冬だからこそクリテリウムを!堺浜クリテリウムの3月本戦に向けて3回行われるトライアルレースの第1回大会が12月21日に行われた。



90分エンデューロ 会場は大和川河口部の広大な堺浜90分エンデューロ 会場は大和川河口部の広大な堺浜 photo:Hideaki TAKAGI
「冬場にロードレーサーで走れる大会が少ない」そのような声に応えて企画されたのが堺浜クリテリウムだ。来年、2015年の3月29日に本戦を予定しているが、それに向けてのお試し(=トライアル)レースが2014年12月から毎月1回行われることになった。その第1回大会が12月21日(日)に大阪府堺市堺区の「海とのふれあい広場」で行われた。

3月の本戦に向けた3回のトライアルレース

付近を練習中の入部正太朗(シマノレーシング)も飛び入りでゲスト参加付近を練習中の入部正太朗(シマノレーシング)も飛び入りでゲスト参加 photo:Hideaki TAKAGI冬場の自転車レースと言えばいまやシクロクロスがすっかり市民権を得ているが、晴天率の高い地域のクローズドエリアならば、ロードレースを十分開催することができる。新しく自転車を揃える必要もない。会場によっては自宅から自走で駆けつけて参加することもできる。そして開催を月1回など定例化すれば、各レベルに応じて楽しく走れ集団走行のスキルも鍛えられる。
エリート 城本量徳氏も駆けつけるエリート 城本量徳氏も駆けつける photo:Hideaki TAKAGI
長良川クリテや、はりちゅうエンデューロードなどのチャレンジリーグでは、マトリックスパワータグの選手たちが安全講習会を毎回開いている。そしてレースでも安全最優先でエスコートするため、楽しく安全に走ることができるのも特徴のひとつだ。

実際に12月7日の長良川クリテも、今回の堺浜クリテでも落車事故はゼロだった。参加費用もトライアル(お試し)ということで、クリテリウムは2,000円、エンデューロは3,000円、ダブル参加は1,000円引き、女性は各1,000円とリーズナブルに設定している。気軽に参加できるのが嬉しい。

エリートで2周目から逃げ切った福留康介(Team OKAYAMA)

各クラスで熱戦が繰り広げられたが、圧巻は最上級者のエリートクラス。1周0.95kmを18周する17.1kmのレースのなんと2周目からアタックし、ゴールまで独走した福留康介(Team OKAYAMA)の走りに圧倒された。

「スタート後から一般参加者が前に出ていなかったので、2周目にペースを上げようと前に出たらそのまま決まってしまいました。一気に差が開いたので、ならばこのまま行ってしまおうかな、と。ラップタイムをアナウンスしてくださったので指標になりました。自分はもっともっと強くならねば。来年は岡山で仕事をやりつつ、イナーメ信濃山形で走ります。強い選手たちと一緒に走っていい展開をつくり、そして違う世界が見られたらと思っています。来年が楽しみです」と福留は語る。

エリート 2周目から独走開始の福留康介(Team OKAYAMA)エリート 2周目から独走開始の福留康介(Team OKAYAMA) photo:Hideaki TAKAGIエリート 15分経過、追走集団エリート 15分経過、追走集団 photo:Hideaki TAKAGI

会場には様々な顔ぶれが集う

会場には様々な顔ぶれが揃った。まずは「知り合いと堺浜に練習に来たら人が集まっていたので覗いてみた」という通りすがりの入部正太朗(シマノレーシング)が、その場でサポートライダーとして飛び入り参加。来シーズンはチームキャプテンとなる入部の頼もしい助っ人ぶりが目立った。また往年の名レーサーで今も走る城本量徳氏も会場に姿を見せた。エンデューロにはシルベストサイクルの山崎敏正氏も練習として参加。山崎氏は最後尾からスタートしたが、いつのまにか先頭を切ってチームTT状態で走り続け、上位に入賞した。

スポーツⅡ 50代の部で優勝した永井博之さん(TRAP)もレース歴30年以上で、通算94勝を誇るベテランレーサーだ。「冬はどうしてもサボってしまうのでモチベーションを上げるために出ました。これのために先週もしっかり練習しましたよ。最高にいいコースで、安全で楽しくて。風の向きも変わるので風を利用した走りができるのが楽しいですね。次の1月も出ようと思います」と新しいレースの誕生を大歓迎する。

90分エンデューロ 2周目は大集団90分エンデューロ 2周目は大集団 photo:Hideaki TAKAGI90分エンデューロ ラスト3周、ステラシルベストのメンバーが先頭を引く90分エンデューロ ラスト3周、ステラシルベストのメンバーが先頭を引く photo:Hideaki TAKAGI

「冬もロードレース!」安原昌弘マトリックスパワータグ監督

「冬場の自転車レースを増やしたい、シクロクロスは盛んになったがロードレーサーで出られる大会をつくりたいと、以前から思っていました。レースがあればトレーニングにも身が入りますし。このコースは道幅が広くて平坦で安全だけれども、適度なカーブと強めの風があり、”安全でかつしんどい”と思っています」

スポーツⅠ 新村亮太(関西学院大学)が優勝スポーツⅠ 新村亮太(関西学院大学)が優勝 photo:Hideaki TAKAGIスポーツⅡ 久乗捷吾(大阪工業大学サイクリング部)が優勝スポーツⅡ 久乗捷吾(大阪工業大学サイクリング部)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI

ビギナーⅠ 田中亮輔(Fiato)が優勝ビギナーⅠ 田中亮輔(Fiato)が優勝 photo:Hideaki TAKAGIビギナーⅡ 浜砂友輝(Team Castello)が優勝ビギナーⅡ 浜砂友輝(Team Castello)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI


「各クラス50名に絞り、風もあったことで今回もおかげさまで落車はゼロでした。今後はたとえば女性だけのクラスを作ったり、定員をもう少し増やしてもいいのかな、と思っています。そしてクリテリウムだけでなくロードレースもやりたいですね。来シーズンはシリーズ戦にして年間のランキングを競う方向へ持っていきたいですね。とにかく冬もロードレースですよ」

実際、この大会はすでに人気で第1回大会はすべて定員が埋まっての開催だった。1月17日(土)の第2回大会も空きは残りわずかとなっている。出場を考えるなら早めに申し込みの手続きをしよう。なお1月18日(日)は関西シクロクロスの”第9戦みなと堺グリーン広場大会”がこの会場至近で行われる。両方を楽しむのもアリだ。




結果
エリート 17.10km
1位 福留康介(Team OKAYAMA)26分38秒
2位 北中悠貴(関西大学)+27秒
3位 根田裕司(ネクストリーム)
4位 嶌田吉成(ステラシルベスト)
5位 鈴木太千(トレックフラッグシップストア神戸)
6位 中馬聡司(soleil de lest)

スポーツⅠ 11.40km
1位 新村亮太(関西学院大学)17分37秒
2位 水田昌宏(チームY シアヌーク)
3位 松並俊雄(チームサニーサイド)+01秒

スポーツⅡ 10.45km
1位 久乗捷吾(大阪工業大学サイクリング部)16分18秒
2位 大上野宏幸(テメソニ!)+01秒
3位 織田裕之(ODA)

ビギナーⅠ 8.85km
1位 田中亮輔(Fiato)13分38秒
2位 清水久輝
3位 増井鵬朗(Team スクアドラ)+01秒

ビギナーⅡ 6.65km
1位 浜砂友輝(Team Castello)11分04秒 
2位 川勝敦嗣
3位 丸子広史(一条宝塚 チームKS)

90分エンデューロ 1周0.95km
1位 小西悠貴(ステラシルベスト)54周、1時間30分13秒
2位 川崎智貴(ステラシルベスト)+01秒
3位 桐野一道 +02秒
4位 嶌田吉成(ステラシルベスト)
5位 山崎敏正(ステラシルベスト)+04秒
6位 小倉隆(キャノンデール心斎橋)

photo&text:高木秀彰
リンク