5月18日、台湾の景勝地として有名な太魯閣(たろこ)国立公園から3千メートル超の山頂を目指す壮大なヒルクライム大会が開催される。日本からの参加ツアーも用意され、熱烈歓迎してくれるチャレンジングな大会を紹介する。



標高3275mの山頂「武嶺」付近は見事な景観が開ける標高3275mの山頂「武嶺」付近は見事な景観が開ける (c)Makoto.AYANO
海抜0m、花蓮大橋を抜けていよいよタロコ渓谷へ海抜0m、花蓮大橋を抜けていよいよタロコ渓谷へ (c)Makoto.AYANO前回は2011年11月に開催されたこの台湾の大会は、今回が3回め。標高ゼロメートルの花蓮市からスタートし、最高カテゴリーの「インターナショナル」はコース全長が約89kmで標高3275mの武嶺まで登るダイナミックなコース設定。距離、標高差ともに世界でも有数の難易度を誇るヒルクライム大会だ。

タロコ渓谷の眺めはダイナミックだタロコ渓谷の眺めはダイナミックだ (c)Makoto.AYANO標高3275mの山頂「武嶺」は、一般道で行くことができる東アジア最高到達地点。「インターナショナル」は約89kmでこの武嶺まで登る。頂上の約10km手前で一度350mほど下ってまた上るため、獲得標高差は約3620mにのぼる。

■乗鞍の3倍の獲得標高差! しかし終盤まではハイスピードなヒルクライム

この獲得標高差で言えば、乗鞍ヒルクライムの標高差1,260m(距離20.5km)の約3倍にあたる。3倍の厳しさのコースは、体感的な厳しさはいったい何倍になるのだろう?

2011年大会はMTBで走った山本和弘と宮澤崇史2011年大会はMTBで走った山本和弘と宮澤崇史 (c)Makoto.AYANOしかし恐れるなかれ、参加者たちが口を揃えて言うのは、距離が長くともコースの勾配は緩いので、頂上付近まではかなりのハイペースで登れてしまうとのこと。実際、スピードが出るため集団ができやすく、参加者たちは風の抵抗を分担しながら、小・中グループがいくつも形成されて走っているようだ。

2位のゴールに飛び込む才田直人(当時ボンシャンス飯田)2位のゴールに飛び込む才田直人(当時ボンシャンス飯田) (c)Makoto.AYANO数字だけ見て恐れていた人も、走ってみて意外に楽だと感じるとのこと。しかし最後まで楽かと言うとそうではなく、厳しい区間は最終盤に待ちかまえている。ラスト10数km、金馬トンネルを抜けた地点からの約5キロのダウンヒル、そしてそこから再び登り返す区間がもっとも厳しく感じるという。

とくにラスト10km区間は勾配が急激にきつくなり、15%以上の激坂区間が連続的に現れる。そして残り5kmで視界は一気に開け、笹の原っぱが広がる高原の風景に変わる。最高地点に到達する感動と達成感は何ものにも代えがたい。

※参考完走タイムなどはページ下部の「インターナショナルクラスの参考タイムとデータ」を参照して下さい。

■途中までのクラス、観光を楽しみながら走れるクラスも用意

ハイレベルなインターナショナルクラスはさておき、大会は3つの参加カテゴリーから脚力と目的に合ったクラスが選べるように設定されている。最後の勾配が厳しい区間をカットした、コース途中までの「チャレンジカテゴリー」と、自転車に乗りながらの観光が主目的の「太魯閣サイクリング」も用意される。

したがって友達同士ツーリング感覚で参加するもよし、観光を兼ねて親子で楽しみながら走るもよし、それぞれの実力に合わせて自転車で旅する台湾を満喫できるというわけだ。

3000mまで上ってから、ラスト10数キロで一度大きく下る。「損した気分になる」と誰もが言う3000mまで上ってから、ラスト10数キロで一度大きく下る。「損した気分になる」と誰もが言う (c)Makoto.AYANO頂上付近はまるでヨーロッパアルプスのような眺め頂上付近はまるでヨーロッパアルプスのような眺め (c)Makoto.AYANO

ゴールして思わず笑みがこぼれるゴールして思わず笑みがこぼれる (c)Makoto.AYANO細かく分けられた年代別での表彰があるので、誰でも入賞のチャンスがある細かく分けられた年代別での表彰があるので、誰でも入賞のチャンスがある (c)Makoto.AYANO


74Kmの「チャレンジカテゴリー」は、コース半ばの標高2,374メートルの碧綠神木でゴール。初級者でも乗り慣れている人なら楽しく挑戦できるカテゴリーだ。45kmの「太魯閣サイクリング」はクラス区分制限なし。大会の絶景区間を行く「超おいしいところどり」で、標高480mの天祥まで観光を兼ねて皆で一緒にゆったり走る。

日本側の主管はチェンライ国際MTBチャレンジなども主催する日本のイベント会社「R1ジャパン」。ノウハウが豊富で日本人スタッフによるサポートもあるため、安心して参加することができる。

自転車の種類は、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなどタイヤを含めて無制限。ただしヘルメット、グローブを着用することに加え、トンネル用のライトを取り付けることが義務付けられている。トンネル内は真っ暗なため、ある程度の光量があるライトが望ましい。

前日サイクリングの様子(2011年)
中華風の門が立つ「東西横貫公路」の入り口 ここからはレースコースだ中華風の門が立つ「東西横貫公路」の入り口 ここからはレースコースだ (c)Makoto.AYANO太魯閣渓谷を走る。レース中は景観をゆっくり見ることができないので驚きの連続だ太魯閣渓谷を走る。レース中は景観をゆっくり見ることができないので驚きの連続だ (c)Makoto.AYANO

花蓮の海岸沿いのサイクリングロード 青空が広がってきた花蓮の海岸沿いのサイクリングロード 青空が広がってきた (c)Makoto.AYANO花蓮の海岸道路はまるで台湾のニース?花蓮の海岸道路はまるで台湾のニース? (c)Makoto.AYANO


<カテゴリーごとの概要>
●インターナショナル
参加費用:5,000円(完走メダル、タイム記録証、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース: 花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→西寶→洛韶→新白楊→碧綠神木→関原→武嶺,  約88.83Km/3275.4m  制限時間8時間まで
中級者以上でフルコースを走ります。 標高ゼロから3,275.4メートルまで、目まぐるしく変わる天気、気温、湿度、気圧、酸素量など究極のアドベンチャー要素も加わったサイクリングとなります。

●チャレンジ
参加費用:4,000円(完走メダル、タイム記録証、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース: 花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→西寶→洛韶→新白楊→碧綠神木→関原, 約74.09Km/2,374m  制限時間6時間まで
初級者でも普段少し走っていれば楽しく挑戦できるカテゴリーです ゴール地点の関原は2,374mですが、獲得標高はもう少し高いです。友人、家族、同僚、クラスメート等でカメラ持参して楽しく走っていただくことが出来ます。

田代恭崇さん(リンケージサイクリング代表)田代恭崇さん(リンケージサイクリング代表) ●太魯閣サイクリング
参加費用: 3,000円(参加証明、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース: 花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→太魯閣→花蓮縣新城郷秀林國中 約44.78Km/480m 制限時間6時間まで
大会の美味しいとこどり! 天祥まで観光を兼ねて走り帰路は下り。ありえない絶景の中をサイクリングします。初めてのサイクリングでも大丈夫です。

田代恭崇さんがサポートする日本からの参加ツアー

シクロワイアードではホノルル・センチュリー・ライドをはじめとしたサイクリングツアーでお馴染みのトップツアーとの協力により、田代恭崇さん(リンケージサイクリング代表/アテネオリンピックロードレース代表選手)がサポートするツアーを用意。参加者説明会やアドバイス、事前の講習会等を通じて参加者をサポートします。

このツアーでは現地で、レースの時には駆け抜けてしまうため観光できない太魯閣渓谷までの試走を兼ねたライドや、花蓮周辺のサイクリングや観光、食事会などをメニューとして用意する予定です。


■インターナショナルクラスの参考タイムとデータ
2010年大会の優勝タイム 4時間3分19秒
2011年大会の優勝タイム 4時間4分44
2011年、オフシーズンの体調で走った宮澤崇史選手のタイム 4時間52分58秒 26位
MTBで走った山本和弘選手のタイム 5時間12分00 41位
75歳の田口重喜さん(スワコレーシング) のタイム 6時間15分18秒 98位
最終走者 MTBで走った廣瀨由紀さん 7時間25分17秒 タイムアウトまで30分を残し完走
*2011年大会は144人がスタートし、126人が完走。リタイアは17人で、 タイムアウト失格の完走者は0人



第3回MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム 2014 大会概要

大会名称:
Climbing Taiwan 2014
第3回MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム 2014
第3屆 瑪吉斯太魯閣國際登山挑戦 2014
3rd MAXXIS Taroko International Hill climb 2014

主 催: 太魯閣ヒルクライム実行委員会
共同主催: 交通部觀光局、外交部亞東関係協会、花蓮縣政府、南投縣政府
公 認: 教育部體育署
後援/協力: 太魯閣國家公園管理處、台灣觀光協会、台北駐日經濟文化代表處、公益財団法人交流協会、 国際経済政策調查会、台灣日本人会、台北市日本工商会、台北市自由車協会
主 管: 台湾自由車運動協会、R1ジャパン
特別協賛: マキシスタイヤ
協 賛: GIANT TOPEAK EVA AIR MERIDA

大会種類: 自転車によるヒルクライムコースでのサイクリング大会
開催日程: 2014年5月18日(日)
大会申込: 2014年3月1日〜4月15日
参加申し込み先: スポーツエントリー

男性、女性別でレースに参加することができます。自転車のタイプは問いません。

グループ 男子
A Under 29 years old (born after 1985)
B 30~34(1984~1980)
C 35~39(1979~1975)
D 40~44(1974~1970)
E 45~49(1969~1965)
F 51~59(1964~1955)
K(King) Over 60 (born before 1954)

グループ 女子
G Under 29 years old (born after 1985)
H 30~39(1984~1975)
I 40~49(1974~1965)
J 50~59(1964~1955)
Q(Queen) Over 60 (born before 1954)

申込方法
申込期間は2014年4月1日〜15日
スポーツエントリーへお申し込みください。

■日本からの参加ツアー 問い合わせ先
トップツアー株式会社 
個人旅行事業部 企画マーケティング課 担当 樋沢治夫(といざわ・はるお)
E-mail: [email protected]
TEL 03−5704−2727
FAX 03−5704−3168
ツアー詳細は下部リンクの添付ファイルをダウンロードしてご確認下さい。

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