いように、リアディレーラーをロングケージのものに交換しているのがポイント。軽量カーボンホイールは、レース志向では無いものの、走りの軽さにこだわるたいがゆえなんだそうだ。

そして一番のお気に入りは、ハンドルに乗っかっているブタさんライト。実はこの彼(彼女?)は2代目で、先代はホノルルセンチュリーライドの際に脱走(笑)し、クルマに轢かれるという哀れな最後を遂げた、と教えてくれました(笑)。



ブリッツェンフェアリー自転車競技部の、REIさん(左)とMIHOさん(右)

もてぎ7時間エンデューロGWに参加されたブリッツェンフェアリー自転車競技部のREIさん(部長)とMIHOさん(実走派)もてぎ7時間エンデューロGWに参加されたブリッツェンフェアリー自転車競技部のREIさん(部長)とMIHOさん(実走派)
「初めてのレース参加だったのですが、スピードにビックリしちゃいました」「初めてのレース参加だったのですが、スピードにビックリしちゃいました」 「自分の成長を感じることができるのが、サイクリング系のイベントにはないエンデューロの魅力ですね」「自分の成長を感じることができるのが、サイクリング系のイベントにはないエンデューロの魅力ですね」 ピンクの宇都宮ブリッツェンジャージを着こなしていたのは、結成から話題を振りまいているブリッツェンフェアリー自転車競技部のREIさんとMIHOさん。今回は競技部として初めてレースイベントに参加したという。バイクはもちろんチームの選手が使うメリダだ。

最初は"まさか自分が本格的に自転車に乗るなんて!"と思っていたそうだが、「でも、実際にチャレンジしてみると、すっかりハマっている自分に驚いています。走れるようになると色々なことが体験できて、余計に楽しいですね(笑)」とMIHOさん。

キャプテンを務めるREIさんは、豊富な自転車の経験を活かして、とちぎテレビの人気自転車番組「Ride ON!」に廣瀬GMと一緒に出演していたりもする。そんなREIさんに、"自転車に興味があるけれど、なんか難しそう!"と思っている女性に向けてのメッセージを聞いてみた。

「一般的にはまだスポーツバイクって、"脚が太くなっちゃうんじゃないの?"というイメージがあると思うんですが、ロードバイクはむしろ逆なんですよね。私も乗り始めてから友達に細くなった?って言われるようになりましたし、ある程度乗ると筋肉が使われるから、その日だけでも目に見えてシェイプアップされますね。有酸素運動だし、ご飯もおいしいし、身体にいい事ばっかりだと思うんです」

「でも日焼けは女性の天敵ですし、そこはバッチリやっておいたほうが良いですね。日焼け止めはしっかり塗りますし、UV対策用の可愛いウェアもたくさんあるから心配いりませんよ!私は自転車と言えば学生時代の通学以来だったので、最初はとてもじゃないけど無理…と思っていたんです。でも乗ってみて、こんなに魅力的なものなんだなーってびっくりしました(笑)」

「自転車の楽しさって、乗らなきゃ分からないし、乗ってこそ分かるんだと思います。私もロードバイクに乗っていた友達がきっかけで少しだけ試す機会があったのですが、それが面白すぎて翌日に注文してしまったという(笑)。ぜひもっとたくさん、女性の自転車乗りが増えて欲しいですね」(MIHOさん)



4時間ウーマンクラス優勝 島崎真美さん(イマイスプロケッツ)

4時間ウーマンクラスで優勝した島崎真美さん(左)と、イマイスプロケッツの皆様4時間ウーマンクラスで優勝した島崎真美さん(左)と、イマイスプロケッツの皆様
このバーテープを見よ!良く乗り込んでいる証であるこのバーテープを見よ!良く乗り込んでいる証である 平均速度35.58km/hで4時間のウーマンクラスで優勝を飾ったのは、この島崎真美さん(イマイスプロケッツ)。そこまでレースには出ていないそうだが、日々の通勤をメインに月間1000kmも練習するというストイックなお方である。

クランクにはパワーメーターがクランクにはパワーメーターが 日々の練習スタイルは、平日3回の朝練習と、土日での練習。なんと毎朝4時半からスタートしているというから恐れ入りました(笑)。そんな島崎さんのバイクは、茨城県日立市にある「サイクルスポーツイマイ」の店長さんから譲ってもらったというスペシャライズドのS-WORKS Tarmac SL3。デュラエースにパワーメーター付きというレーシーな仕様になっていた。

所属するイマイスプロケッツは女性率の多さが特徴らしく、今回も応援だけの方もたくさん参加されていて、かなりチームピットは華やかな印象だった。島崎さんの周りにも、弱虫ペダルがきっかけでバイクを購入したり、興味を持っている方が多いそうだ。

クラブでは週末に美味しいベーカリーやカフェを目指して走るライドを開催し、皆さんでかなり楽しんでいらっしゃる様子。

そんな島崎さんが自転車を始めたきっかけは、震災だったと言う。「最初はただ楽しく乗っていただけだったのですが、初めて参加したレースの結果があまりにも悪すぎて。それで一念発起して練習するようになったら、どんどんはまってしまったんですよ(笑)まだまだ自転車に乗る女性って少ないんですが、だからこそあちこちの方とお友達になれるんです。そういった人と人との繋がりができたのも、自転車のおかげかな、って思いますね」。



4時間ウーマンクラス5位 橋場都茂子さん(Corsa Aprico)

4時間ウーマンクラス5位の橋場都茂子さん(中央)と、Corsa Apricoの皆様4時間ウーマンクラス5位の橋場都茂子さん(中央)と、Corsa Apricoの皆様
4時間ウーマンクラスで5位に入賞したのはCorsa Apricoの橋場都茂子さん。あまり女子っぽさを感じないバイクは、仲間から譲ってもらったというタイムの名機RXRS ULTEAM。「シックにフレームカラーの白と黒で合わせてみました」というバイクは、コンポーネントやホイールなどもかなり"走り"に振ったカッコいい仕様。「この前は入門用の女性向けロードバイクに乗っていました。のんびりツーリングするには良かったのですが、レースとなると厳しくて、乗り換えたんです」と言う。

ホワイト&ブラックでカッコ良く決まったRXRS ULTEAMホワイト&ブラックでカッコ良く決まったRXRS ULTEAM ハンドルのシェイプがお気に入りだそうハンドルのシェイプがお気に入りだそう

ホイールはR-SYS SLホイールはR-SYS SL サドルはスペシャライズドの女性用サドルはスペシャライズドの女性用


橋場さんがもてぎエンデューロに参加するのは3回目。「淡々と走れるのが魅力だと思います。コースが広いので、例えば初心者の女性でも、速い人とぶつからないようにさえ気をつければ安心して走れるのもいいですね」。

自転車を始めたきっかけは、旦那様が興味を持ったこと。そして一緒に購入し今に至るという。「そして身の回りにもほぼ同時に自転車に乗り始めた人がちらほらいて、グルメツーリングから峠、そして気づいた時には100km、2000mアップのような行程をクリアしていました(笑)自転車の面白さって、もちろん乗っているときも楽しいし、ご飯が楽しみだし美味しいし、そしてもちろん人との繋がりがたくさんできたことが魅力です」

text&photo:So.Isobe


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