せんとくんも駆けつけた関西シクロクロス第6戦。クリスマスの賑わいを見せるくろんど池のテクニカルコースで、パンクで失速した若手を振り切った小坂正則(スワコレーシング)が優勝を飾った。女子は福本千佳(同志社大学)が2週連続で圧勝。

2回目で600名のくろんど池

C1+J  スタートC1+J スタート photo:Hideaki TAKAGI12月23日、奈良県生駒市にあるくろんど池。大阪府と京都府の県境に近い山間部にある池をぐるりとシクロクロッサーたちが回る。コース監修を担ったのは、会場近くに住む三船雅彦氏。池沿いの平坦路と松林を縫うように里山を駆けるシングルトラックが組み合わされている。

C1+J  序盤はジュニアの横山航太(篠ノ井高校)が先頭C1+J 序盤はジュニアの横山航太(篠ノ井高校)が先頭 photo:Hideaki TAKAGI30段を超える階段や、テクニックで差がつくコーナーが盛り沢山。起伏とバリエーションに富んだコースだ。コースには食堂が隣接するなど観戦フレンドリーな一面もあり、今年開催2回目の会場にもかかわらず、関西シクロクロスの中でもその人気は高い。大阪・京都・奈良からのアクセスの良さから、実に600名のエントリーを集めた。

C1 小坂親子、沢田時、横山航太の戦い

C1レースをスタート直後からリードしたのは、前週の関西シクロクロスで敗れたU23全日本チャンピオンの沢田時(ブリヂストンアンカー)と、ジュニア全日本チャンピオン横山航太(篠ノ井高校)、そしてエリート全日本選手権2位の小坂光(宇都宮ブリッツェン)の3名。

C1+J  序盤の先頭パックC1+J 序盤の先頭パック photo:Hideaki TAKAGIその後方には中井路雅(岩井商会レーシング)、島田真琴(シマノドリンキング)、小坂正則(スワコレーシング)、前田公平(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)、中原義貴(キャノンデール/リンゴロード)がそれぞれ距離を空けることなく続く。

一方、最後尾からスタートした土井雪広(アルゴス・シマノ)は「抜きどころが少ない」と言われるコースで次々と選手をパスし、レース中盤には10番手前後まで上がった(最終的に9位)。

C1+J  6周目、周回遅れをパスする先頭の沢田時(ブリヂストンアンカー)C1+J 6周目、周回遅れをパスする先頭の沢田時(ブリヂストンアンカー) photo:Hideaki TAKAGI全日本選手権でエリートレースよりも速い平均スピードでジュニアチャンピオンに輝いた横山は、40分制限でのレースであり、その走りはC1レースのリザルトに反映されない。しかし2周目まで積極的にレースをリードした。3~4周目に入ると、横山は徐々に沢田と小坂光からの遅れが目立つようになる。その後ろには、ジワリと小坂正則の姿が迫った。

持ち前のテクニックを活かして先頭を奪ったのは沢田。2013年2月にアメリカ・ルイヴィルで開催されるシクロクロス世界選手権に出場せず、年明けからMTBに打ち込む沢田にとって、この関西シクロクロス第6戦はシーズン終盤戦。1週間前の借りを返すかの如くペースを上げ、後続を引き離しにかかる。

C1+J  土井雪広(アルゴス・シマノ)C1+J 土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Hideaki TAKAGI沢田を追うのは、小坂光と小坂正則の親子。先頭沢田と小坂親子のタイム差は10秒ほどしかつかず、一つのミスで勝負が決まる緊迫した状況が続いたまま最後の2周回を迎える。

すると先頭の沢田が後輪パンクでスローダウン。代わって先頭に立った小坂親子が互いにアタックしながら最終周回に向かう展開に。しかしここで小坂光が前輪スローパンクのためバイク交換を余儀なくされ、その隙にリードを広げた小坂正則が単独で池沿いの平坦路を快走。最終的に10秒差で父親小坂正則が勝利した。

C1+J  終盤の小坂正則(スワコレーシング)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)C1+J 終盤の小坂正則(スワコレーシング)、小坂光(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki TAKAGIスロースタートながら、後半にかけて上げる粘りの走りを披露した父正則。「抜くポイントも無く、近づく(距離を縮める)ポイントも無いコースでしたが、前から落ちてくる選手を抜いて前に上がりました。コンディションは良く、後半タレなかった。むしろ後半にかけてペースを上げられたと思います」。若手の台頭が目立つ中で、49歳の大ベテランが魅せた。

一方、チャンスをモノに出来なかった息子光は「スピードとテクニックが必要なコースで、抜きどころが少ないのでスタートから踏みましたが、脚に来てしまった。思ったよりも踏めましたが、(沢田)時君も速く、パンクもしたし、今日はダメでした」と悔やんだ。

CL1 先頭の福本千佳(同志社大学)CL1 先頭の福本千佳(同志社大学) photo:Hideaki TAKAGI女子は福本千佳が連覇

CL1 表彰CL1 表彰 photo:Hideaki TAKAGI全日本チャンピオンの宮内佐季子(CLUBviento)と、1週間前に行なわれた第5戦の勝者福本千佳(同志社大学)との対決に注目が集まったCL1。「もともとMTBを走っていたので、パワーではなくテクニックで走る今日のコースが大好きです」と話す福本が1周目から飛び出した。

宮内は坂口聖香(Ready Go Japan)とともに追走するが、福本とのタイム差は縮まらない。結局福本は1分差近いリードを広げてフィニッシュした。

「全日本選手権が終わってから調子が上がってきています」と、連勝を飾った福本は話す。「全日本選手権までに距離を乗り込んだので、今はあまりバイクに乗らず、体幹トレーニングやトレイルランニングなどを行なっています」。シクロクロスシーズン後半に向けて調子の波を掴んでいる様子だ。

C2は野口忍と中根英登のバトル

この日、注目を集めたもう一つのレースがC2。元MTBアジアチャンピオンの野口忍(TREK)とチームNIPPO所属の中根英登(中京大学)が激しいバトルを繰り広げる。

C2 優勝の野口忍(TREK)と2位の中根英登(中京大学)。お互いに「強い!」C2 優勝の野口忍(TREK)と2位の中根英登(中京大学)。お互いに「強い!」 photo:Hideaki TAKAGIテクニックで先行する野口と、踏む場面で前に出る中根。「後ろからNIPPOのジャージが近づいてきて、『(竹之内)悠ではないな?』と思ったものの、本物の脚だった」と話す野口と、「トレックのジャージの人は山の中でめちゃくちゃ速かった」と話す中根。両者ともに互いの素性を知らないままアタックをかけ合うが決まらない。

ゴール手前で一気に仕掛けたのは野口。泥に覆われたテクニカルコーナーで勝負が決まり、野口が最後は余裕をもってゴールした。両者ともに次戦からはC1を走る。
ますます国内シクロクロスシーンは盛り上がりそうだ。

結果

C1(9周回)
1位 小坂正則(スワコレーシング)59'13"
2位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)+10"
3位 沢田時(ブリヂストンアンカー)+44"
4位 島田真琴(シマノドリンキング)+53"
5位 中井路雅(岩井商会レーシング)+55"
6位 前田公平(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)+1'43"
7位 中原義貴(キャノンデール/リンゴロード)+3'42"
8位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+3'47"
9位 土井雪広(アルゴス・シマノ)+4'14"
10位 木村吉秀(瀬田工業高校)+4'38"

CJ
(6周回)
1位 横山航太(篠ノ井高校)40'56"
2位 岡野樹(TeamRINGOROAD/のぼこん)+5'08"
3位 中井唯晶(瀬田工業高校)+5'21"

CL1(5周回)
1位 福本千佳(同志社大学)40'38" 
2位 坂口聖香(Ready Go Japan)+56"
3位 宮内佐季子(CLUBviento)+1'05"
4位 埜真賢美(Teamクルーズ)+5'56"
5位 西口悦子(Sakatani Racing)+6'27"
6位 清水友恵(CSヤマダ)+6'44"

CM1(5周回)
1位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本)39'01"
2位 藤井修(きゅうべえsports)+10"
3位 景山昭宏(クラブシルベスト)+17"
4位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+50"
5位 佐野光宏(ストラーダレーシング)+1'03"
6位 大河内二郎(シルクロード)+1'04"

C2 (5周回)
1位 野口忍(TREK)37'55"
2位 中根英登(中京大学)+09"
3位 中原学(Bike Team回転木馬)+40"
4位 熊本大五郎(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)+44"
5位 岩田祐樹(ZIPANG)+51"
6位 窪田博英(Rapha Cycle Club Osaka)+57"

text:Kei TSUJI photo:Hideaki TAKAGI
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