3月15日(土)、埼玉県戸田市に位置する彩湖にて開催されたTOKYOエンデューロ River Stage 2014。今回はメインイベントのチームエンデューロを走った2台の女子バイクと、併催のタイムトライアルを駆け抜けた4台のTTバイクをピックアップして紹介します。



大塚加奈子さん(TTMS STD)のチネリ リトルウイング

大塚加奈子さん(TTMS STD) チネリ リトルウイング大塚加奈子さん(TTMS STD) チネリ リトルウイング
上品なゴールドのカラーとピンクのパーツが合わさって、非常にキュートな印象のチネリ リトルウイングに乗る大塚さん。5年ほど前に体力維持の一環でランニングを始めた大塚さんは、堤防を走っているときに自転車をよく見かけるようになり、爽快そうで羨ましいと感じたのが自転車に乗り始めたきっかけだったとのこと。昨年はツールド千葉などにも参加し、積極的に自転車を楽しまれている。

セライタリアの女性向けサドルを使用セライタリアの女性向けサドルを使用 ブラケットの上下でバーテープを使い分けているブラケットの上下でバーテープを使い分けている

自転車の色づかいと合わせたコラムスペーサーがおしゃれ自転車の色づかいと合わせたコラムスペーサーがおしゃれ アクセントとして赤いパーツを多用するアクセントとして赤いパーツを多用する


身長162cmの大塚さんにぴったりのサイズが自転車店の店頭にはなく、ネットを駆使して出会ったフレームがこのリトルウイング。最初の一台であるものの、フレームから組み上げて妥協のない構成となっている。鮮やかなレッドのノコンのワイヤーが特にお気に入りポイントと語ってくれた。リアスプロケットは27Tとなり、どんな道でも安心のギア比であることも大切なポイントだ。



古屋みさきさん(しずおかサイクル)のアンカー RA5

古屋みさきさん(しずおかサイクル) アンカー RA5古屋みさきさん(しずおかサイクル) アンカー RA5
4時間エンデューロに出場していた古谷さんの愛車はアンカーのアルミモデル、RA5だ。実は、小平市にある自転車店「しずおかサイクル」の店長の娘さんで、今日はショップのチームと一緒に参加しているとのこと。昨年は乗鞍のジュニアカテゴリに出場したり、昭和記念公園で行われていた、TOKYOエンデューロX'masエディションのキッズレースに出ていたりと、イベント経験も豊富な古屋さんは「自転車は大好きです!」と語ってくれた。

ピンクのシフトアウターとサイクルコンピューターが目立つハンドル周りピンクのシフトアウターとサイクルコンピューターが目立つハンドル周り シートチューブとおなじホワイトのシートポストはパステルピンクのクランプで固定シートチューブとおなじホワイトのシートポストはパステルピンクのクランプで固定

シルバーカーボンのコラムスペーサーもお気に入りシルバーカーボンのコラムスペーサーもお気に入り WOODMANのピンクアルマイトクイックを使用WOODMANのピンクアルマイトクイックを使用


そんな古屋さんの愛車のこだわりポイントは、シートクランプやブレーキアウターなどをカラーコーディネートしているところ。随所にピンク系のパーツが組み込まれ、フレームカラーと相まって一体感のある自転車に仕上がっていた。ちなみに、まだ自分では組み付けられないので、店長(お父さん)やショップのスタッフの時間がある時に自分の選んだパーツを組んでもらっているそうです。



風間博之さん(サイクル・フリーダム)のフェルト DA

エンデューロに先立って行なわれた個人タイムトライアルで1番時計を叩きだしたサイクル・フリーダム所属の風間博之さん。オープン参加した全日本チャンピオンの大場政登志選手のタイムをも上回って優勝を果たした。そんな今大会のウィニングバイクはフェルトが徹底的にエアロダイナミクスを追求した末に誕生した「DA」だ。

風間博之さん(サイクル・フリーダム) フェルト DA風間博之さん(サイクル・フリーダム) フェルト DA
メインコンポーネントは電動式の9070系シマノデュラエースで、フレーム専用品の前後ブレーキとセラミックスピードのBBを組み合せる。電動ケーブルのジャンクションはトップチューブの上に、外装式のバッテリーはプロチーム同様にシートポストの後方に配置。ハンドル周りはフェルトのオリジナル、サドルはプロロゴがリリースするTT用モデルZero II TTをチョイスしている。

サドルはプロロゴのZero II TT。バッテリーはシートポスト後方に固定サドルはプロロゴのZero II TT。バッテリーはシートポスト後方に固定 フェルトオリジナルのハンドルを使用フェルトオリジナルのハンドルを使用

フロントライトも同時に取付可能なレックマウントを用いてガーミンの固定を行うフロントライトも同時に取付可能なレックマウントを用いてガーミンの固定を行う ジップのホイールにシマノのクイックレリーズを組み合わせるジップのホイールにシマノのクイックレリーズを組み合わせる


ホイールは前後共にジップをアッセンブル。クイックレリーズはシマノ9000系ホイール付属の付属品に換装したり、「100円均一で買った」という小さな磁石をビニールテープでホイールに直付してスピードセンサー用マグネットとするなど、実走派ならではの工夫が随所に見られる。最後に今回の勝因について聞いてみると「ハンドルを5mm上げて、クランク長を2.5mm短くしたこと」とのこと。このシーズンオフにライディングポジションを煮詰めたことが功を奏したようだ。



岩佐昭一さん(サイクル・フリーダム)のルック 596タイムトライアル

優勝した風間さんのチームメイトで、千葉県千葉市のサイクルショップ「サイクル・フリーダム」の代表を務める岩佐昭一さんの愛車はルック 596タイムトライアル。1台当たり50時間以上をかけてハンドメイドされるというバイクで、カラーは黄色、赤、青を組合せた希少なモンドリアンだ。

岩佐昭一さん(サイクル・フリーダム) ルック 596タイムトライアル岩佐昭一さん(サイクル・フリーダム) ルック 596タイムトライアル
メインコンポーネントは電動式の9070系シマノデュラエースで、リアディレーラーのプーリーゲージはバーナーに換装済み。クランクはフレームに標準で付属するZED2では無く、日本未発売のFC-7800Cのアームに7900系のチェーンリングという組み合わせに変更されている。ホイールは前後共にマヴィックで、前輪にイオ、後輪にコメットをアッセンブル。タイヤはコンチネンタルCOMPETITIONでフロントは23c、リアは25cと前後で太さを変えている。ちなみフロントには25cが装着できなかったとのこと。ハンドル周りはジップだ。

サドルはかっちりとした座り心地のMTB用サドルのフィジーク ツンドラサドルはかっちりとした座り心地のMTB用サドルのフィジーク ツンドラ 電動ケーブルのジャンクションはステム横に配置電動ケーブルのジャンクションはステム横に配置

クランクはFC-7800Cのアームに7900系のチェーンリングを組み合わせるクランクはFC-7800Cのアームに7900系のチェーンリングを組み合わせる サドルの下にはふなっしーのストラップがサドルの下にはふなっしーのストラップが


「一番のこだわりポイント」というサドルはフィジークのMTB用モデルであるツンドラ。ノーズ部分にパッドを多く配したTT用サドルのフワフワとした座り心地ではなく、かっちりとした乗り心地を狙ってとのことだ。そしてレールには、自転車のカラーと相性バッチリなふなっしーの姿も。因みに今年の目標は「JBCF E1クラスで年間王者を獲得してイエロージャージを着ること」だそうだ。



古屋周作さん(TEAM・Y/FSR)のリドレー DEAN

個人の部に続き開催されたチームタイムトライアルで優勝したTEAM・Y/FSRのメンバーである古屋周作さんが駆けるのはリドレー DEAN。オーバルコンセプト社との共同開発によって誕生したフレームで、ファニーバイクの様に前傾したトップチューブやスリットの入ったフロントフォーク及びシートステー、リアホイールに沿うようなシートチューブ形状などユニークな造形が特徴だ。

古屋周作さん(TEAM・Y/FSR) リドレー DEAN古屋周作さん(TEAM・Y/FSR) リドレー DEAN
コンポーネントは機械式の6700系シマノアルテグラで、前後ブレーキのみフレーム専用品となる。ホイールはかつてのヴァカンソレイユさながらに、ファストフォワードのF9RとDISCの組み合せ。ベースバー及びエクステンションバーはプロファイルデザインをチョイスし、テートラブスのBarFly TTを用いてガーミンのサイクルコンピューターをマウント。サドルはスペシャライズド SITEROをアッセンブルしている。

速く走れる様にとの願いが込められたロードランナーのステッカー速く走れる様にとの願いが込められたロードランナーのステッカー ハンドル周りはプロファイルデザインハンドル周りはプロファイルデザイン

コンポーネントは6700系シマノアルテグラコンポーネントは6700系シマノアルテグラ ボトルはスペシャライズド Virtue Aeroボトルはスペシャライズド Virtue Aero


全体的にはオーソドックスな仕上がりだが、古屋さん曰くステッカーチューンで個性を出しているそうだ。「一番のアピールポイント」というフレーム後方に貼られたアニメ「ロードランナー」のステッカーには速く走れる様にとの願いが込められているそう。そして、トップチューブに貼られた名セリフ「Beep Beep!!」の文字で自身を鼓舞しているとのこと。



東智博さん(MK III)のジャイアント FCR

「今年はタイムトライアルイベントの開催が多いのでTTバイクを一台組んでみました」と語って下さったのは個人の部に出走したMK III所属の東智博さん。愛車はジャイアントFCRを改造したバイク。販売パッケージとしてはフラットバーロードのみ設定されるが、チューブやフォークが翼断面形状であることに加え、ジオメトリーがDHポジションに対応していることからTTバイクとして使用するライダーが多いモデルだ。

東智博さん(MK III) ジャイアント FCR東智博さん(MK III) ジャイアント FCR
東さんのバイクで最も特徴的なポイントはハンドル周りで、プロファイルデザインやPROなど複数ブランドのパーツを組み合わせて、理想を追求している。ステムはかつてルックから発売されていた名品エルゴステムと似た機構を持つSATORIというメーカーのアイテムを使用。アームレストの高さは自作のスペーサーで調整している。

サドルにはISMをアッセンブルし後退幅を稼ぐサドルにはISMをアッセンブルし後退幅を稼ぐ 複数ブランドのパーツを組み合わせて理想のポジションを追求複数ブランドのパーツを組み合わせて理想のポジションを追求

自作のスペーサーでアームレストの高さを調整する自作のスペーサーでアームレストの高さを調整する 7970シマノデュラエースにクォークのパワーメーターを組み合わせる7970シマノデュラエースにクォークのパワーメーターを組み合わせる


コンポーネントは7970系デュラエースをメインに、クランクのみスラムのSシリーズをベースとしたクォーク製パワーメーターとされている。ホイールはフロントが3本バトンのHED、リアがジップのディスク。サドルはISMをチョイスし、UCIルールに定められている5cm以上のサドル後退幅を確保しているとのこと。



text&photo:Naoki.Yasuoka, Yuya.Yamamoto