1月12日に中井中央公園で行われた湘南ベルマーレシクロクロス第2戦。今回の「あなたの自転車見せて下さい」では、こだわりのクロモリバイクや、ディスクブレーキ仕様のモデルなど、会場で見かけた5台のバイクをピックアップしました。



登坂圭太さん(ガリビエ) リッチー SWISS CROSS

登坂圭太さん(ガリビエ) リッチー SWISS CROSS登坂圭太さん(ガリビエ) リッチー SWISS CROSS
感度高く自転車遊びを楽しんでいるクラブ、ガリビエに所属している登坂さん。その愛車は「手軽な価格でスチールのシクロクロスバイクを探していたところ、これに出会ったんです」というリッチーのスイスクロスだ。昔を知る人には馴染み深いバイクだが、モデルチェンジを繰り返したスイスクロスは、このモデルで3代目にあたるもの。新しいジオメトリーやチューブを採用し、フレームセット価格140,000円とリーズナブルな価格も人気を呼んでいるモデル。

ハンドル周りやシートピラーは、フレームと同色のWCSシリーズハンドル周りやシートピラーは、フレームと同色のWCSシリーズ コンポーネントは既存のロードバイクと合わせたカンパニョーロ・コーラスコンポーネントは既存のロードバイクと合わせたカンパニョーロ・コーラス

ホイールは気合いのBORA。タイヤはヴィットリアといずれも赤ロゴが入るホイールは気合いのBORA。タイヤはヴィットリアといずれも赤ロゴが入る シートポストの出具合が半端じゃありませんシートポストの出具合が半端じゃありません


「軽さを感じる乗り味があって、扱いやすく気に入っていますよ。」という登坂さんのスイスクロスには、他に所有するロードバイクと同じというカンパニョーロの11速コーラスをアッセンブル。ホイールも同社のボーラONE、ステム&ハンドルとシートピラーは全てフレームと同色のリッチーWCSシリーズ(シートピラー長が凄いです!)という非常に統一感の高い、レーシングな雰囲気漂う素敵な一台でした。




吉田秀夫さん(Team BONSAI Astronautics)IndependentFabrication Disk Cross

吉田秀夫さん(Team BONSAI Astronautics)IndependentFabrication Disk Cross吉田秀夫さん(Team BONSAI Astronautics)IndependentFabrication Disk Cross
CWのインプレッション記事でもお馴染み、東京・千駄ヶ谷に店舗を構える「盆栽自転車店」のオーナーである吉田秀夫さん。「以前乗っていたバイクが壊れてしまってからは暫くシクロクロスレースから遠のいていました。今回はこのバイクの初陣です」という自慢の愛車は、IndependentFabricationのディスクブレーキ仕様クロモリCXバイクだ。ビビッドなHi-Visピンクを一身に纏うバイクは、「他に所有しているIndependentのロードバイクのジオメトリーをベースに、完全なるレースバイクをオーダーしました」という一台。

IFロゴのカスタムペイントを施工しているIFロゴのカスタムペイントを施工している ダウンチューブは上下にロゴが記されているダウンチューブは上下にロゴが記されている

ホイールはアンブロジオのリムを使った手組品ホイールはアンブロジオのリムを使った手組品 リアエンド幅は135mm。ハブはクリスキング製だリアエンド幅は135mm。ハブはクリスキング製だ


「ジオメトリーや乗り味は完全にお任せで作ってもらいました。舗装路で乗るとややサイズが小さく感じたのですが、未舗装路だと不思議としっくりきて、流石だなと思わされましたね。」と言う。ブレーキは暫定でAvidの機械式が装着されているが、圧倒的に制動力が高く、特に泥汚れに強くお気に入りだそうだ。

「このレースが初陣ですからまだまだ僕とこのバイクは付き合いたてのカップルみたいなものです。自転車はオンナって言いますから。今日レースを走ってみて、まだまだ僕の方が足りないなと思わされた、そんなポテンシャルのあるバイクですよ。」




臼井清貴さん(HOT STAFF) Stoemper Ronny

臼井清貴さん(HOT STAFF) Stoemper Ronny臼井清貴さん(HOT STAFF) Stoemper Ronny
ピュアホワイトにスカイブルーのストライプが美しい臼井清貴さんの愛車は、2012年当時シクロクロス東京にて優勝したベン・ベルデンが駆っていたのと同じ、アメリカンハンドメイドブランドのStoemper(ストンパー)のRonny。これをディスクブレーキ仕様としていることが特徴だ。

臼井さんもその時のベルデンの走りとバイクに魅了された一人で、国内で初めて同工房へのオーダーをした方だそう。綺麗なカラーリングは、「かつてのロードチーム、ミルラムをイメージして、各所にベルギーの国旗をあしらいました」という臼井さん自身が考えたもの。トリプルバテッドのチューブを使用したアルミフレームは「軽くキビキビと走ってくれるので、とてもお気に入り」という。

シングル専用であるため、FD用のワイヤーストッパーが無いシングル専用であるため、FD用のワイヤーストッパーが無い フロントシフターのメカは抜かれているフロントシフターのメカは抜かれている

HAYESの機械式ディスクブレーキ CX5HAYESの機械式ディスクブレーキ CX5 フロントはXX1(38T)、リアはFORCEを組み合わせるフロントはXX1(38T)、リアはFORCEを組み合わせる


パーツアッセンブルにも大変こだわり抜いたこのバイク。メインコンポーネントはSRAMの新型FORCEだが、フロントシングルとするため、クランクセットはフロントシングル専用コンポであるXX1を採用し、フレーム側も最初からFD用の台座やケーブル受けを廃した仕様としている。ブレーキはHAYESの機械式「CX5」、ホイールは「国内にあまりいないのでお気に入りですね」と語るロルフプリマのVCX。

バイクは昨年の9月に納車したばかり。「とても気に入っていますよ。最高です。ダートだけではなく、舗装路でも常に第1バイクとして乗っていきたいですね」と語ってくれた。




樋大弥 君(スワコレーシングチーム) Focus Mares AX 3.0 DISC

樋大弥 君(スワコレーシングチーム) Focus Mares AX 3.0 DISC樋大弥 君(スワコレーシングチーム) Focus Mares AX 3.0 DISC
日本のフィデアとも名高い(?)シクロクロスの強豪チーム、スワコレーシングに所属する高校一年生のシクロクロッサー、樋大弥くんのバイクはフォーカスのアルミディスクブレーキ完成車「Mares AX 3.0 DISC」だ。シクロクロスを始めてまだ1年目という樋君。このバイクは2台目で、チョイスした理由は「白とブルー、ブラウンのカラーリングに惚れ込みました。あとディスクブレーキも流行っぽくて良いなと思って。」と言う。「重量はあるものの、重さを感じない走りと担ぎの軽さがあると思います。」とインプレッションを語ってくれた。

「惚れました」というホワイト×ブルーのカラーリング「惚れました」というホワイト×ブルーのカラーリング バーテープは好みでオレンジ色に変更バーテープは好みでオレンジ色に変更

ペダルは最新のマヴィック(タイム)製品を使うペダルは最新のマヴィック(タイム)製品を使う バイクはほぼ完成車の状態のまま。ディスクブレーキを装備するフォークはカーボン製バイクはほぼ完成車の状態のまま。ディスクブレーキを装備するフォークはカーボン製


「今日のレースは序盤は良かったのですが、途中で落車に巻き込まれてしまい残念でしたね。コース的にはとても面白かったのですが…」と残念がる樋君だが、このバイクと一緒にレースを重ねるたびにレベルアップしていけるはず。若いシクロクロッサーの話を聞くことができてどこか嬉しい気分になりました。




番外編
ジャイアントブース TCX Advanced 1

ジャイアントブースに展示されたTCX Advanced 1ジャイアントブースに展示されたTCX Advanced 1
番外編として紹介するのは、湘南ベルマーレチームの機材サポートを行うジャイアントの出展ブースに展示されていた最新のシクロクロスバイク「TCX Advanced 1」。フレームにはT-700グレードのカーボンを使う、コストパフォーマンスの高い完成車だ。最たる特徴としては、SRAMの油圧ディスクブレーキ(HRD700)や、15mmのスルーアクスル仕様のフロントフォークなど最新規格を積極的に盛り込んでいること。OVERDRIVE2のヘッドチューブなどで剛性を確保する一方、D型断面のシートポストや柔軟なシートステーは高い柔軟性を誇っている。

HRD700油圧ディスクブレーキを搭載しているHRD700油圧ディスクブレーキを搭載している 振動吸収に貢献するD型断面のシートポスト振動吸収に貢献するD型断面のシートポスト

ケーブルやワイヤーはフルインターナル仕様だケーブルやワイヤーはフルインターナル仕様だ 15mmのスルーアクスル仕様のフロントフォークなど15mmのスルーアクスル仕様のフロントフォークなど


一緒にご登場頂いたジャイアント・ジャパンの西川さん曰く、「とても目立つカラーリングはどこの会場でも人気ですね。SRAM社の油圧ディスクブレーキがリコールになってしまっており、現在デリバリーが止まっていてとても苦しい思いをしています。なるべく早くご注文頂いた方にお届けしたいですね。」と言う。「下りが多い今回のようなコースでは圧倒的な武器になりますから、僕自身も乗りたいと思っているんです」と加えてくれた。


text&photo:So.Isobe