国内でも屈指の山岳ロングライドとしてすっかりと馴染みの深い存在となった「グランフォンド軽井沢」。距離120kmで獲得標高2400m弱を走り抜ける、昨年よりさらにパワーアップした2015年大会のコースガイドをお届けします。



50人ずつのグループにわかれて、120kmの旅へとスタートしていく50人ずつのグループにわかれて、120kmの旅へとスタートしていく
先導車も軽井沢らしい先導車も軽井沢らしい たくさんの参加者がスタート列を形成するたくさんの参加者がスタート列を形成する


今年もグランフォンド軽井沢のスタートとなるのは、軽井沢プリンスホテルのスキー場。冬場は多くのスキー客で賑わうこの会場から、反時計まわりに浅間山を一周するのが、大会最長コースとなる「グランフォンド軽井沢」のルートだ。

春も深まった5月とはいえ、軽井沢の朝は寒い。ウインドブレーカーやアームウォーマー、レッグウォーマーといった対応調節用のウェアを用意しておいた方がいいだろう。50名ごとにスタートしていくため、後ろの方で出発する人は走りだすまで身体を冷やさないように注意されたい。

スタート直後に軽井沢駅前を通り抜けていた昨年とは異なり、駅前を迂回してから旧軽井沢銀座市街を通り抜ける。カフェやレストラン、おみやげ屋さんなど、いかにもリゾート地らしい風景のなかを走っていく。とはいえ、朝も早いため開いている店舗も少なく、どこか凛とした空気に満ちた中を走っていく。

旧軽銀座を抜けて白糸ハイランドハイウェイへ向かう旧軽銀座を抜けて白糸ハイランドハイウェイへ向かう 白糸ハイランドハイウェイを登っていく参加者たち白糸ハイランドハイウェイを登っていく参加者たち

最初の難関の激坂で苦しむ参加者たち最初の難関の激坂で苦しむ参加者たち 浅間山が見渡せる浅間ハイランドパーク浅間山が見渡せる浅間ハイランドパーク


その目指す先は、この大会の最初の難所、白糸ハイランドハイウェイ。約10kmにわたって登り続ける最大の難所。しかも一番最初から15%を超える激坂が目の前に立ちはだかる。周りの参加者も必ずキツイはずなので、ここは我慢のしどころだ。白糸ハイランドを登り切っても、全体の10%も消化していない計算になるので、無理は禁物。インナーローでクルクル回しながら進んでいこう。

最初の激坂がおわると、一旦下りに転じてまた登っていく。その下りでストレッチしながら進んでいけば、残りも快調に登っていくことができるだろう。峠の茶屋が見えてくれば、長い登りも終わりを告げ、第一エイドの浅間ハイランドパークへのダウンヒル。昨年は朝食代わりにカップヌードルが用意されていて、ここから先へのカロリー補給が出来た。次のエイドとなる東海大学嬬恋高原研究センターまでは距離が長いため、できるだけエネルギーを補給しておきたいところだ。

エイドを出発すると国道114号まで長いダウンヒル。天気によっては、身体が冷えてしまうので上着を羽織るのも良いだろう。前橋から松本までつなぐ長野国道を渡るとその先は大会最高標高地点となるバラギ湖の登りへと向けて再び登りをこなしていくこととなる。

最高標高地点に向けて登っていく最高標高地点に向けて登っていく
干俣の清水をボトルに詰める干俣の清水をボトルに詰める 待ちに待ったカレーです!待ちに待ったカレーです!


途中に、天然の湧水スポット「干俣の清水」を通過しながら、段々と高度を上げていく。距離6kmm、平均斜度6%の登りをこなすと、バラギ湖が現れる。一旦平坦となるバラギ湖畔の道を過ぎると、最高標高地点へと向けて、9%程度の坂が1.5kmほど続く。決してバラギ湖が登りの終着点では無い。安心していると意外な登りに心を折られてしまうので、初出場の方は心に留めておいてほしい。

登り切った先には、ご褒美にふさわしいだけの絶景が待っている。美しい景色を眺めながら、登りで乱れた呼吸を整えて際2エイドへと向かっていく。多くの人は、お昼にちょうどいい頃にこのエイドに辿りつくはず。野菜たっぷりのカレーや新鮮なサラダバイキングなどでお腹を満たしたら、南西へと向けて進んでいくことになる。

パノラマラインにはたくさんのオートバイライダーも通っているパノラマラインにはたくさんのオートバイライダーも通っている 雄大な景色を眺めながら下り基調の道を行く雄大な景色を眺めながら下り基調の道を行く

鳥居峠の脇には魅惑の林道も。。鳥居峠の脇には魅惑の林道も。。 第3エイドではどドネルケバブの出店もあった第3エイドではどドネルケバブの出店もあった


エイドを出ると、しばらくは下っていくことになるが意外とすぐに下りは終わる。群馬県と長野県の境となる鳥居峠へアップダウンを繰り返しながらふたたび登っていくからだ。つまごいパノラマラインの絶景を楽しみながらペダルを回していけば、鳥居峠はすぐにこなせるだろう。

鳥居峠を越えれば、ここまで稼いできた標高を一気に吐き出すようなロングダウンヒルが待っている。コーナーが連続し、かなりテクニカルな下りのため、初心者は安全な速度になるように調整しながら下ってほしい。昨年は国道144号をずっと直進するコースだったが、今年は途中で県道4号へとエスケープするようになっている。下り切ったところには再びエイドステーションが設置されており、休憩することができる。

第3エイドから先の区間も、昨年から変更が加えられている。棚田を脇目にアップダウンを繰り返しながら下っていくのだが、途中一度山側へとエスケープするため、3kmつづく斜度6%の登りが追加されている。例年であれば大きな登りは第4エイドの菱野温泉のみであったため、ゴールが近くなってきたところでもうひとつの新たな難所が追加された形だ。ここはリピーターの方ほど注意してほしいポイントだ。

美しい並木の横の道を登っていく美しい並木の横の道を登っていく アップダウンが激しい県道80号アップダウンが激しい県道80号

菱野温泉前の激坂が参加者を苦しめる菱野温泉前の激坂が参加者を苦しめる 梅の花咲く第4エイド梅の花咲く第4エイド


もちろん、第4エイドの菱野温泉への登り、そして名物である常盤館前のS時激坂コーナーは健在。ここまでの数々の登りをこなしてきたサイクリストにとってはトドメの一撃ともなる坂で、足を付いてしまう参加者もちらほら。最後の激坂は距離も短いので、勢いに乗せて一気にクリアしてしまうのが得策だろう。もちろん、ここまでの道のりで体力を温存しておくことも非常に大切だ。

文字通りの「壁」を乗り越えると、第4エイドが待っている。昨年は、甘いいなりずしが振る舞われ、奮闘してきたサイクリスト達に最後のエネルギーを与えてくれる。その先は、フラットな浅間山麓南の1000m林道を走り抜け、中軽井沢周辺の別荘地帯を通過するとゴールはすぐそこだ。

無事に完走できました!無事に完走できました!
120km、2400mアップのハードなコースを走り終えたら、ゴール地点には暖かい汁物が用意されている。長い道のりを完走したサイクリストには最高のごちそうとなるだろう。完走証も発行してもらえるので、長い一日の記念に必ず受け取って欲しい。ゴール後には、軽井沢周辺の温泉に入って、身体の疲れを癒してから帰るのがオススメだ。



グランフォンド軽井沢コースマップ


text:Naoki,YASUOKA